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セリーヌへの最後の言葉 3/4

2025-03-03 18:42:26 | キリスト教

9月

9月3日

私が病室の暖炉の前で掃除のために行ったり来たりして、何かが思うようにいかなくて悩んでいると、彼女が言いました。 

「ボボンヌ、心配しないでくださいね!」 

同じ日だけど別の場面で、私がこんなことを言いました。「人々は、私たちがこんなに愛し合ってたなんて知らないでしょうね…。」すると彼女が答えました。 

「人々がそれを知ってる必要はないですよ。大事なのは、それが本当だってことです…。 

そして、確信に満ちた口調で、 

「そうですね、でも!だって、私たち2人とも優しい神様の膝の上にいるんですもの!」 

(彼女の「そうですね、でも!」っていう言い方がとても愛らしくて、彼女独特の言い回しでした。) 

9月5日

「私があなたを守りますよ!…」 

私は日曜日がとても貴重で、その自由な時間に急いで取ったメモを整理できました。私は言いました。 

「今日はダメな日曜日ですね。私たちの小さな書き物机に何も書けませんでした。」 

すると彼女が答えました。 

「それはリリの基準ですけど、イエズスの基準じゃないですよ!」 

9月11日

「私のボボンヌ、あなた、もうボボンヌじゃなくて、私の乳母ですよ…。そして、死にかけの赤ちゃんを看病してるんです。」 

彼女が大好きなテオファンの絵の方を向いて、こう話しかけました。 

「ボボンヌがとってもよく看病してくれるから、私がそっちに行ったら、2人で迎えに来ますよ、ね?」 

「私のボボンヌ、大好きですよ、本当に…。だから、私が旅立ったら、こんなによく看病してくれたお礼に迎えに来ますね。」 

優しい目で私を見つめて、 

「……でも、また会えますよ。そして、あなたの心は喜びに満ちて、誰もその喜びを奪えませんよ!」 

9月16日

私がちょっとした失敗をした時、彼女が目を丸くして言いました。 

「それでも、あなたは私の隣にいますよ!」 

私が彼女に尽くすのに涙ぐんでいると、彼女が叫びました。 

「ああ!私のちっちゃなボボンヌ、私、あなたにどれだけ感謝してるか!私があなたにしてあげること、楽しみにしてくださいね!」 

彼女が冷えるんじゃないかと心配して、私が言いました。 

「小さな『慰め』を取ってきますね。」でも、彼女がすぐに答えました。 

「いいえ、あなたが私の小さな慰めですよ…。」 

(「慰め」とは、冬服と一緒に裁縫係がくれるシンプルな毛糸の切れ端のことです。) 

9月19日

「私のボボンヌ、優しいですね。私をすごくよく看病してくれます…。そのお返ししますよ!」 

9月21日

「あなたを愛するのは私ですよ…。そして、あなたを愛さないのは優しい神様じゃなくて、悪魔です。」 

9月23日

「あなたには理解する必要ないですよ。あなたは小さすぎますから…。」 

(優しい神様が私の中でしてることを理解するってことです。) 

9月25日

「私、死にますよ、確かです…。いつかは分かりませんけど、確かです!」 

9月

ある日、私が彼女に言いました。「天国から私たちを見ててくださいね?」すると彼女が自然に答えました。 

「いいえ、降りてきますよ!」 

私は彼女の頼みを無視して何度も夜中に起きました。その1回の訪問で、私の愛する小さな妹が手を合わせて天を見上げているのを見ました。 

「何してるんですか?寝ようとしてくださいね。」って私が言うと、 

「眠れないんです。すごく苦しくて…。だから、祈ってるんです。」 

「じゃあ、イエズスに何て言ってるんですか?」 

「何も言ってません。ただ、愛してるだけです!」 

彼女の人生最後の日の1つで、大きな苦しみの時に、彼女がこう懇願しました。 

「ああ!私の小さなジュヌヴィエーヴ姉妹、私のために聖母に祈ってください。私があなたが病気だったら、すごく祈るのに…。自分ではお願いする勇気がないんです…。」 

(「自分でお願いする勇気がない」…これがその意味です。) 

彼女はまだため息をついて、私に言いました。 

「ああ!臨終の人たちのために祈ることがどんなに大事か、知ってたいたら!」 

(この言葉や、イエズスのアグネス母がその場で書き留めたほとんどの言葉を、私は聞きました。彼女が書き留めてるのを見て、私が書かなかったのです。祈りの時間以外は全部見ました。その時はイエズスのアグネス母が1人で彼女のそばにいました。)詳しくは私の手書きの証言も見てくださいね。 

9月27日

「ああ、私のボボンヌ!私の心の中にはあなたへの大きな優しさがありますよ!…」 

9月30日

私の愛する小さなテレーズの亡命最後の日… 

彼女が亡くなった日の午後、イエズスのアグネス母と私だけがそばにいて、私たちの愛する小さな聖人は震えながら弱っていて、私たちに助けを求めました…。彼女は筋肉すべてでとても苦しんでいて、イエズスのアグネス母の肩に片腕を、私の肩にもう片腕を置いて、腕を十字に広げたままになりました。その時、ちょうど3時の鐘が鳴って、イエズスが十字架につけられたイメージが私たちの心に浮かびました。私たちの可怜な小さな殉教者は、その生き写しじゃなかったでしょうか? 

「最後の視線は誰に?」って私たちが聞いた時、彼女は死ぬ数日前にこう答えました。「もし優しい神様が私に自由をくれるなら、それは私たちの母上(マリー・ド・ゴンザーグ母)にあげますよ。」 

でも、彼女の臨終の時、亡くなるほんの数分前に、私が彼女の熱い唇に小さな氷の欠片を当ててあげると、その瞬間、彼女が目を上げて私をじっと見ました。その視線は優しさに満ちて、同時に励ましと約束に満ちた超人的な表情でした。まるで、「行って、行って!私のセリーヌ、私が一緒にいるよ!…」って言ってるみたいでした。 

(優しい神様は、その時、私が彼女のせいで地上で長く大変な道を歩まなきゃならないことを示して、この亡命で私を慰めてくれたんでしょうか?だって、みんなが欲しがったこの最後の視線が私に向けられたその記憶が、今でも私を支えて、言葉にできない力になってるんです。) 

そこにいた共同体会は、この壮大な光景に息をのんでいました。でも突然、私たちの愛する小さな聖人は目を下げて、膝をついてそばにいた母上を探しました。そして、彼女の曇った視線は以前の苦しみの表情に戻りました。 

私たちの愛する小さなテレーズの最後の言葉

9月30日

ああ!これって純粋な苦しみですね。だって、慰めが全くないんです。一つもないんです! 

おお、私の神様!…それでも私は優しい神様を愛してます…。おお、私の善良な聖母、助けてください! 

もしこれが臨終なら、死って何なんでしょう?… 

おお、母上!確かに器が縁までいっぱいですって保証しますよ! 

はい、私の神様、あなたが望む限り…。でも、私を憐れんでください!私の小さな姉妹たち…私の小さな姉妹たち…。私の神様、私の神様、私を憐れんでください!もうダメです…もうダメです!でも、まだ耐えなきゃいけないんです…。私は…私は小さくなって…。いいえ、こんなに苦しめるなんて信じられませんでした…決して、決して! 

おお、母上、私、死が私にとってあるなんて信じられません…。ただ苦しみがあるだけって信じてます! 

明日、さらにひどくなりますよ!でも、それでいいんです! 

夕方

(母上が共同体会に「臨終がまだ長引くよ」って言って帰した後、聖なる小さな病人はすぐに言いました。) 

ねえ、行きましょう!行きましょう!ああ!これ以上苦しまないなんて嫌ですよ!… 

ああ!私は愛してます…。 

「私の神様…私は…あなたを愛してます!」 

その他 1

ゆっくり飲んでくださいね。

ああ、よく分かります…

(あと3日で

もう動けなくなるって!)

言い表せない笑顔

あなたの意志 

9月15日 

その他 2

(…)病気のある日、私が「あなたが私じゃなくて家族の栄光になってくれて嬉しいよ。あなたが昇る方が私自身の昇るより幸せだよ」って喜びを伝えたら、彼女は私を見て、しばらく黙った後、内なる闇に苦しむ魂の口調で、最大の苦悩の中でも真実の響きで私を貫くように言いました。 

「持ってる人より、楽しむ人の方が多いんです…。」 

「それは今、あなたが試練の中だからですよ。でも、天国では楽しめますよ。」って私が言うと、彼女が答えました。でも、それは天からの声みたいに思えました。 

「それでも、同じですよって分かりますよ。」 

それ以上は聞かなかったけど、彼女が喜びと希望に満たされてた素晴らしい聖人たちの交わり、「すべてが私のもの、すべてが私のため」っていうのが、私には全く理解できてませんでした。 

その他 3

食べ物なんて考えることもできなくて、気持ち悪かったんです。でも今は動物みたいな欲があって、出されたものを全部食べちゃうんです。それがすごく恥ずかしいです。 

8月 

ああ!私の小さなジュヌヴィエーヴ姉妹、聖母に祈ってください。私、あなたが病気だったらすごく祈るのに、自分じゃお願いする勇気がないんです! 

9月 

私は右と左を見て、目で探すけど、私を知ってる人が誰もいないんです…。ただ泥棒がいて、彼は隠れてるんです! 

もう聖母を見ても泣かずにはいられません。 

7月 

もう骨みたいになってますね。それが嬉しいんです! 

(自分の手を見て) 

私が去るのを悲しんでるなんて、なぜですか?だったら、私があなたを置いていくのを悲しむのが筋ですよね。でも、私はあなたを置いていくんじゃない、むしろもっと近くにいるって知ってるんです。 

私の人生ずっと、何も手に持たなかったんです。死ぬ時に何か取っておくなんてありませんよ。 

——ある姉妹が「死ぬ前に罪を償うために恐怖の時間が1時間あるかもね」って言いました。 

「死の恐怖で罪を償うって…?それは濁った水くらいの力しかないですよ!だから、もしそんな恐怖があったら、私はそれを罪人たちのために優しい神様に捧げます。そして、それが慈悲の行為だから、その苦しみは他の人にとって水よりずっと強いものになりますよ。私を清めるのは、神の愛の火だけなんです。」 

7月12日 

(アカシアの小さな籠について、私にそれを片付けてって頼んだ時) 

——地上の美しさを見て、私の魂は天を夢見ました。 

(じゃあ、天国でより多くの魂を救うって信じてるんですか? 

「はい、信じてますよ。証拠は、優しい神様が、私みたいに魂を救いたいって強く願ってる私を死なせるんですから…。」 

10 

(ある日、聖体拝領の後) 

まるで2人の小さな子を一緒に置いたみたいで、小さな子たちは何も言いませんでした。でも、私、彼に少しだけ何か言ったけど、彼は答えてくれませんでした。多分、寝てたんでしょうね。 

11 

私がベッドで死ぬなんて思うと!闘技場で死にたかったです…。 

12 

私が死んだら、何も言いませんよ。アドバイスもしません。右に置かれても左に置かれても手伝いません。「こっちの方がいいね」って言われるかもだし、私のそばで火をつけても、何も言いませんよ。 

13 

優しい神様には、管理人に任せた庭があって、普通は許可なく果物を採らないんです。でも、優しい神様が、小さなブドウの房をすごく欲しがってて、管理人がくれないから、彼、それを盗っちゃうんです。 

7月12日 

(これは彼女の死についてで、母上が彼女に死ぬ許可を出すのを諦められなかったから。それ以来、彼女はイエズスを「泥棒」って呼んだんです。) 

14 

(ベビーのお祝い…。彼女はいつも贈り物をしてあげなきゃって言ってました…。) 

15 

私が旅立ったら、家族みたいな生活をしないように気をつけてくださいね。許可なく談話室のことを話さないで、許可を求めるのも、役に立つことで、楽しいことじゃない時だけにしてください。 

16 

(ある日、本棚の前にいた時) 

——ああ!あの全部の本を読んでたら、すごく嫌だったでしょうね! 

——どうしてですか?読んだらそれは得たものになるんだから、読むのを後悔するのは分かるけど、読んだことを後悔するなんて分からないですよ。 

「もし読んでたら、頭を壊しちゃってたでしょうね。優しい神様をシンプルに愛するために使える貴重な時間を失ってたんです…。」 

17 

私は天国でじっとしてるつもりはないですよ。教会と魂のために働くのが私の望みで、優しい神様にお願いしてて、彼が聞いてくれるって確信してます。天使たちだって、神の顔を見続けて、愛の果てしない海に溺れながら、ずっと私たちの世話をしてるじゃないですか。どうしてイエズスが私にそれを許してくれないんでしょう?私が戦場をもう離れるとしても、それは休息したいっていう自分勝手な望みじゃないですよ。永遠の至福の考えは私の心をほとんど震わせません。長い間、苦しみが私の地上の天国で、少しも悲しみの混じらない喜びの国にどうやって慣れるか想像するのが難しいんです。イエズスが私の魂を変えて、楽しむ力を与えてくれなきゃ、永遠の喜びには耐えられないですよ。 

(手紙からの抜粋) 

18 

私は、って彼女が言いました、苦しむ力はすごく大きくて、楽しむ力はとても小さかったんです。喜びは、例えば私の食欲を全部奪っちゃうけど、すごく悲しい日には4人分くらい食べました。みんなと逆だったんです。 

19 

今、私、頭が働かなくなったみたいに感じてます。 

——大丈夫ですよ。優しい神様はあなたの気持ちを知ってます。謙虚で、幸せでいる限り大丈夫ですよ。 

20 

時計が鳴って、私がすぐ動かなかった時、彼女が言いました。 

「あなたの小さな務めに行ってくださいね!」 

そして言い直して、 

「いいえ、あなたの小さな愛にですよ!」 

また別の時、私が「働かなきゃ、イエズスが悲しむから」って言うと、彼女が答えました。 

「いいえ、あなたが悲しむんですよ。彼は私たちのやり方で悲しむことなんてできません。でも、私たちができる限り彼に与えないのは、どれだけ悲しいことでしょう!」 

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セリーヌへの最後の言葉 2/4

2025-03-03 18:40:15 | キリスト教

8月
8月3日
「あなたはとても小さいんですよ。それを忘れないでくださいね。とても小さい子には立派な考えなんてありません…。」  
8月4日
1  
私の修道生活の最初の数年は、自分の本性が本当に壊れていくのを見ました。周りには廃墟しかなくて、よく嘆いていました。そんな時の一つに、彼女が聖ヨセフへの讃歌の最後の2行の旋律で歌うのを聞きました。「地上では知られざるヨセフ、天では何と偉大でしょう!」この讃歌の最初の節はこう始まります。「高貴な血があなたの血管を流れ…」そしてリフレインの最初の行は「人間の栄光は儚いものです。」  
「ボボンヌ、地上では不完全ですけど、天では完全になりますよ!」  
2  
私の愛する小さな妹が右肩と腕に感じていたとても強い痛みを和らげるために、私は彼女のベッドの天井に、折りたたんだ布で作った幅広のリボンを吊るして考えました。それで彼女の腕を空中に吊るしておきました。この方法は長くは使えませんでしたが、彼女はとても感謝してくれて、優しく言いました。  
「優しい神様もボボンヌに吊るしものをしてくれますよ!」  
3  
会話を遮って、私は彼女の死を思って悲しそうに叫びました。  
「私、あなたなしじゃ生きられないですよ!」  
「それ、よく分かりますよ。」と彼女が活発に答えました。「だから、私、あなたに2つ持ってきますね…。」(翼のことです)  
4  
私がテレーズと2人きりになった時、こう言いました。「あなたは、スズメの卵からあなたみたいな可愛い小鳥が生まれるなんて望んでるけど、無理ですよ!」  
「そうですね、でも!」と彼女が言いました。「私は聖人たちを楽しませるために物理のトリックをしますよ。小さな卵を取って、聖人たちに言います。『よく見ててくださいね。手品をしますよ。
ここにスズメの小さな卵があります。さて、ここから私みたいな可愛い小鳥を出しますよ!』
それから、優しい神様に小さな卵を見せて、そっと、そっと囁きます。『この小鳥の性質を息を吹きかけて変えてください…。』そして、神様が返してくれたら、私はそれを聖母マリアに渡して、キスして欲しいと頼みます。次に、聖ヨセフに預けて、撫でて欲しいとお願いします。最後に、すべての聖人たちに大声で言います。
『みんな、私と同じくらい、この小さな卵から出てくる小鳥を愛してるって言ってください!』
すると、すぐにすべての聖人たちが叫びます。『私たちはお前と同じくらい、この小さな卵から出てくる小鳥を愛してるよ!』
それから、得意げに小さな卵を割ると、可愛い小鳥が出てきて、優しい神様の膝の上で私の隣に座ります。そして、2羽の小鳥が歌うのを聞いて、聖人たちは私が言葉にできないほどの喜びに包まれます…。」  
8月5日
1  
福音書の一節について。「2人の女が一緒に麦を挽いていて、1人が取られ、もう1人が残される…?」  
「私たち、一緒に小さな商売をしてますよね。私、あなたが1人で麦を挽けないの、ちゃんと見ますよ。だから、私、あなたを迎えに来ます…。気をつけてくださいね。だって、あなたの主がいつ来るか分からないんですから。」  
彼女はよく、私たちが2人の仲間みたいだって思い出させてくれました。1人がダメでも関係ありません。離れなければ、いつか同じ利益を分け合えますよ。  
彼女が修道院の縁で神の鷲を待つ小鳥にたとえた話では、いつも愛しながら見つめ続けると言ってましたけど、私の愛する小さなテレーズは、自分1人じゃなくて、2羽の小鳥がいると想像してましたよね…。  
2  
彼女は私に精神と心の貧しさを教え込もうと、こんな言葉で努力しました。  
「ボボンヌ、自分の立場を守らなきゃダメですよ。大物になろうなんて絶対に思わないでくださいね、決して!」  
私が小さな時の祈りをまだ唱えなきゃいけない時、彼女が子どものような口調で言いました。  
「ノンを唱えに行ってくださいね。そして、あなたはとても小さなノン、最後のノンだって覚えててくださいね!」  
3  
「じゃあ、私を置いていくんですか!」  
「ああ!一歩も離れませんよ!」  
そして、私のお気に入りの話題に戻って。「本当に私があなたと一緒に天国にいられるって信じますか?私には無理みたいです。まるで小さな片腕の子が、祭りの柱のてっぺんの物をつかむために競争してるみたいですよ…。」
「そうですね、でも!もしそこに巨人がいて、小さな片腕の子を腕に抱えて高く持ち上げて、欲しい物を自分で渡してくれるとしたら!
優しい神様はあなたとそうしますよ。でも、それに気を取られちゃダメですよ。優しい神様にこう言わなきゃ。『私が望むものにふさわしくないのは分かってます。でも、小さな乞食みたいに手を差し出します。あなたがとっても優しいから、ちゃんと聞いてくれるって確信してるんです!…』」  
8月8日
「もし、あなたが旅立った後にあなたの小さな生涯が書かれたら、私、その前に去りたいです…。そう思いますか?」  
「はい、そう思いますよ。でも、辛抱を失っちゃダメですよ。見て、私、こんなに可愛いでしょう?あなたもこうしなきゃね。」  
8月
1  
私の愛する小さな妹はどんな時も私を自分から切り離そうと努力して、私たちの歩みを絵に描かれた2人の子にたとえました。彼女はすべてから自由になって、ただ一枚のチュニックを着て、何も持たず、ただ小さな妹の手を引いて進んでいきました。——でも、その妹は抵抗して、花を摘まなきゃならなくて、大きな花束で両手をふさいでしまいました。  
2  
ある日、彼女がこんな寓話を話してくれました。  
「むかしむかし、正義を歪めるような富を持っていて、それにすごく執着してるお嬢さんがいました。  
そのお嬢さんには何も持ってない小さな弟がいました。でも、その子は豊かでした。その小さな子が病気になって、お姉さんに言いました。『お嬢さん、もしあなたがその気なら、心配事しか増えないその富を全部火に投げ込んで、私のボボンヌになって、“お嬢さん”って肩書きを捨ててください。そうしたら、私がもうすぐ行く魔法の国に行った時、あなたを迎えに戻ってきます。だって、あなたが私みたいに貧しく、明日のことを心配せずに生きてくれるならね。』  
お嬢さんは弟の言うことが正しいと分かり、彼のようになりました。そして彼のボボンヌになって、もはや消えゆく富の心配に悩まされることはありませんでした…。  
弟は約束を守って、優しい神様が王で、聖母が女王の魔法の国に行った時、彼女を迎えに来ました。そして2人は永遠に優しい神様の膝の上で暮らします。それが彼らが選んだ場所なんです。だって、あまりにも貧しかったから、玉座に値するなんてできなかったんですもの。」  
3  
また別の時、2人の子の絵と、家の主婦が戸棚に何も不足していないことに触れて、彼女が言いました。  
「お嬢さん、富みすぎです。バラのつぼみがいくつもあって、耳元で歌う鳥もいくつも。ペチコートも、調理器具も、小さな包みも…。」  
これは彼女が読んだ一節の引用で、作者が英雄テオファン・ヴェナールをこう褒めてました。「彼は唇にバラのつぼみを、耳元に歌う鳥を持っていた。」  
4  
ある晩、私が服を脱ぐのを見て、彼女は私たちの服の貧しさに同情して、聞いたことのある面白い表現を使って叫びました。  
「かわいそうなかわいそうな子!なんてみすぼらしいんでしょう!でも、ずっとこうじゃないですよ。私がそう言いますからね!」  
5  
「私が天国に行ったら、優しい神様の宝物庫に手を入れてこう言います。
『これはマリーに、これはポーリーヌに、これはレオニーに、そしてこのちっちゃなセリーヌに…。』そして、お父さんに合図して、『今、一番小さいのは彼女ですよ。急いで迎えに行かなきゃ!』って。」  
6  
彼女が病気にかかる少し前に見た夢を教えてくれました。  
「あなたが知らない2人と一緒に海辺にいました。1人が散歩を提案したけど、彼女とその連れはとてもケチで、3人一緒に乗るのにロバじゃなくて子羊を借りようって言いました。でも、あなたはその子羊が2人を乗せてかわいそうだと見て、自分は歩いて行くって言いました。  
その可怜な子羊は垣根沿いをずっと歩いて、もう耐えられなくなって、荷物の下で倒れちゃいました。  
すると、道の曲がり角で、真っ白で愛らしい子羊があなたに近づいてきました。あなたはその子羊が人生の旅で支えてくれると分かりました。そして、その子羊が言いました。『ねえ、私、あなたの中で鼓動したいんだ…。』  
——その後、あなたがその2人に対して我慢して優しくしたことへの慈悲の報酬だって分かりました。だから、イエズス自身があなたに与えに来たんです。」  
8月16日
朝早く起きて、私の愛する小さな妹が苦しみと不安で顔が青ざめて変わり果てているのを見ました。彼女が言いました。「悪魔が私の周りにいます。見えないけど、感じるんです…。彼は私を苦しめて、少しでも楽になるのを鉄の手で阻止して、私を絶望させようと苦しみを増やします。祈ることさえできないんです!聖母を見つめて『イエズス!』と言うことしかできません。夕べの祈りの『夜の亡魂からお救いください』がどれだけ必要か…。  
何か不思議なことを感じます。今までは主に右側が痛かったけど、優しい神様が『あなたのために苦しみたいか』って聞いてきたんです。私はすぐに『はい』って答えました。その瞬間、左側が信じられないほど激しく痛み始めました。私はあなたのために苦しんでるんです。悪魔はそれが嫌なんです!」  
とても心を動かされて、私は祝福されたろうそくに火をつけました。すると少しして彼女に落ち着きが戻りました。でも、新しい肉体的な苦しみが消えることはありませんでした。  
それ以来、彼女は右側を「テレーズの側」、左側を「セリーヌの側」と呼びました。  
8月20日
「ああ!そうですね、あなたを迎えに行きますよ。だって、あなたって、私が可愛い時には生きる目がないんですもの。」  
8月21日
「私が『苦しいよ』って言ったら、あなたは『よかったね!』って返してくださいね。——私にはその力がありません。だから、私が言いたいことをあなたが完成させてください。」  
その時、息苦しさがとても強くて、呼吸を助けるために、彼女はまるでロザリオを数えるように言いました。「苦しい、苦しい…。」でもすぐに、それが不平みたいだと悔やんで、私に今書いたことを言いました。  
8月22日
「私の小さなお嬢さん?あなたのこと大好きですよ。あなたに看病されるの、本当に嬉しいです。」  
彼女は私を呼んでこう言ってくれました。  
8月24日
私たちは、他の人には分からないような子どもの言葉で話してました。最初の看護師である聖スタニスラス姉妹が感心した口調で言いました。「あの2人の可愛い子たちが、誰にも分からない言葉で話してるのってなんて素敵なんでしょう!」  
少し後で私がテレーズに言いました。「うん、私たち2人とも可愛いよね!でも、あなたは1人でも可愛いけど、私はあなたと一緒の時だけ可愛いよ!」すると彼女がすぐに答えました。  
「だから、私、あなたを迎えに来ますよ!」  
8月31日
「ボボンヌ、あなたのこと大好きですよ!」 

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セリーヌへの最後の言葉 1/4

2025-03-03 18:37:17 | キリスト教

https://archives.carmeldelisieux.fr/oeuvres-de-therese/dernieres-paroles-de-therese/dernieres-paroles-a-celine/

AI等による翻訳です。正誤は保証できません。

 

セリーヌへの最後の言葉
1897年7月
7月12日
1  
会話の途中で、私の小さなテレーズが突然言葉を止めて、優しさと慈悲の眼差しで私を見つめました。そして、こう言いました。  
「ああ!…私の旅立ちを一番つらく感じるのは、きっと私の小さな妹ジュヌヴィエーヴでしょうね。確かに彼女が一番気の毒だと思います。なぜなら、彼女は何か悲しいことがあるとすぐに私のところに来るんです。でも、もう誰もいなくなってしまうんです…。  
…でも、優しい神様が彼女に力を与えてくださいます。それに、私、戻ってきますから!」  
そして、私に目を向けて言いました。  
「できるだけ早くあなたを迎えに来ますよ。お父さんも一緒に連れて行きます。だって、お父さんっていつも急いでましたよね…。」  
2  
後になり、私がいつものように看護の務めをしながら、近づく別れについて話していると、彼女は私を自分に置き換えて、歌いながらこんな節を作りました。(「我がものなり」という讃歌の旋律で)  
「彼女は我がもの、天そのものが
天全体が彼女を奪いに来た
彼女は我がもの、私は彼女を愛してる、ああ!本当に愛してる
何ものも決して私たちを引き離せない。」  
3  
私が言いました。「優しい神様はあなたが亡くなったすぐ後に私を迎えてはくれないでしょうね。だって、私、まだ善良になる時間がないんですもの。」すると彼女が答えました。  
「それは大丈夫ですよ。クペルティーノの聖ヨセフを思い出してください。彼の知能は平凡で、無知で、深く知っていたのは『あなたを宿した腹は幸いなり』という福音だけでした。そのテーマで尋ねられたとき、彼はあまりにも見事に答えたので、みんなが驚嘆し、他の試験なしで、3人の仲間と一緒に司祭職に大いに称賛されて合格したんです。だって、彼の崇高な答えから、仲間たちも彼と同じくらい知識があると判断されたんですから。——だから、私があなたのために答えます。そして、優しい神様は私に与えてくださったものをあなたにも無料でくださいますよ。」  
4  
その同じ日、私が病室を行ったり来たりしていると、彼女が私を見て言いました。  
「私の小さなヴァレリアン…。」  
(彼女は時々、私たちの絆を聖セシリアとヴァレリアンの関係にたとえました。)  
7月
1  
こんなふうな言葉が、彼女が私を見ながら自然と口をついて出てきました。  
「私たち、まるで2羽の小さな鴨みたいですよ。鴨って、ほら、ぴったりくっついて泳ぎますよね!」  
「もし優しい神様のもう片方の膝に誰か別の人が座ってるのを見たら、私、すごく悲しくて、一日中泣いちゃいます!…」  
私の小さなテレーズは、福音書の中でイエズスがゼベダイの子らに天国で右と左に座ることを拒んだ箇所に心を打たれていました。そして彼女は言いました。「私は、優しい神様がその席を小さな子たちのために取っておいたんだって想像してるの。」その時、彼女は、その特別な2人の子が私と彼女であることを願っていました…。(これが、私が何度も問いかけた理由です。残念ながら、その恵みにふさわしくないのではないかという恐れが根拠となっていました。)——  
彼女の死から約3週間後に起こった「これが私に成された」という恵みは、私がティエルスの祈りの最中に突然心に浮かんだ問いへの答えでした。「私のテレーズは、優しい神様の膝に座るという望んだ場所を得たって言わなかったかしら?…」その瞬間、聖歌隊が「これが私に成された」と歌っていて、私はその言葉が分からなかったので、祈りが終わるやいなや翻訳を探しました。「これが私に成された」…。  
2  
私が「あなたを失ったら、私、気が狂っちゃうよ」と言ったら、彼女が答えました。  
「もしあなたが狂っちゃったら、ボボンヌ、『善良な救い主』があなたを迎えに来てくれますよ!…」(「ボボンヌ」は彼女が私につけた愛称で、母上の許可を得てそう呼んでいました。私が彼女に仕え、しょっちゅう呼ぶ必要があったので、私の名前より言いやすかったんです。)  
3  
イエズスのアグネス母が私たちの天使の美しい言葉をすべて書き留めているのを見て、私が自分に直接関わる言葉だけを急いで書き留めていると、全部書き留められないことをこうして惜しみました。  
「私、他の人みたいに、あなたの言うことを書き留めてませんね。」すると彼女がすぐに答えました。  
「あなたにはその必要ありませんよ。私があなたを迎えに来ますから…。」  
病室に降りる前の6月のこと、ある日、彼女の旅立ちが近いことに私が悲しんでいるのを見て、彼女は子イエズスに目を向け、愛らしい仕草で指を立てて、まるで教えるようにこう言いました。  
「私の小さなイエズス、あなたが私を連れて行くなら、マドモアゼル・リリ(私たちの幼い頃からの親しい愛称で、親密な時に彼女が私をそう呼びました。『トトさん と りりちゃん』という赤ちゃん向けの物語から来てて、彼女がトトさん、私がリリちゃんでした)も一緒に連れて行かなきゃだめですよ。それが私の条件ですから、よく考えてくださいね。中途半端はダメ、取るか取らないかですよ!」  
4  
7月22日、私は叔母のゲラン夫人にこう書きました。…先日、窓辺に座って、私の小さな病人に天国の至福についての一節を読んであげていたら、彼女が私を遮って言いました。  
「それが私を引きつけるんじゃないの…。
——じゃあ何なの?って私が聞くと、
「うーん、それは愛ですよ!愛すること、愛されること、そして地上に戻ってくること。」  
5  
その夜、彼女は血を吐きました。とても嬉しそうに、子どものような仕草で、時々そのお皿を見せてくれました。よく悲しそうな顔で縁を指して、「ここまで欲しいなあ!」と言わんばかりでした。  
私も悲しくて言いました。  
「ああ!血が少ないか多いかは関係ないですよ。その事実自体があなたの死のしるしなんですもの…。」  
そして付け加えました。「ああ!あなたの方が私より幸せですね。私には自分の死のしるしがないんですから!」  
すると彼女がすぐに答えました。  
「ああ!いえ、あなたにもしるしがありますよ!私の死があなたの死のしるしなんです!…」  
7月21日
私が病室で務めを果たし、部屋を整えていると、彼女が目で私を追って、突然、何のきっかけもなく沈黙を破って言いました。  
「天国では、あなたは私の隣に座りますよ!」  
そして後で、ルイ17世についての美しい詩の一節を引用して言いました。  
「あなたはもうすぐ私と一緒に、泣いている子をあやしに来ますよ。
そして、彼らの燃える住まいで、光の息吹で太陽を若返らせて…。
それから、私があなたに真紅のケルビムの青い翼をつけてあげます。私が自分でつけますよ。だって、あなたにはできないでしょう。低すぎたり高すぎたりしちゃいますからね!」  
7月24日
1  
彼女はたくさんの物語を知っていて、いろんなエピソードを覚えていました。それを時折使って、彼女の会話は絵のように鮮やかで生き生きとしていました。  
「あなたは善意の魂ですよ。何も恐れないでください。あなたにはあらゆる危険から救ってくれる小さな『犬』がいますから…。」  
(これは、スーラン神父が悪魔祓いの時に悪魔から聞いた告白への言及です。「私は何でもやり遂げられるけど、ただこの善意の犬だけはどうにもならない。」)  
私が言いました。「あなたは私の理想です。でも、その理想には届かないんです。ああ!なんて残酷なんでしょう。私にはそれに必要なものがないみたいです。まるで距離が分からない小さな子どものようです。お母さんの腕の中で、カーテンや物をつかもうと小さな手を伸ばすけど、それがとても遠いって気づかないんです!」  
「そうですね。でも、最後の日には、優しいイエズスが小さなセリーヌを彼女が望んだものすべてに近づけてくれますよ。そうしたら、彼女はすべてをつかめます。」

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小さき花-第8章~9

2022-11-23 15:15:38 | 小さき花

 1894年7月29日、父は種々の苦しみ試しに遭い、完徳に達して後遂に主に呼び招かれました。その死ぬる前の二年の間中風が全身に及びましたが、その間叔父はこの難病に罹った老人を、手厚く介抱してくれました。病気のために痩せ衰えた父は、その病中ただ一度修院の客室に来られて私に会われましたが、この時は実に何とも言えない悲しい面会でした。別れに臨んだ時私は父に「さようなら……」と申しますと、父は静かに眼を天に向け指で天を示し、自分の思いを言い表そうとして涙にむせびながら、ただ一言「天国に於いて……」と。
 父は美しい天国に入られてから後、彼の慰めであったセリナが世間に繋いであった縁が切れてしまいました。しかし……天使たちはこの世界に残るためではなく、その使命を果たすと直ぐに天主様の法に帰るので、このために皆羽翼が付いているように描かれてあるのであります。それでセリナも「カルメル修院」の方に飛ぼうとしましたが、除く事の出来難い種々の妨げがありました。ある日その妨げが益々込み入って来ましたので、私は聖体を拝領した後、聖主に次の如く祈禱を致しました。我がイエズスよ私は父がこの世に於いていろいろの苦しみ試しに遭いましたから、これを以って煉獄の贖いをも果たしてしまうようにと、日頃熱心に望んでいる事をよくご存じでありましょう。おお今私のこの望みが聴き入れられたか大いに知りとうございます。しかし私に直接これを告げてくださいとはお願い致しません。ただ次の一つの印だけお願いいたします。即ち主はセリナが「カルメル会」に入る事について、ある童貞がこれに反対しているという事もよくご存じでございましょう。それでもしこの反対がなくなればそれは主の良きご返事であって、父は真っすぐに天国に昇ったという事を知らせて下さる印であります……」と。ああイエズス様は限りなく慈しみ深く、どれほどご親切の御方ではありませぬか、ご自身の御手を以って人々の心を支配し、聖慮のままに傾かせる天主様は、反対していた童貞の心向きを変えてくださいました。
 私は聖体拝領後の感謝の祈祷が終った後、最初に会いました人は、セリナに反対していたその童貞でありました。彼女は私を呼んで涙を流しながら、近いうちにセリナは「カルメル会修院」に入る事、なお一日も早く入会する事を何よりも望む、と自分の心を打ち明けました。そして間もなく司教様もまた残る妨げを取り除いて母様に対して、島流しに遭っていたその小さい鳩の為に、修院の門扉を開け放つ事を容易に許してくださったのであります。(それで1894年9月14日セリナは「貴き面影のゲノワ童貞」という名を以って、遂にこのカルメル会修院に入りました」。
 今日では私はもうただ極度にまでイエズス様を愛するより外、何の望みもありません。私の心を引き寄せるものはただ愛のみでありまして、最早苦しみとか死とかを望みません。しかしそれでもなおこの苦しみと死とを両方とも慕う、喜びの天使のようにこれを永く招きました。私は最早苦しみに遭って天の岸に着いたかと思っておりました。私は幼い時からこの小さき花がその青春に於いて摘み取られると思っておりました。しかし今日では私を案内し導く者は、ただ天主様の摂理に委せるという事のみでありまして、これより他の磁石がありません。それゆえ私の霊魂の上に天主の聖慮が完全に行われん事を願うの外、他に何事も熱心に願う事を知りません。私は十字架の聖ヨハネの聖歌の言葉をここに繰り返す事ができます。
 
 我が親愛なるイエズスの
 奥殿に入りて愛に酔わされつ
 再び戸外に出でし時
 現世なる広き野原は荒れ果てて
 肉眼に入るものは何もなく
 伴い来たりし内心の
 私欲も欠点も散り失せぬ
 
 我が霊魂は主に仕えるため
 喜びも…悲しみも…希望をも
 すべて皆捧げ終わりぬ
 さらば、力を尽くし心を尽くし
 ただ主をのみ、ああ……
 ただ主のみ愛せんかな

或いはまた

 私は主を愛するに身を委ねてより後
 愛……愛は心の中に在る何事も……
 悪さえもなお為になるほど
 行為の上に大いなる影響を及ぼし
 なお霊魂をも同化さすほどに豊かな力がある。
 
 ああ母様、この愛の道は如何にも優しく歩みやすい道ではありませんか。無論欠点や罪悪に陥ることが出来ますが、しかし前に申した通りこの愛の道は何事にも為になる法を知りてイエズスのお気に召さない事は全てみな早く焼き付かせてしまい、心の底にはただ謙遜と深き平和のみを残します。

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小さき花-第8章~8

2022-11-01 21:17:05 | 小さき花

 私の希望についての話しに移りましたから、ついでに聖主が遂げさせてくださった今一つの変わった望みの事を申し上げましょう。この望みはちょうどかの着衣式の時に、雪を望んだような子供らしい望みであります。母様、綿日は花をいかほどに深く好むかという事をよくご存じで御座いましょう。私は15歳の時この修院の囲いの中に入ることを以って事後いつまでも春の宝ともいうべき、花に満ちている郊外をさまよう愉快を味わう事を犠牲としておりましたが、この「カルメル会修院」に入ってから後は、却って今までよりも多くの花を眺めることが出来ました。
 この世間の人々の中にその許嫁の男は許嫁の女に美しき花束を送る慣例があります。イエズス様はこれをもお忘れなく、私に立派な花束を与えてくださいました……。私は祭壇に飾るためにとか、菊とか、美人草など最も私の気にいるような花を、有り余るほどたくさん貰いました。この中に私の友として特に好きであった最も小さきナデシコがありませんでした。そしてこのナデシコは修院の花園にもなかったので、切にこの花を望んでおりました。ところが奇妙にもこの花が他かた送られてきました。天主はこれを以って、御自分を愛する為に全ての物に離れた人々に対しては大いなる事ばかりでなく、至極些細な事に至るまで、この百倍の報酬を与えるという事を示されたのであります。私は今一つの最も大切な希望……種々の事由によって果たされ難く、実行されにくい希望が残っておりました、これは即ち姉セリナがこのリジュの「カルメル会修院」に入って欲しい望みであったのです。然るにこれは余程難しい事であると思いましたので、この望みを天主様に犠牲として供え、この親愛なる姉の将来を全く主の聖慮に任せておりました。万一聖慮なれば彼女は世界の果てに行っても構いません……がどうかして私の如く、その身を全くイエズス様に捧げてその配偶者になるようにと望んでおりました、私はセリナがこの世間に於いて、私が知らなかった種々の危険の中にいるという事を見て如何にも辛くありました。また私は彼女に対しては姉妹の愛情よりもむしろ子に対する慈母の愛情に似ていて彼女の霊魂のために大いに案じ煩っておりました。
 ある日セリナは叔母や従姉妹らと共に、世間的の集会に行かねばなりませんでした。私はその時どういう理由かこれがために大いに心の苦痛を感じましたので、涙を流しながら「イエズス様に「どうか彼女がダンスをしないように」と熱心に祈りました。ところがちょうど私の願った通り、聖主はご自分の小さき許嫁が良い業を持っていながらその夜ダンスをしないように計らったばかりでなく、その相手もまた不思議がっている大勢の前で、この令嬢と共に至って慎んで出歩くよりほか、どうすることも出来ないように計らってくださいました。それでその相手も遂に恥じてその夜再び顔出しをしなかったそうであります。私はこの類例のない出来事によって、ますます天主様に寄りすがり任せるという思いが増長しました。そして親愛なるこの姉の額に、イエズス様の印影が明らかに置かれてある……聖主に選ばれているという事を確かに悟りました。
 

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