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建材建具ではダメな理由 【名もない建具たちの仕事】

[築20年の家リノベーション 石神井公園の家(R) 2階廊下]

 

一般的な家・・・ハウスメーカーとか建売とか・・・では

家を形づくるほぼ全ての物が建材です。

 

建材とは、メーカーが作る、ドアとかシステムバスとかシステムキッチンとか。。

 

私のところでは、風呂もキッチンも、メーカーのものを使う事もあります。

機能的でありよくできていて、そしてお値段も安いから。

 

ただ、絶対に使わないのは、建材の木製の 『 建具 』 。

建具とは、部屋のドアや収納などの扉。

 

[築20年の家リノベーション 石神井公園の家(R) 2階廊下 正面個室の引戸を開けたところ]

 

 

 

建材の(室内)建具を使わない理由は・・・

 

それらは、自分の存在を主張するだけで、部屋に調和するものじゃないから。

 

 

それらは、メーカーが作る商品なので、

商品として”見栄え”よく作られます。

商品だから ”商品名” ”シリーズ名” まであります。

 ”選んでもらえるよう” ・・・

「私! 私!」 と主張します。

 

それらを使った部屋は、

あっちのドア、こっちの扉 ・・・ が

みんな自己主張して

とってもうるさい。

 

しかも

部屋の用途や寸法に関係なく存在する

のです。いや、

それに部屋を合わせている

と言ってもいいです。

 

微妙にあまっている寸法

使えない場所を作っているその高さ

 

などなど、「あとちょっと大きくすればいいのに、なぜ?」

と思う事が、普通にある 一般的な家

 

 

建具(ドア・扉)は、

”部屋に入るため”

”収納の中を見せないため”

”区切るため”

という役目があります。

 

でも、もうひとつ、とっても大切な仕事があります。

それは

 

部屋と調和し、部屋を気持ちよいものにする

 

という事。

 

 

建材の建具には、残念ながら

その仕事はできません。

 

ですから、それらを使う事はありません。

 

大切なのは、物として主張する事ではなく

住む人が気持ちよい時間を過ごせるようにサポートする事なのです。

 

**

写真は、

築20年の家をリノベーションした 石神井公園の家(R) の2階廊下です。

右側はクローゼットで、全面、建具になっています。

ここでの建具の仕事は、

もちろん収納としての扉であり、出し入れしやすいよう大きく開く事。

そして、廊下の壁のように存在し、狭い廊下であっても

ここを通る事が”気持ちいい”と思ってもらう事です。

 

施主のYさんは・・・・

2階は通路を歩くのが楽しいです。
とくに夜、照明がついている雰囲気が
暖かみを感じられて気に入っています。

 ”

と言ってくださいました。

 

Yさんの家のために作った建具達には名前はありません。

でもそれぞれは、とってもよい仕事をしてくれています。

 

[築20年の家リノベーション 石神井公園の家(R) 2階工事前]

 

 


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