
![]() | 人事の超プロが明かす評価基準 (単行本) |
クリエーター情報なし | |
三笠書房 |
会社にいると人事考課というものからは逃れられません。人事考課というのは会社によって秘とされることが多いのですが明確な基準を示している会社というのは意外に少ないものなのだと思います。そのせいなのか筆者によると7割の人が人事考課に対して不満を持っており、その不満理由のトップは「明確な判断基準が示されていない」ということのようです。これは評価される側だけでなく評価する側の立場にとっても非常に頭を悩ませる問題で基準がなければどうしても客観的判断は難しく主観的に判断せざるを得ませんのでこういった不満も生じやすくなるのでしょう。
よってこれらの解決策はただ一つ:明確な判断基準を提示してやり、それに対する達成度で評価していやるということなのだと思います。ただ職種に対して中々共通した判断基準を作るのは難しいところです。
この本では新人、チーフ、課長、部長、役員といった職位に対して求められる能力:コンピテンシーが45に分けて記されています。新人の基本的なビジネスマナーから役員で求められる戦略策定、変革力までOKな行動、NGな行動、チェックポイントと記されていて客観的に判断しやすい内容になっていると思います。人事考課というのはとやかくネガティブなイメージで捉えられがちですが明確な基準さえできれば目標や目指すべきものが明確ななるわけで人が成長するチャンスにもなりますし「成長が止まった人」に対するカンフル剤になるのではと思います。
この本にも記されているのですがこれらの基準は年齢に対しても相対的に評価されるものであるわけです。その年齢に応じて自分の一つ上の職位のコンピテンシーのあるかどうかというのは非常に重要なポイントである意味その人がその場にとどまらず成長出来ているかという指標になるわけです。自分も聞いていて頭が痛かったですが常に変化する状況に対して対応し、必要なスキルを吸収し、成長できる人材というのが求められているわけです。
これからは多くの会社では右肩上がりの成長というのは望めないのでポストが増えることはありませんので今までのような1つのキャリアパスではなく専門職と現場とそのマネージメント、そして経営を担う中核層といった明確な線引きがされていくように思います。そしてそれ自体も明確に本人が選べるようになるのでしょう。
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