山登り下山後の温泉は 山登りの醍醐味であり
至福のヒトトキです。
下山後の温泉があるからこそ どんなにきつくても頑張って登れる。
ですが・・一昨年 手術を受けたこともあり
私の胸には 大きな傷があります。
もともと 山登りのきっかけは最初のこの病気の発覚だったので
山登りを始めた時点で 片方の胸には傷があったのですが
今回、両胸ともに 傷ができたため
”バスタイムカバー”を購入。
これは、胸に傷がある人のために作られた胸を隠す用の入浴着です。
片胸の時は、半分隠して入っていたのですが
やはり 隠しきれていなかったようで
よく 小さな子供が どこをみていいか分からず 固まったり?!
20代の若い女の子が 言葉を失ってしまったり・・っという反応を目にしつつ
私自身・・”見せてしまった・怖い思いをさせた”ことを申し訳なく思うこともあったのですが
このバスタイムカバーをつけるようになり
その心配をせずにすむようになりました。
*バスタイムカバーは 撥水された薄い布でできていて胸を覆う前掛けのようなものです。
・・っが この”バスタイムカバー”の認知度は ほぼ ゼロ っというほど
普及していないようで
温泉施設に行くたびに受付で このカードをみせて着用の許可を取るようにしていますが
今のところ この入浴着を知っている受付の人はおらず
説明しても伝わりづらく
必ず、このカードを提示して説明をするようにしています・・・が
「うちでは・・取り扱っていません・・。」と返事が返ってきます。
なので
「いえいえ。私持っているので着用して入ってもいいですか?」と
再度確認すると 100%
「はい。大丈夫ですよ。」と笑顔で返事が返ってきます。
断られたことはないです。
その点は ほっとする部分でもあり 内心 ガッツポーズをするくらい嬉しくなります。
確認さえとっていれば 安心して入ることができ
温泉をしっかり堪能することが出来ます。
ただ・・他のお客様が どう思われているかは・・不安なところではありますが・・。
私自身、この5年間 いろんな山に登り その街のいろんな温泉に入ってきましたが
実際は・・
私以外に 胸に傷がある人に出逢ったことが・・ない。
なので・・私の目下の目標は
いろんな町の温泉施設で このバスタイムカバーの存在を知ってもらうこと。
受付の人も それまで その存在を知る機会がなかったから
こちらの説明がうまく伝わらなかっただけで
きっと、
一度でもその存在を知れば 次からは 理解しやすくなるのではないかな・・と。
その最初のきっかけに 私がなろう!
そして 他のお客様たちにも
この存在を知ってもらいたい。
9人に1人が この病気に罹患する時代。
傷がある人が 生きにくい世の中になるより
知ることで お互い 生きやすくなれば・・。
もしかしたら、胸の傷を気にして 温泉を躊躇している人がいるかもしれない。
そんな時に
「こんな胸カバーをつけてた人がいたよっ、一緒に温泉いこうよっ」と
誰かの後押しになってくれれば うれしい。
もちろん どんなことにも賛否両論あるとおもいます。
やっぱり 布をつけて温泉に入ることに反対する人もいるかもしれない・・。
なので
バスタイムカバーをつける側も ルールを守るのが大前提です。
(しっかり 泡を落とす お湯を汚さない などなど。)
お互い 〝知る”ことで 少しでも摩擦が起きにくくなってほしい。
ちなみに・・ハウステンボスの入浴施設”ハウステンボス温泉”には
確認を取らなくても
壁に ”入浴着 着用 可!”と張り紙がしてあり
ほっとしたことがあります。
こんな風に 許可を壁に貼っていてくれる温泉施設が増えると
ほんとうに ありがたい。
”他と違う” それが 辛い時もあり
人の視線が気になる時もあります。
人から 怪訝な顔をされるくらいなら
言わずに我慢しようと 引っ込んでいようと思う時もあります。
それが 女性特有の事なら なおさら 男性に理解を求めるのには
勇気がいり できれば隠しておきたい・・と。
でも、その先に辛さに負けない 温かさに触れる時もある。
実は・・今回、入った温泉での出来事です。
受付は、年配の男性でした。
言いにくかったので 女性の方を呼んでいただきました。
その女性にまず説明したのですが 判断ができなかったようで
結局、年配の男性にも説明することに。
その時点で・・あぁ・・言わなきゃ良かったかなっとちょっと後悔もしましたが
確認を取らないわけにもいかないし・・・
「いいですよ。」と許可をもらい 脱衣所に行くと
その受付の年配の女性が追いかけてきました。
え??やっぱり駄目なの?っとドキッとしましたが
その年配の受付の女性は
私が入浴着をつけてはいることに誰かが苦情を言わないように
脱衣所に確認に来てくれたのです。
この温泉施設は 小さな田舎町にあり地元の常連さんの利用が多く
お客さんたちは 皆 顔見知り。
そこで
常連さんに声をかけてくれたのです。
常連さんたちも口をそろえて
「なぁ~んも気にせん。みんな傷くらい あるある。」と笑い飛ばしてくれました。
みんなにバレてしまったことは ちょっと戸惑いましたが(苦笑)
それが この町の人の付き合い方、優しさだなぁ~と
子供の頃のご近所のおばちゃんたちの温かさを思い出し
懐かしくなりました。
これから先も きっと 説明に苦労することもあると思います。
もしかしたら・・拒否されることもあるかもしれません。
ですが・・いつか
どの温泉施設でも ”入浴着 着用可”が 普通になり
許可を取らなくてもいいようになればっと
そう願います。