
Slinky Loop Aerial
フラフープとスリンキースリンキーループアンテナの製作
これでもHFでの運用が可能でした。
その昔皆さんの中でも遊んだ経験がおありの方もあると思いますスリンキーあるいはトムボーイという名前で販売されていたおもちゃです。また、以前コンパクトアンテナハンドブックという本がありましたがここにこのトイボーイを使ったダイポールアンテナが紹介されていたのが強く印象にも残っていました。
https://www.nonstopsystems.com/radio/frank_radio_antenna.htm#top-of-page
最近ウェッブサーフィンしているときにこのトイボーイを使ったHFアンテナの紹介がありました
https://www.nonstopsystems.com/radio/pdf-ant/article-antenna-slinky-RDCM-11-2010.pdf
この記事を基に私も追試してみようと思い試作を始めました。
品名 |
数量 |
入手先 |
スリンキー |
1 |
アマゾン (1,015円) |
フラフープ(65cm径) |
1 |
ダイソー |
アルミアングルピース 3.0 x 50 x 50 |
1 |
ジョイフル本田(220円) |
アルミ不等辺アングルt3.0 25 x 50 x 300 |
1 |
ジョイフル本田(以前購入したため価格不明) |
アルミアングル t2.0 20 x 20 x 1000 |
1 |
以前購入したものから45mmを切り出して使用した。 |
タイト製バリコン80pF |
1 |
以前ハムフェアーで入手 |
220pF セラコン1kV耐圧 |
1 |
手持ち在庫 |
トグルスイッチ |
1 |
手持ち在庫 |
M3ネジとナット |
少々 |
手持ち在庫 |
配線材料 |
少々 |
手持ち在庫より |
こんな材料で作った小型アンテナでHFが出せるとは不思議です。
製作
作成はまずLアングルの加工から始めた。
いちいちナットを付けるのも大変なので3mmtの部材にそれぞれM3のタップでねじを切った。
手順は、はじめに50x50のアングルの中央にMコネクタを付けた。位置は上辺に来るようにセンターで約15mmの位置で真ん中の14mm径の穴をあけ、コネクタの位置を決める。その後コネクタの4か所の位置をガイドにして2.5mmの下穴をあけ、その後M3のタップを立てた。
取り付けたMコネの横でぴったりに不等辺アングルを添わせる。重なりは約10mmになるのでその中央に2.5mmの穴を貫通させ、Lアングルに同様にタップをたて、不等辺アングルは3mmに穴を広げるとよい。固定するように2か所程度のねじ止めで十分です。下側のネジはその後フラフープに当たるので短く切断した。
組み立ての概略は次の図のようになります。
汚い手書きですがこの方がわかりやすい。
まず65cm径のフラフープに(原文には2042mmの円周長とあった)、パイプのセンターにマークをし、この中心の両側の29mm離れた位置にマークするこの位置から58mm感覚で15か所マークをする。これらのマークの位置に3mmの穴(原文には5mm)を円周に直角になるように開けていきます。
使用した材料はまずスリンキー、
スリンキーはアマゾンで検索したらすぐに見つかった。
届いたのはこんな箱入り新品でした。本家はアメリカ。5+の表示は$5+消費税という意味だと思いますが国内では1,015円でした。
このスリンキーのリングは終端部がカシメてあるのでニッパで開放して使いましたた。 スリンキーは、32回巻き分を大きめのニッパで切り取り、15か所開けた穴にひとつづつ通していきます。コイルの終端部には圧着端子をカシメ、後にハンダを流して接触抵抗を下げておきます。 コイルの素材は圧着する前にヤスリ掛けしておけばハンダ付けすることは可能でした。
パイプの取り付けは
このような感じでした。W1/4のネジは50x50のアングルの中央にあけてカメラの三脚に取り付けるためのものです。また、M3ネジの縦の2つは三脚の取り付け部に当たるので沙汰ネジを使って当たらないようにした。アングル自体が3mm厚もあるので皿ビスの頭を隠すテーパー穴をあけても十分に固定出来ました。
上からの抑えは私のジャンク箱にあった20x20のアングルの一部をカットして加工しました。
フラフープを支えるためのジグを作りました。Lアングルに穴をあけてM3のねじを2
か所切っただけです。
出来上がりの様子は、
参考までに回路図は、
です。
スリンキー32回巻き分で作成したコイル部分の計測値は、コイルの両端の接続を開放してインダクタンスを測定すると、
測定周波数(Hz) |
測定値(μH) |
1k |
17.6 |
10k |
16.17 |
100k |
9.876 |
となりました。周波数が上がると徐々にインダクタンスの減少が見られました。
また、室内での実験でバンド毎の最小SWR値は、
mバンド |
最低SWR |
接続箇所 |
10(28MHz) |
3.08 |
8T |
12(24MHz) |
2.45 |
12T |
15(21MHz) |
1.48 |
15T |
17(18MHz) |
1.03 |
17T |
20(14MHz) |
1.03 |
18T |
30 (10MHz) |
1.03 |
19T |
40 (7MHz) |
1.05 |
25T |
80 (3.5MHz) |
1.07 |
24T* |
*80mバンドでは220pFを並列に追加した。
接続位置はコンデンサのライブ側からのターン数で示した。オリジナル文献ではグランド側からの位置で書いてあったが5Tあたりで探すと書いてあったが、今回の試作アンテナでは5Tつまり逆からの27Tでは、7MHz帯域ではSWR2.5が最低であった。
給電位置を変更することで3.5MHzから21MHzという広い範囲で使用可能であることがわかった。
基本的に屋外では晴れの日にしか使う予定はないが急な雨に備えてビニール袋で簡単な覆いを作って持ち歩くことにしました。
早速室内に立てたままでIC736に繋ぎFT8を試みたところ10月18日10:41、8J3TLR/3の高島ロングライド記念局(滋賀県高島市)にとってもらいました。私の出力は5W+室内スリンキーアンテナで、受信:-08dBに対し先方からのレポートは-13dBでした。これが私のSlinky Loop Aerial での1st Eva交信となりました。ちなみにAntenaは米語で昆虫の触角の意味と同じ、イギリスではAerial (アエリアル)で、これが空中線の語源のようです。
大きなアンテナがなく手のHFが楽しめるのは素晴らしいことです。
大きな声では言えませんがコイルはインダクタンスでしょうか?
7メガから29メガくらいまで使えるように追試してみたいと思います。バリコンはオークションででも探してみます。