この頃思うこと

私も時流に遅れまいとブログを書くことにしました。

カーボンファイバーロッドを使ったデルタループの性能比較

2022-07-04 17:52:49 | その他のアンテナ

カーボンファイバーロッドで作成した17mバンド用デルタループの受信特性についての比較

これまで少々重いロッドであるグラスファイバーロッド(CG Antenna DL20Kを改良した、2016May発表)を使ったデルタループと先ごろこのブログでも紹介したG-FRPの代わりにカーボンファイバーロッド(C-FRP)を使ったデルタループとの特性比較をやってみました。

前回、コンパクトHFアンテナの性能比較としてこのブログでもご説明しました評価法を使いました。

基準アンテナ(Ref)としては自宅でいつも使用している給電点6mHに取り付けた自作の12mバンドのデルタループで、サイドエレメントはアルミパイプを使い、水平部エレメントはサガ電子のAW2.8を使っています。

受信機はFT897, ソフトはWSJT-Xを用い、12mバンド以外は室内アンテナチュナーNT-616を使用しました。計測するバンドごとにチューニングを取り、いずれもSWR1.5以下に収めて計測しました。

試験対象アンテナ(G-FRP/C-FRPロッド)はベランダに大型三脚を立て、給電点が屋根より上に来るように注意して固定しました。試験したアンテナはもともと17mバンド等に精査王したもので1:4バランを介して屋内型自作ATU (ATU-100 7x7) を使って同様に計測するバンドごとにチューニングして計測しました。

 

カーボンファイバーロッドを使ったデルタループ

全長6.4mのカーボンファイバーロッドの先端部2本を取り除いてエレメントのガイドとしました。

2本のカーボンファイバーロッドには手元部分に塩ビ管をかぶせ、取り付け基台から絶縁しています。

詳しくは以前の私のブログを参照してください。

 

試験は1台のPCで同時受信を行い比較しました。

Test Set: 17m Delta Loop C-FRP + ATU-100 7x7, IC-705, JTDX

Reference: 12mL Aluminum Delta Loop + NT616 Tuner, FT897, WSJT-X

両方のアンテナで受信したFT8信号は同時に一台のPCで処理し、自動的に記録された受信レベルを同一局からの記録を比較して受信時のS/N比を比較してバンドごとで平均値をとったものです。

ここでRef-Test dB値が大きいほどRefアンテナの受信強度が高いことがわかります。

つまり、赤字で示した7MHzと18MHzではC-FRPで作った17mバンドデルタループの方がより感度が高く、黒字で示したそのほかのバンドで正の大きい値のバンドでは12mのアルミニウム製デルタループの方が良好であったことを示しています。

ただし、この二つのアンテナは立てた場所の建物からの距離などによる影響から、この比較データはアンテナそのものの強度比較にはならないかもしれません。

そこで、こんかいC-FRPで作成したアンテナの位置に以前製作したG-FRPも同様に測定しました。

 

Test Set: 17m Delta Loop G-FRP + ATU-100 7x7, IC-705, JTDX

Reference: 12mL Aluminum Delta Loop + NT616 Tuner, FT897, WSJT-X

ここでは先ほどの試験で使用した設備でC-FRPで作ったデルタループだけをG-FRP製のデルタループに変えて同様にデータ比較を行いました。

同様に赤字で示した7MHz, 18MHz, 21MHzでは17mデルタループが良い成績でした。

 

最終的にはG-FRPをRef とし、C-FRPのdB値を求めました。

二つのデータの差を取って17mデルタループを素材による特性差を測定できることになります。

ここではC-FRP値 – G-FRP値が黒色(正)の大きい値の方がG-FRPの方がよい特性であることを示し、赤色(負)で大きい値の方がC-FRPの方がよいことを示しています。

これで見るとどのバンドでもさほど大きな様見られないという事がわかりました。

 

カーボンロッドで制作したデルタループはグラスファイバーロッドで作ったデルタループよりごくわずかに受信性能が落ちるもののロッドの強度が高いので、グラスファイバーロッドと比べて細いものでも十分な強度を持たせることができ、全体の重量を大幅に削減することで移動運用にも手軽な設定が可能です。

読者に少しでも参考になれば幸いです。

 

End 2022, Jul 6

 



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