伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

6/24社民党代表質問石川稔議員質問

2011-06-24 11:43:37 | 県議会
 続いて24日午前の代表質問より、石川稔議員(社民党・新居浜市選挙区選出)の質疑の原発関係を紹介します。
「…今回の震災の特徴は、地震と津波だけではなく、福島第一原発の大事故である。地震と原発事故が複合するいわゆる原発震災となり、事態を一層深刻化させているのであります。
 原発事故により仕事を失い、家族が離れ離れになり、期限の定めもなく地域の絆が破壊され、避難生活を余儀なくされている被災者の暮らしはどうなのでしょうか。
 出荷停止を命じられ、生産物を廃棄しなければならない農水畜産物の生産者の思いはどうでしょうか。地震や津波の犠牲となった亡骸さえ収容できない遺族の思いはどうでしょうか。
 今から4年前の2007年7月16日、M6.8、死者11人を出した中越沖地震が発生いたしました。
 このとき柏崎刈羽原発では、燃料プールの放射能を含む水が海に放出され、また発電所で火災が発生しました。この事故のすぐ後の9月議会では、我が党の野口議員を始め、薬師寺議員、豊島議員、梶谷議員、佐伯議員、大西議員がそれそれの立場から質問されました。この時にもいわゆる「想定外」という言葉をよく耳にしたのであります。4年前であります。
 私どもは何をさておいても人の命と健康を大切にするという立場からこれまで私どもの考えを主張し、さまざまな運動を展開してきました。したがってこれまで核と原子力、つまりニュークリアとアトミックとを切り離さず、過去の広島長崎、第五福竜丸、JCO事故など放射能による計り知れない人体への影響を教訓にし、住民であれ電力会社や燃料会社の従業員であれ、二度と放射能による被ばく者をだしてはならないとの思いから核と人類は共存しない、として一貫して原発の建設に反対し、脱原発を訴えてきました。
 今回の福島における事態ははなはだ不本意な形で、そしてはなはだ大きな犠牲を伴って、私どもの危惧が決して杞憂ではなかったということが改めてあきらかとなったのであります。
 今回の事故を受け、村上春樹氏は、スペインカタルーニャ国際賞の受賞に際し、日本にとり2度目の大きな核の被害と表現し、原発に疑問を持つ人々はこれまで、「非現実的な夢想家」として退けられた、そして日本人は核にノーと言い続けるべきだったと述べ、日本にとって2回目の核の悲劇だが、今回は誰かが原爆を落としたのではない、我々は自分の手で間違いを犯し国を破壊したのだ、と語ったのであります。
 これまで原発を推進する論拠として、原発は安全であり、経済的に優れており、発電時にCO2を出さないクリーンエネルギーであるとしてあたかも理想の発電であるかのように言われてきました。
特に5重の壁などによって幾重にも防御されているから安全であるとも言われて来ましたが、今回は地震による揺れと、津波によって全電源が喪失し、さらに頼みの綱の緊急炉心冷却装置さえも作動せず、原発の冷やす閉じ込める機能が失われ、ついには絶対にあってはならないはずの炉心溶融メルトスルーを引き起こし、放射性物質を放出し続け、今なお収束のメドが立たない状況から、原発の安全神話が崩壊したことは、多くの方が実感されたのではないでしょうか。
 そして、想定外という言葉は何ら説得力を持たず、また避難を余儀なくされている方々にとってなんらの言い訳にもならないのではないでしょうか。
内閣府の「日本の災害対策」には、96年から05年の間に、世界で912件発生したM6以上の地震のうち20.8%にあたる190回が日本で起こっていると記されています。これから、東京や大阪という、多くの電力を消費する都会に原子力発電所を建設せずに、地方に作り続けてきた理由が改めてあきらかとなったような思いがするのは私だけでしょうか。
 また、水素爆発を起こし、建屋上部が破壊された福島第一原発3号機においては、プルサーマル運転が行われていました。MOX燃料の事故における影響を十分に検証することなく、伊方原発3号機を再起動させることはできないのではないでしょうか。
 先般、海江田大臣が原発の再稼働を要請しましたが、未だ収束のメドも立たず、検証も行われていない中では不見識との誹りは免れないのではないでしょうか。
 そこでお尋ねをいたします。
 地震大国といわれる我が国で建設された原子力発電所は、これまで安全といわれてきたことについて、今回の事故を受け、改めて県としての認識をお聞かせください。また、中央構造線の活断層の間近に立地する伊方原発においても、地震や津波に対するこれまでの安全対策で本当に安全なのか、また福島第一原発3号機と同様にプルサーマル運転を行う伊方3号機の再起動に対する県のご所見をお聞かせください。
 原子力発電の発電コストについて、電気事業連合会は、2003年12月に、4年ぶりにコスト比較を改訂しました。
それによると運転年数40年、設備稼働率80%の場合、1kWh当たり原子力は5.3円、石炭5.7円 LNG6.2円 石油10.7円としました。
しかし従来の法定耐用年数で試算すると、運転年数15年から16年、設備稼働率80%で、原子力7.3円、石炭7.2円 LNG7円 石油12.2円となると発表しました。
 一方有価証券報告書を用いてみると原子力8.3円、火力平均7.3円となるそうであります。
 また、東京電力の設置許可申請書に記載された発電原価をみると、福島第二原発3号機が14.55円、柏崎刈羽5号機では19.71円となっているのであります。
 つまり、コスト計算をする場合には、前提条件によって大きくことなるということであります。
 さらに、これらの試算の中に、原子力発電所とセットで考えるべき揚水式発電所、地元などへ支払う電源三方交付金や莫大な送電費用などが加味されていないことであります。
 またコスト計算上、加味しているとされている、廃炉や最終処分費などのいわゆるバックエンド費用についても、廃炉技術や最終処分の場所、手段などが確定されてない中で積算されたものとなっており、前提条件があまりにも乱暴なコスト計算であるといわなければなりません。
 また今回のような、天文学的な賠償費を考慮すれば、巷間言われているようなコストで収まるはずはありません。
 ドーヴィルサミットで、スイスのホイットハルトエネルギー相は、福島の事故は原発のリスクが高すぎることを実証した、原子力エネルギーのコストを高めたと指摘し、安全強化策にともなうコスト増が脱原発の理由であるとしたのであります。
 そこでお尋ねいたします。県として原子力発電のいわゆる経済性、コストについてどのようなご認識をお持ちなのかお聞かせください。
 
 事故発生当初、よく耳にしたのが、「いま直ちに健康に影響を及ぼす量ではありません」というフレーズです。直ちにということは、5年後、10年後、30年後は?と思ったのは私だけでしょうか? 直ちにということは、急性障害が出ないということだけなのではないでしょうか?
 低線量放射線は人体に被害を与えないといわれていた時期もありましたが、アメリカ科学アカデミー低線量被ばく健康リスク評価委員会は、2005年、被ばくのリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値、つまりこれ以下の被曝量なら安全という値はない、最小限の被ばくであっても人類に対して危険を及ぼす可能性がある、と報告しました。
つまるところ、どんな少量の放射線であっても、DNAを含む分子結合を切断破壊するという現象は起きるのであり、細胞分裂の盛んな子どもの感受性は大人の4倍から5倍と言われ、人体に影響のない被ばくなどはないのであります。
 2000年4月27日の東京新聞には、原子炉閉鎖で乳幼児死亡率が激減、とアメリカの研究機関の調査結果を報じてもいます。すなわち原子炉が稼働することで周辺の乳幼児の死亡率が高かったのであります。
 また、先日の国民投票で脱原発が決まったイタリアでは、ある原発跡地周囲7キロでの甲状腺がんの発症が他の地域の1.53倍であると、6月12日の新聞は伝えています。
 2009年10月1日、県議会の環境保健福祉委員会では、国際放射線防護委員会ICRPの勧告値が引用されました。
 日本政府および電力業界がいうICRPの勧告値は、完成された国際的な被ばく評価基準ではないと思うのであります。ICRPの評価勧告値は内部被曝の評価が甘く、ヨーロッパ放射線リスク委員会ECRR基準から言えば10倍甘いとの指摘もあります。
 日本政府の計画的避難基準は20mSvであります。ICRPの勧告値によると、線量リスクは0.1%。10万人なら100人ががんになり、1mSvなら5人が。
これを社会的に容認される程度、と表現されるのであります。
 ECRRの評価法では、年20mSvならば1,2%ががんを発症し、10万人なら実に1200人。1mSvなら60人となるのであります。
 原発は事故が起これば当然のこととして、平時においても放射能を出します。さらに使用済みの高レベル廃棄物の放射線レベルが使用前と同じレベルまで減少するには、ヨーロッパの基準では環境と生物から10万年隔離しなければなりません。
フィンランドで建設中の永久地層処分場を描いた「10万年後の安全」では、10万年間の隔離がいかに難しいかが描かれているのであります。
 今回の震災は、改めて国民が原発について真剣に考えるきっかけともなりました、日々様々な意見が様々な場で交わされ、中には原発が炭酸ガスを出さぬが故に、環境問題に寄与するという説はたちの悪い神話であり、放射性廃棄物の危険性は温暖化ガスの排出などとは比較にならない、原発による発電にはウランの採掘、精錬、濃縮、使用済み燃料の再処理などに膨大な化石エネルギーを使うのであるから、その過程で温室効果ガスを排出する、発電時においてさえ、一級河川の流量に匹敵する温排水を海に流すわけであり、海の生態系を乱すと同時に海水を暖めることによって直接に、そして海から二酸化炭素を放出することによって間接的に、地球の温暖化に寄与しているのである、との声も上がっており、言い得て妙であると思うのであります。
 そこでお尋ねいたします。平時においても低線量の放射線を発し、設備のがれきや金属片などの低レベル廃棄物は300年、高レベル廃棄物に至っては管理に10万年から100万年という、気が遠くなるほどの期間を要する原子力発電は、けっしてクリーンといえないと思うのでありますがご所見をお聞かせください。
 今回の事故をきっかけに、ドイツイタリア、スイスなどで脱原発に向けての政策転換が図られています。日本においてもエネルギー政策を大転換し、原発に依存しない社会を目指さなければならないと思うのであります。
 先般我が党は脱原発アクションプログラムを発表し、脱原子力社会に向けた具体的道筋を提起しました。
 これまで県も自然エネルギーについては、エネルギーの安定供給のみならず、CO2の削減など地球環境への配慮の観点から、今後とも大いに導入を進めていくべきであると考えているむねの答弁をしているのであります。
 そこでお尋ねいたします。
 県として、改めて、再生可能な自然エネルギーに対するご所見をお聞かせください。
…」
 答弁は別記事で。
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