Takahashi K, et al. Inter-organ insulin-leptin signal crosstalk from the liver enhances survival during food shortages. Cell Rep. 2023 Online ahead of print.
多くの生き物が直面する危機である飢餓。人間でもまだその危機に瀕している人がいる一方で先進国では食べ物が余っているという皮肉な状況です。ただ過去を考えれば人間も他の動物と同じように常に飢餓とは隣り合わせでした。そんな飢餓対策には体も対策のために省エネモードに入るわけですがそれには肝臓が大きな役割を果たしていたそうです。sLepR:レプチンを捕捉し、働きを止めるタンパクが分泌できない場合は体を省エネモードに変更することができず、分泌できる場合は省エネモードに入って食欲を上げて生き延びようとするというからくりでsLepRは生成されるのが肝臓なのだそうです。糖尿病では血糖値が上がると食欲に歯止めがかからなくなるわけですがこのsLepRも血糖値と相関関係があり、血糖値が高いほど血中のsLepRが多いとのことで食欲に歯止めがかからないという仕組みになっているようです。ということは逆にsLepRをコントロールすればカロリー消費をコントロールできるということが言えそうで治療などにも活用できそうです。
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