
昨日、電話で 杉板の事について問合せをいただきました。
「杉板の表面処理して少し硬くしたものがあるけれど、どう思うか」
という事でした。
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熱圧ローラー処理という方法があります。どんなものかというと・・
ものすごく大雑把な言い方すると、高温のアイロンでぎゅっと押しつけながらアイロンがけしたイメージ。
力いれてアイロンかけたら生地は ピーン としたが てかった という事・・・と言っていいのか?
熱圧ローラー処理された杉板は、表面に硬さが出てツヤもある 状態になるそうです。
現物を見た事があったような、ないような・・・。
ネットで見ていると、「杉なんだけど、ヒノキのような硬さがある」 と表現した大工さんの言葉がありました。
杉板は、柔らかい事が欠点なのだろうか?
なんでそんな処理をするのかというと、みんな 「杉板は柔らかいから、傷やへこみがつきますよ」 と言うから。
だから杉板の柔らかい事が 欠点 になって、それを克服して 付加価値 を付けるためなんだと思います。
「柔らかいから・・・」とは私も言います。「こんなになるとは思っていなかった」と1年後に言われてもどうしようもないので最初に言ってます。
でも、柔らかい事が欠点というよりも、「柔らかいからこそ・・・」という部分が、杉板の良さだと思っています。
柔らかいからこそ・・・ 歩くのに負担が少ない。
柔らかいからこそ・・・ 温かみを感じる。
同様に杉板というのは、、、個人的なイメージかもしれませんが、洗いざらしのシャツ みたいな、サラサラ感があります。
表面処理するとそれもなくなっちゃいます。
サラサラ感があるから・・・ 裸足になりたくなる。
サラサラ感があるから・・・ ゴロンと横になりたくなる。
ちなみに、猫も、杉板の床は気に入ってくれるそうです。
( 全部施主が言ってます ⇒ 杉の床の暮し )
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そのままがいいか、表面処理したほうがいいか、 というのはなんとも言えません。
でも、はっきり言ってくれと言われれば、そこまで(表面処理)して傷やへこみを心配するなら、杉じゃなくていいんじゃないの、という返事をします。
「ヒノキのような硬さが出た」と言っても、ヒノキだって針葉樹ですから、広葉樹の硬さとはぜんぜん違います。
ウレタン塗装など、表面に硬い塗装をするという事はあるけれど、そこまでして針葉樹、もっと言えば、無垢材を使う必要もないんじゃないかな~ と思います。
どうゆうふうに考えるかは、価値観でしょうね。
私は・・・人の体だって傷つきもするし歳をとるように、
家の材料だって同じだし、そうゆうものを使いたい、と思うのです。
メンテナンスフリーなんてあり得ないし、呼吸も変化もない材料で作られた部屋に居ると思うと、息苦しくなるような気がしてしまします。
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電話で質問された方は、そうゆう話ではなく、「 表面処理をどう思うか 」というだけの話なので、「 そこまでして杉を使わなくてもいいのでは・・」 と答えました。
その人がそうだということではありませんが、杉板は、あまりに神経質な人・製品のような家を求める人にはお勧めできません。
「まっいいかぁ」 と思える人、自然な感覚を大切にしたい人なら 大丈夫です。
杉板の床の家に暮らす人達の感想など ⇒ 杉の床の暮し
家作りを絶対に後悔しないために
「本当はこんな暮しがしたい」
その思いが大切です。
その思いを知り、育て、実現していく家作りをします。
志田茂建築設計事務所
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