空からの使者 LoonProject

Loon and Wing: the story of two moonshots


　10％の改善を目指すより倍々の改善を目指す方が簡単かもしれない、そんな思想から生まれたGoogleのXという会社があり、少しクレイジーな構想で次世代技術の開発を担うプロジェクトを実行しています。Project Glass、Google Self-Driving Car、Google Contact Lensなどがこの会社から生まれているそう。その中でもProject Loonというものがあり、これは気球に通信機器を搭載してインターネットでつながっていない地域をインターネットでつなげてしまおうという構想です。
　
　どうやってやるのかというとテニスコートぐらいのヘリウム気球で上空60000フィート（約18.2Km）まで上昇したところに固定するのだそうです。風の流れに対応するためにガウス過程を用いたAIを使ったナビゲーションシステムで気球自身で一箇所に留まるようにコントロールしているとのことですが風船のようなものがそんな制御をするなんて…　恐ろしいものです。

2017年にペルー政府と提携して、洪水時に人々にインターネット接続を提供しており実証に成功。その後本格的に商業化に踏み切りルーンはケニア政府と提携して回線提供を始めようとしています。

普通に考えれば今の延長線上だと基地局を増やして・・・と考えてしまいますがそれを風船で担うという発想が面白いところです。常にこういう視点を考えておく必要があるかと思いますがLoonはそれが商業化まで結びついた良い1例なのかと思います。