LWH1の施主Yさんと、見積を頼もうかと考えている建築会社のオープンハウスに行ってきました。
それは、千葉のある公団の分譲団地の部屋を全面改修・・・いわゆるリノベーションしたものでした。
ある設計事務所の設計によるもので、工事の仕上がりも・・・「いいんじゃない」と思えるものでした。なので、近いうちに、その会社に連絡をとってみたいと思います。
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ところで、その団地・・・・ これがなかなか素晴らしいところでした。築30年ほどらのその団地は、2階建てから3階建て(たぶん)の低層の集合住宅が並びます。それぞれの棟は、うらやましいくらいに距離があり、いたるところに緑地があり、木々が育ち、静かで豊かな環境です。
私の卒業論文(・・・そんな大層なもんじゃないんですが。。)は低層集合住宅について書きました。20数年前の事。
当時は建築雑誌でも毎号必ずどこかの低層集合住宅が紹介されるほど、みんなが、よりよい住環境を作る事を真剣に考えていた時代でした。私も、「これからの時代は絶対に低層の集合住宅の時代だ!」と思っていました。著名な建築家達も大規模な低層集合住宅に関わっていました。
高度成長時代に、都心部から郊外に宅地がどんどん広がり、公団(*)を中心として大規模な団地が作られました。今となっては死語となった(?) 隣棟間隔(*) がしっかり守られ、棟と棟の間に産まれるスペースは緑地帯が作られていました。
(*)公団 → ウィキペディア
(*)隣棟間隔・・建物の間隔を十分にあけ、採光・通風・プライバシーなど十分配慮する。 建物の高さの2倍の距離・・・だったかな??
一時、そうゆう「団地」に対して批判がされましたが(特に高層団地・・?)、今となっては、木々が成長し、緑豊でゆったりとした環境をもつ「団地」は、とても素晴らしい住環境を持つ、うらやましいものとなっています。
ただ、郊外に多く作られた団地は、バブル後のまさに「雨後のタケノコ」のように出現した都心部の超高層マンションや地価の下落による都心部のミニ宅地開発により、人口移動が逆転し、寂れつつあるところが増えています。
とても残念です。緑豊で、年配世代の多くいる環境は、子育てする世代にとっては絶好の環境であると思うのです。
公団の標準設計による間取りは、今となっては使いにくいものである場合が多いのですが、部屋を全面的に改修する事で、その豊かな環境を取り込んだ、<いい住まい> となる可能性がかなり大きいと思うのです。特に、進歩の速度が当時の想定をはるかに超えている設備に関しては問題が多いのですが、特別な事を望まなければ、十分対応できると思います。
今となっては公団の団地は、地域の貴重な財産・・・かも。。
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今回のオープンハウスに伺った家のオーナーは、一戸建てを希望されていて2年近く土地を探したそうですが、条件に合うものに出会う事ができず、その団地の部屋を購入されたそうです。いくら土地の値段が下がっても、都心部で、普通の人が手に入れる事ができるのは、「狭小地」(・・・その定義がどのくらいの広さかわかりませんが、25坪前後・・?)となる場合が多く、狭小3階建てとなってしまいます。ならば、そのような公団の団地を手に入れ、全面的に改修(*リノベーション)する事を考えるのも、十分に<選択肢> だと思います。
*築40年のマンションのリノベーションの設計が進行中。。
小さい家も普通になっていますが、、、うちの仕事の中では、最少 の 10坪!