何もしないほうが得な日本 社会に広がる「消極的利己主義」の構造 (PHP新書) 太田 肇 (著)
組織が大きくなってくると一定の割合で働かないものが出てくるというのは生物の性であることが明らかになっていますが働く人を働かない人がスポイルするようになってしまっては本末転倒。この本は多くの日本人が消極的利己主義――すなわち自己利益と保身のために、現状を変えないほうが得だという意識を潜在的に持っているということに注目し、どうしたらこの状況が打破できるのかを分析した本です。 ただ難しいのは過去のように国、産業全体が成長していっていないことなのでであれば現状維持が最も得に見えてしまうということにあるのかと思います。 消極的利己主義が蔓延することで共同体自体が空洞化してしまうというのが起こってしまっているのがありそうです。
対策に対してはもともとの不満の温床が①長時間労働、②上下を中心とした人間関係、③過剰な管理、④不公平な人事評価にあることに着目しクローズなシステムから外部環境との相互作用を重視したオープンシステムを有する組織(〇年での独立を前提とするなど起業家育成を実施する例なども)、組織の壁を減らすことなどをベースに考えることが提案されています。
・個人が挑戦しやすいように防波堤を作る
・複数の選択肢が選べるような別組織、キャリアパスの作成
・お願いでないインセンティブの活用
・異質な先導者の導入
などが挙げられていますが活性化のためには個人に頼るのは限界。
空気づくりが重要になってくると感じます。
ここら辺半導体関連でもエイブリックの例など参考になるかとは思いました。
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