本郷山村留学センターの紹介

山口県岩国市の山奥にある、本郷山村留学センターを保護者目線で紹介するブログです。

本郷山村留学センターの所長さんって?

2020-05-25 20:00:07 | その他
”田舎”体験と子どもの精神的自立 : 山口県岩国市本郷における山村留学の20年を通して』という論文があります。
本郷山村留学センター所長も作成者の一人です。

もう10年以上前の論文ですが、ここから読み解けるのは、本郷山村留学センターの先生がたは、子ども達に対して、実はかなり意図的に接しているということです。
子ども達の個別の成長を図りながら、全体をまとめていくことを意識的にやっています。

この論文の最後では、以下のように述べられています。

「・・・本郷に来て生活のリズムが整ったにもかかわらず、山村留学を終えて地元に戻ると元の不規則な生活に戻ってしまうという事例がしばしば生じる点である。

本郷で規則的な生活を経験することが子どもに好ましくない影響を与える可能性は少ないであろうが、
本郷と地元との生活の間に、子どもの適応力だけでは対応しきれない極端な差異があるとすれば、
その差異を緩和するようなカウンセリング機能やサポート機能を備えることが、山村留学体験を地元でより効果的に生かしてもらうために必要である。

以上のように、本郷の山村留学は、単に”都市”の子どもに”田舎”体験を提供するだけではなく、
”田舎”に集った子ども達の”自ら成長する力”や”相互関係”を効果的に活用して、サポートすることによって、
”都市”が急速に失いつつある体験・教育機能を、質の高いレベルで提供することを可能にしている。

このような機能を備えている点において、本郷の山村留学は、現代の子供たちが精神的自立を果たすための”根っこ”ともいえる体験ができる場として、
重要な役割を果たしていると評価することができる。」

本郷山村留学センターにいる間は、きちんと生活ができても、自宅に帰ると元の木阿弥ということもあるようです。

子どもが山村留学に行くからといって、親の役割がなくなるわけではありません。親と先生がたとで、協力して、子どもを育てるという観点が必要だと思います。


「本郷山村留学センター」を検索すると

2020-05-25 19:06:40 | その他
本郷に山村留学を考えている方がネットで本郷山村留学センターのことを調べると、以下のサイトに不安を覚えるかもしれません。

【メール、署名のお願い】日本にある男女差別:山村留学女子中学生不可
ほんごう山村留学センターの男女差別をなくそう Girl's education rights

一人の方が、朝日新聞だけでなく、中国新聞にも投書して男女差別を訴えていました。
ネット上でのメール依頼、署名依頼、それにニュース記事作成依頼等々。いつまで続くのか分かりません。理解不能です。

他にも不安を抱くであろう内容が、検索すると出てくるかもしれません。これは、男女差別を主張している人と同一人物による主張です。

一人の人によって、本郷山村留学センターが悪く誤解されることがあれば、本当に残念なことだと思っています。

追記
この件に関しては、このブログ内のこの記事もご参照ください。
メディアを使ったりする人の声のほうが、より多くの人に届きやすいということはあると思います。
ただ、立場が違えば、視点が違います。わたし個人の視点もあります。読んでくださったかたがたも、それぞれの視点でご判断いただけたらと思います。


本郷から羅漢山へ

2020-05-25 18:01:01 | 参考
例年、5月のゴールデンウィークに、子ども達は、羅漢山に登ります。

こちらの動画を使わせてもらって、羅漢山までご案内します。
https://www.youtube.com/watch?reload=9&v=q5R0wRqVkIk&feature=youtu.be

ご覧の通り、春には桜並木がきれいです。あと、周りは杉が多いので、花粉症の方はご注意を。

04:10 本郷小中学校が見えています。

04:14 本郷山村留学センターがあるのですが、手前の建物のかげに隠れてよく見えませんね😅 
本郷山村留学センターの隣には、岩国市役所本郷支所があり、この辺が本郷町の中心部になります。

08:57 羅漢山の駐車場に到着。
この辺から、子ども達は歩いて山頂を目指します。山頂に着いたら、おいしいお弁当が待っています。
羅漢山でも、昔はスキーができたらしいです。
本郷も、昔は豪雪地帯といわれていたようですが、最近は温暖化のせいか、雪もあまり降らなくなっているようです。
頂上には、国土交通省のレーダ雨量計があります。

本郷山村留学センターでの居室には、それぞれ名前がついていて、「らかん」というお部屋もあります。


本郷ってどんなとこ?

2020-05-25 17:29:06 | 基本情報
本郷山村留学センターのある本郷って、どんなところでしょうか。

▼ 地域データ(令和2年3月1日現在)
位置/広島県との県境にそびえる羅漢山(1,109m)の南西の麓にある山里
面積/40.35k㎡ 
人口/770 
世帯数/479
教育/保育園1 小学校1 中学校1
医療/診療所1 歯科医院1
アクセス情報/
車…岩国市街から約60分、大竹市街から約40分
山陽自車道・岩国IC・大竹IC、ともに約40分
JR岩国駅から錦川清流線で河山駅まで約55分、さらに路線バスに乗り換えて25分。
http://iwakuni-iju.jp/hongo.htmlより。

本郷山村留学センターの周りも田んぼが多く、本郷山村留学センターで食べるお米は文句なしに、おいしいです。

水がきれいで、ホタルもたくさん飛びます。
6月の行事予定に、ホタル鑑賞があります。夜、みんなでホタルを見にいき、そっと捕まえて。
におうと、とってもクサイと子どもに教えてもらいました。

年間行事について

2020-05-25 08:08:02 | 基本情報
今年度は、新型コロナの影響で、行事の見通しは立っていないと思います。
例年の参考として、

本郷山村留学センターの主な年間行事のご紹介

4月 入所式・町内めぐり

5月 春の鍛錬遠足・田植え・山登り・焼肉大会

6月 ホタル鑑賞

7月 ジャガイモの収穫・大掃除・川泳ぎ

8月 夏期体験活動・天神祭・川泳ぎ(※夏休み期間中)

9月 小中合同大運動会・波野地区運動会・稲狩り

10月 相撲大会・文化祭・宇塚神社祭

11月 本郷フェスタ・山代本谷神楽共演大会

12月 しめ縄作り・餅つき・納会&クリスマス会

1月 とんど焼き・紙漉き(漉いた和紙が修業証書になります)

2月 豆まき・弁論大会・スキー教室

3月 ひな祭りお茶会・終業式

※毎月…神楽教室・ソフトボール練習・誕生日会・手紙の日・ネイチャーゲーム等

※その他…センター月報の発行・センター修業文集の発行等

『平成31年 第4回教育委員会会議 会議録』より

2020-05-25 07:57:37 | 参考
本郷山村留学センターに関係のある部分のみ抜粋しました。
https://www.city.iwakuni.lg.jp/uploaded/attachment/26353.pdf

質問:山村留学センターにお尋ねします。1年間お疲れ様でした。
他県からも児童・生徒をお預かりし、寝食を共にして、先生方も放課後に随分学習支援などされてましたが、1年間どうでしたか。
毎年クリスマス会に参加し、しつけや学習も含めて本当に実質的な一貫教育がなされているのを感じてましたが、何か課題などはありませんでしたか。

支所長:子どもたちは健やかに伸び伸び育っていると思います。
課題としましては、指導者が1人少ないため、指導者の方々が少し苦慮したのではと思います。
不登校生徒・児童もおらず、3月26日に修業式も行われる予定になってます。

質問:去年のクリスマス会に行って感じたことは、一緒に生活しているため小中学生が馴れ合いになっているのではと思っていたら、言葉使いなどきちんと節度を保っていました。
日頃のご指導の成果を感じ、他県から来られた保護者の皆さんも感謝されておられると思います。
引き続きどうぞよろしくお願いします。

支所長:今年度は21名でスタートし、来年度は17名でスタートする予定でしたが、急遽1名の追加希望がありましたので、18名になる可能性があります。


『平成30年 第13回教育委員会会議 会議録』より

2020-05-25 07:55:52 | 参考
本郷山村留学センターに関係のある部分のみ抜粋しました。
https://www.city.iwakuni.lg.jp/uploaded/attachment/23784.pdf

・山村留学センターについて、2学期が始まり、中学生1名が帰って来ないという事態がありましたが、1週間遅れで帰って来ました。

・一人でも多くの不登校生徒が学校やセンターに行けるようますます充実を図って頂きたいと思います。

・学校の体育祭に行かせて頂ました。本郷小中学校は、特に少人数の地域の中で学校の位置づけが非常に大きいと思いました。生徒のほとんどが山村留学センターの留学生であり、本郷は留学生からパワーをもらっているのを感じました。


『平成28年 第6回教育委員会会議 会議録』より

2020-05-25 07:54:47 | 参考
本郷山村留学センターに関係のある部分のみ抜粋しました。
https://www.city.iwakuni.lg.jp/uploaded/attachment/11957.pdf

・本郷は非常に歴史あるところでもあり ますし、どんなに少なくなっても残していくべきだと考えています。
山村留学センターがしっかりした形でありますので、本郷の小中、本郷学園と山村留学センターをどのようにかみ合わせるかということになろうかと思います。
先ほどから出ております岩国市内における不登校のお子さんに今後どのように対応していけるのかというところもありますし、小中一体校、山村留学センターをかみ合わせて、総合的に本郷学園というものを日本の中でも特色のあるものにしていけたらということを考えております。

『平成28年 第4回教育委員会会議 会議録』より

2020-05-25 07:51:13 | 参考
本郷山村留学センターに関係のある部分のみ抜粋しました。
https://www.city.iwakuni.lg.jp/uploaded/attachment/10938.pdf

本郷山村留学センター所長:4月6日に第30期山村留学センターの入所式を挙行する予定です。今年は17名入所予定です。

質問:来年度17名ということですが、それは全国から来られるのですか。岩国の方もいらっしゃいますか。

所長:岩国は今年は1人しかいません。

質問:あとはみんな県外ですか。

所長:はい県外です。

質問:定員はどのくらいでしょうか。

所長:定員は20名です。

質問:定員よりちょっと少ないということですね。傾向としてはどうでしょうか。

所長:去年と同じくらいですが、全国に比べれば本郷山村留学センターはそれでも多いです。
全国を見ていただいたらわかりますが、本郷みたいに集まるところはほとんどないと思います。
今回、新しく入ってくる子は9人、残る子は8人で、新しい子は小学2年生から6年生までいます。
小学生で残るのは6年生2人だけですので、4月、5月の最初くらいまでは大変だろうと予想しています。
ですが、慣れれば順調にいくと思っております。

質問:一時期、山村留学センターがブームのようになっていました。やっぱりやめていくところが多いんですか。

所長:多いですね。特に合併したところなどはやめられたところが多いと聞きます。
岩国市はなんとか継続できていますが、自治体がやっているところは数少ないですね。
大きい市になるとなかなか続けるというのが難しくなってきているだろうとは思います。

質問:修業式や入所式については、教育民生常任委員の方々を招待していますが、教育委員さんにも案内されているのでしょうか。

所長:会場の関係もあり、現在は教育委員さんには案内しておりません。

質問:会場がちょっと狭いので、たくさんの人をお呼びするのは難しいかなと思いますが、教育委員さんにも無理のない範囲で実態を見てもらえれば、保護者は大変喜ばれると思います。
懇話会などで親と触れ合うと、いかに親の思いがしっかりしているかということに驚かされます。
私も初めてのときはびっくりしました。
親元を離れて子供たちが成長している姿、本当にほかにはひょっとしたらないんじゃないかという思いがしております。
委員さんもそういう思いを持っておりますから、無理がないところで検討していただけたらと思います。

所長:御案内はしていませんが、3月25日は都合が合えば来ていただければと思います。

質問:何年目になるんですか。

所長:来年で30年です。おかげさまで30年も続いております。


山村留学しようかな?

2020-05-25 07:47:06 | 参考
山村留学というと、自然体験ができて、地元の人と友達になって、楽しく過ごせるというイメージがあります。
子どもの経験値を増やしたいと、山村留学を考える場合もあるでしょう。
地元が大規模校で、小規模校を希望する場合などもあると思います。

いずれにせよ、本人に「行きたい」という意思がないのであれば、山村留学はさせるべきではありません。
山村留学をよい経験にするためにも、親の都合ではなく、本人の意思を一番に尊重してほしいと思います。

山村留学には、環境の力が働きますが、子どもを成長させるのはやはり子ども自身の思いです。

山村留学に関する研究も、ネット上にいろいろ、あがっていると思います。
ご参考までに。
『山村留学生の心理的特性』
https://www.l.yamaguchi-pu.ac.jp/archives/2010/part1/05.Graduate%20Schools/Grad_11_YAMASHITA_1.pdf
一部抜粋。
『子どもが自然豊かな環境のなかで暮らし、異年齢集団にもまれながら多彩な経験をすることができる山村留学は、現代社会が失いがちな豊かな自然体験、リアリティーのある体験、親密な対人関係などを提供することで子どもの心の成長を促す取り組みとして、その役割がますます重要になっている。このような経緯から、都市部の子どもやその保護者が山村留学を希望する理由として、子どもの場合は「自然体験」を、保護者の場合は「自然体験」とともに「子どもが内面的に成長することへの期待」をあげることが多い。
しかしながら、別の重要な動機として、地元で不登校やいじめなどを経験して何らかの心理的な課題を抱えた子どもが山村留学を希望するケースを見過ごすことはできない。こうした子どもに対して、山村留学の落ち着いた環境や安定した人間関係が保護的に働き、例えば、都市部の学校では不登校だった子どもが山村留学先では学校に通うようになるといった事例が少なからず認められることは、山村留学の現場ではよく知られている。』


山村留学の費用は?

2020-05-25 07:37:47 | 基本情報
本郷山村留学センターは、子どもが寮に入る形の山村留学です。
岩国市と1年契約を結び、委託費を払います。今年度は、小学生の場合、月額46,200円(×12カ月)となっていて、その他に学校関係費、雑費なども支払います。

1カ月に、子ども一人にかかる費用は、46,200円では、とても賄えません。食費、電気代、水道代、お世話になる先生がた、寮母さんたちへのお支払、等々。
足りない分は、岩国市が出してくれているのです。http://www.hiroshimapeacemedia.jp/kikaku/child/news/110530a.htmlによると、2011年には約750万円。

本郷山村留学センターは、『岩国市ふるさと応援寄附金』の対象事業になっています。
今年度、この寄付金によって、「留学センター入所者の居室(9部屋)に空調設備を整備します」とのこと。
かつての留学生のおかげで、冷暖房がつくようです。現在の留学生、喜ぶでしょうね。

いろいろと、ありがたいです。


人数は20名前後

2020-05-25 00:22:44 | 基本情報
例年、本郷山村留学センターで暮らすようになる子どもたちは、20名前後。山村留学によって、受け入れ人数は違いますが、本郷は、多いほうだといえるでしょう。

山村留学は1年契約ですが、継続する子も多いです。いったん地元に帰って、再び本郷に来るというパターンも。

今年度、男女比は半々くらいになってます。みんな同じ施設内で過ごしますが、男女の部屋はもちろん別々で、異性の部屋に立ち入ることは厳禁となっています。

年上の子が、年下の面倒をみるということも徹底されています。面倒を見られるだけで終わるのではなく、面倒を見れるようになってこそ、本郷留学の意味があるといえるかもしれません。