CQ誌9月号に気になる記事を発見しました。 JA1GMO 田代OMが書かれたもので、紹介記事ではアクリルケースを使用していましたが私にはうまくアクリルで工作できる自信がなく、手元にあった25mm角のアルミの引き抜きパイプの一部を使って製作してみることにしました。
入出力はともにM型コネクタとし、ピックアップ側はBNCコネクタとした。これらのコネクタは25mm角パイプが壁厚2mmもあったので直接M3のタップを切ることにしました。
ピックアップ側のBNCは直接取り付けると内部の配線ができないので10mm x 30mmの引き抜きレール材の30mm側をパイプの幅に合わせて25mm幅に切断して使用し、同じようにM3ビスで固定しました。
書かれた記事はこれだけでしたので、アクリルで作られていたのをアルミニウムで制作してみることにしました。
まず、入出力間の配線には3D-2Vの内部導体とポリエチレン被覆を用いています。
記事にはありませんでしたが、トロイダルコアはT37-#6(9.53mmOD - 5.2mmID、黄色)を使用し、0.4mm径のポリウレタン銅線を10回巻いて使用しました。
本体の加工は、このように本体側に穴をあけ、L型レーにBNCを取り付けました。ねじは全てM3でタップを立てて直接ねじ込む形にしました。
組みあがった内部は、少し見にくいですが、
端部は塞ぎ方にいい方法が思いつかず今のところそのままにしています。屋外でに使用は考えていないので今のところはこのままでいこうと思っています。
測定には出力、またはRFピックアップ端子にダミーロードを使用して測定しました。使用したダミーロードは
1. WELZ終端型電力計
2. 自作ダミーロード(大進無線製キット)
まずは使用するダミーロードの確認を行いました。 測定はAA-600, 測定範囲は 0 – 300MHz(150±150MHz)で、500ポイント。
次に自作の大進無線キット
グラフで分かる通りいずれも300MHzまでは十分測定に使用できそうです。
出力にWELZダミーロードを付け、ピックアップ端子に自作ダミーロードを付けて今回作成したRF PickupのSWR特性を測定してみました。
外側のチューブが心線部分からあまりに離れているために、高い周波数帯では徐々にSWRが悪化しており、入出力間ででも損失があることがわかりました。 75MHz近くでSWRはほぼ1.5を示しており、50MHzあたりまでなら問題なく使用できそうです。
測定はこんな配置で行いました。
ちなみに、出力側、検出側のダミーロードを入れ替えても大きな差は見られませんでした。
次にAA-600を単一周波数での測定モードに切り替え、50MHzでの波形の変化を見ることとしました。
AA-660からの信号を直接GigaSt v5に入力して波形を見ると、設定50MHzで、
となり、AA-600の仕様通りピークで-10dBmでした。
次に、この装置の影響を見るために、この装置を通過した出力側にStGigaをつなぎ、検出側には自作のダミーロードをつないで
全体としては直截接測定したものとほとんど大きな変化がないことがわかりました。
次に、出力側と検出側を入れ替えて、検出端での波形を調べました。
この状態でのスペクトラムは、
このようになり、約22dBの減衰させることができました。 また、余分な波が出ることもなく測定には使用できそうです。
より高い周波数での使用を考えると、同軸ケーブルの外皮導体は一部を残してかぶせておく方がよいようです。機会があればやってみようと思っています。
OCT, 2019
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