伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

愛媛県議会での論戦(H16年12月議会)

2006-04-20 15:10:43 | 関係資料
県議会のホームページに掲載されている議事録
http://www.kensakusystem.jp/ehime/
より、2年近く前からのプルサーマル問題に関する愛媛県議会本会議での質疑内容を紹介しておきます。

●平成16年 第290回定例会 (第2号12月 9日)No.5 高門清彦議員(自民党)
 次に、組織改変という観点から、四国電力に関連をして質問をいたします。
 去る11月1日、知事から四国電力に対して、プルサーマル計画に伴う伊方3号機の国への原子炉設置変更許可申請を認める旨の文書を通知し、あわせて国関係機関に要請をされたところであります。
 プルサーマル計画につきましては、本議場でもたびたび議論をされてきたところであり、重複は避けたいと思いますが、今後、国により伊方原子力発電所でのプルサーマル実施に対する安全性について、さまざまな観点から十分検討をされるように強くお願いをいたします。そして、県におかれましては、その結果を踏まえ、伊方原子力発電所環境安全管理委員会の審議などを通じ、十分に検討をされ、また、広く県民の意見にも耳を傾けられ、最終判断をされますように、この際お願いをいたしておきます。
 さて、四国電力は、申し上げるまでもなく四国における巨大企業であり、その資産は平成16年3月31日現在で1兆3,421億円、従業員は4,872名、平成15年度分の売上高は5,119億円であります。この巨大企業が本社を高松に置き、電力の安定供給に携わっているのであります。
 愛媛県には四国の電力の約4割を発電する伊方原子力発電所があり、その関連施設として松山市に原子力保安研修所が設置をされております。しかしながら、四国電力における原子力部門を統括する原子力本部は、本社のある高松市に置かれているのであります。率直な感想としては、原発立地町や立地県との日常的な意思の疎通や、あってはならない万が一のことを考え、1分1秒を争う事態を想定したときに、果たして原子力本部が高松市という今のままの体制がベストなのかという疑問があります。特に、本年は一連の台風災害により東予地域の道路網が寸断をされ、高松方面から松山方面への交通路は、瀬戸大橋から中国地方へ渡り、しまなみ海道を通るルートに限られたという苦い経験を我々はいたしました。もちろんこのような事態を二度と繰り返してはなりませんが、今後は絶対に起こらないという保障もないのであります。
 この際、県民の安全安心を考えたとき、事業者の原子力部門を統括する原子力本部は、なるべく原子力発電所に近い場所に、少なくとも県都松山市には設置をしていただきたいと考えるのは当然のことであろうと思います。もちろん企業内の組織に関することでありますので、県として口を挟める限界はあろうかと思いますが、少なくとも原発の立地県として県民の意識を考えましたときに、より安全である方向、より安心できる方向へと、行政として考えなければならないのは当然であり、また、企業もそれにこたえる義務があると考えます。このような考えのもとで、関西電力におきましても、原子力事業本部を原発立地県である福井県へ移転する計画と聞き及んでおります。
 そこで、お伺いをいたします。
 原発立地県として、原子力発電行政と事業者間の一層の意思の疎通を図り、より安全で安心できる原子力発電所の運営のため、現在高松市に置かれている四国電力の原子力本部を愛媛県に移転するように申し入れを行っていただきたいと考えておりますが、この点についての御所見をお聞かせを願いたいのであります。

No.12 吉野内直光副知事
 高門議員の御質問にお答えいたします。
 私の方からは、四国電力の原子力本部を本県に移転するよう申し入れをしてほしいがどうかにつきましてお答えをいたします。
 お話のございましたように、四国電力の原子力本部は香川県高松市の四国電力本店内にございまして、同社の原子力事業部門の2割に当たる約80名の社員が、原子力本部長のもとで、伊方原子力発電所の運転や保守管理等の運営方針を決定するとともに、業務の統括管理を行っております。いわば中枢部門が本店内にあるということでございます。
 県といたしましても、この本部を本県に移転いたしますことは、伊方原発の異常事態対応への迅速化、効率化これはもとよりでございますが、県民や関係機関に対する情報提供の充実や緊密化、さらには立地地域周辺住民の意識を踏まえたよりきめ細かな対応が期待されるなど、県民の安全安心を確保していく上で基本的に望ましいと考えております。原子力本部を四国で唯一の原発立地県である本県に移転すべきとの高門議員のお考えは、ごく自然なものと受けとめております。私も同じ思いでございます。
 移転に当たりましては、四国電力の経営方針やこれまで築いてこられた対外的な関係、社員の処遇などさまざまな課題も予想されますが、今後、福井県におきます関西電力の事例も踏まえながら、立地地域と原子力発電との共存共栄を基本にしまして、移転の申し入れをすることを考えてまいりたいと、このように考えております。
 以上でございます。


●平成16年 第290回定例会 (第2号12月 9日)No.91 菅良二議員(自民党)
 次に、伊方原子力発電所におけるプルサーマル計画についてお伺いします。
 プルサーマル計画は、核燃料サイクルの一環として、昭和36年の原子力長期計画に位置づけられて以来、一貫して我が国の原子力政策として推進されてきたものであります。その原子力長期計画は、現在、5年ごとの改定時期に当たっており、平成17年中に新計画を策定することで検討が進められているところです。そしてその中で、核燃料サイクル政策については改めて原点に立ち返って議論が行われ、使用済み燃料の再処理か直接処分かといった各シナリオについて、さまざまな観点からの評価が取りまとめられております。
 例えば、話題となりました経済性については、結局、発電コストの点で、直接処分より再処理の方が1世帯当たり年間600円から840円程度高いが、政策変更に伴うコストを含めると逆転すると試算されております。さらに、他の重要な要素として、エネルギーセキュリティーの点では、再処理はウラン資源の節約効果があるが、直接処分はその効果がない。環境適合性の点では、再処理は循環型社会と整合するが、直接処分は整合性が低い。技術的成立性の点では、再処理は課題はないが、直接処分は研究開発が必要などとの取りまとめがなされており、総合的に見て、全量再処理政策を継続することが妥当との方向性が示されております。
 私も、現実問題として、我が国の基幹電源を担えるものは原子力発電しかなく、その場合に、ウラン資源の有効利用を図ることは当然と思うのでありまして、今後とも、透明性を確保し十分な議論が尽くされた上で、我が国の将来を見据えた確かな原子力政策・エネルギー政策の方向が決定されることを期待するものであります。
 またあわせて、先般知事は、伊方原発3号機でのプルサーマル計画について、四国電力が国に原子炉設置変更許可申請を行うことを了解されましたが、プルサーマルの導入に当たっては、安全性の確保に万全を期していただくことを強く要請するものであります。
 そのためには、9月議会における我が党の代表質問でも申し上げたとおり、国全体の原子力政策の問題とは別に、伊方原発3号機について、個別具体的で厳正な安全審査がなされ、法に基づく安全性の確証を得るとともに、その結果については、県民への十分な情報公開のもとに、県みずからによるきちんとした確認を行う必要があると思うのであります。
 そこで、お伺いいたします。
 先般、伊方原発におけるプルサーマル計画について、国への原子炉設置変更許可申請については了解をされたが、その判断に当たっての根拠はどうであったのか。また、事前了解願いそのものに対しては、今後どう対応されるのか、これらの点について、ここで改めて明確にお示しいただきたいのであります。

No.98 吉野内直光副知事
 菅議員の質問にお答えさせていただきます。
 私の方からは、国への原子炉設置変更許可申請の了解についての判断の根拠はどうであったのか。また、事前了解願いそのものに対しては、今後どう対応していくのかとの点についてお答えをいたします。
 伊方原発のプルサーマル計画につきましては、伊方原発環境安全管理委員会及び技術専門部会の意見、6月及び9月県議会での議論、そして四国電力と国による住民説明会の開催結果、さらには地元伊方町としての申請了解の報告などなどの内容を総合的に検討しました結果、さまざまな反対意見はございますものの、プルサーマル計画の基本的な安全性や必要性は認められ、地元住民を初め県民にも一定の理解が得られたと判断されましたことから、伊方3号機の個別炉としての具体的な安全性の検討に必要な原子炉設置変更許可申請を了解したものでございます。
 今後、国におきまして安全性を初めとする所要の審査が進められる予定でございますが、県としましては、申請了解後、直ちに県民環境部長を経済産業省や原子力安全委員会等の関係機関に派遣しまして、安全サイドに立った厳正な安全審査を行うことはもとよりでございますが、十分な情報公開のもとでの公正、民主的な原子力長期計画の検討、さらに安全審査結果や長期計画の住民へのわかりやすい説明、これらを強く要請したところでございます。
 事前了解願いそのものに対する最終的な判断につきましては、これらの状況を踏まえまして、改めて伊方原発環境安全管理委員会での審議はもとより、県議会でも十分に議論をいただき、地元伊方町の動向等も踏まえながら、安全性の確保と住民の理解、これを前提として慎重に検討してまいりたいとこのように考えております。
 以上でございます。

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