伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

6/18(日)『防災科学から地震・活断層・プルサーマル複合災害を考える講演会』(再掲)

2006-05-29 17:30:41 | 原発震災関連
6月18日(日)午後1時30分から
 講師  岡村眞先生(高知大学教授)
 会場  松山市堀之内 愛媛県美術館 講堂
 会場費 1000円
 主催:伊方原発プルサーマルの中止を求める県民共同の会
    愛媛の活断層と防災を学ぶ会
 この岡村先生の話は、3月21日の「東京原発」の上映会でビデオ出演を聞くことができました、
↓ふう~。10分ほどでしたが『原発震災』の懸念を十二分に伝えていただきました。

----ビデオ発言よりテープ起こし ここから----
 みなさんこんにちは、高知大学理学部の防災科学講座の岡村でございます。今日は愛媛県をとりまく地震環境、火山の動きについてこれからお話したい。よろしくお願いします。

 皆さんがどういうところに今の原子力発電所があるか、ということを知っていただきたい、自分でお考えいただきたいと思っています。

 新潟県の中越地方で地震が起りました。
次の予測されている南海地震のサイズ、マグニチュード8.4にくらべるとわずか660分の1のエネルギーだったんですけれども、それでも40人以上の方が亡くなり、3400人以上の方が傷つけられるという災害になりました。
 その震源地の真上の中条町では震度7になりました。
阪神大震災以降沢山、強震計という強いゆれを感じる地震計が日本で1300箇所も増えたものですから非常に沢山のデータが取れるようになった。
さきほど映画(東京原発)でもありましたけれども日本の原発は375ガルくらいを一応設計の揺れにしているんですが、その3倍くらいの揺れになっている。

 もう真っ二つに家か引きちぎられているんですが、この地方は、非常に雪が沢山降りますので、屋根にそんなものが乗りますとつぶれやすくなる、ですから家屋が非常に丈夫に作られています。
この家見ていただきますと分かりますが、ここに新しい崖ができている。家の下の地盤が真っ二つに動いている。
小さな地震だけれども、直下型の地震がおきると、ゆれはものすごく大きくなる。
いいたいのは、私たちが今分かっている全国の98断層、それは四国の中央構造線も入っていますけれども、それはもうわかりすぎるくらい大きな地震を起こす。
でもこの程度の地震でも、それでも震度7になるんですよ。小さい短い断層だから、ゆれが小さいことにはならないんです。小規模の地域にはものすごい大きな揺れをもたらす。
 玄海島では震度7になった、そういう観測結果があります。強震計はなかったんだけれども被害の程度からは震度7になったと考えないとつじつまが合わない。
この鳥取県西部地震、あるいは福岡県西方沖地震ではまったく事前には手掛かりさえなかった。
こんなもん、今の学問レベルというのはその程度のもの。
これで安心というのはいったいなんなんだ、どこからそういう発想が出てくるのか、非常に私は危惧しています。
そういう意味では非常に問題が多い。
 安全だ、というのは一体なんなんだと言いたい。
 
 この本体、南海地震の震源域の本体の周りのところから力を解放していく。地震という形で、そして最後は本体が動くんだという。これは順番があります。
あと20年くらい、もう10年たちましたね阪神大震災から、それでもうまわりで3つマグニチュード7クラスの地震が起きました。おそらくあと10年、20年ぐらい後には本体が動く順番になります。それは過去3回のこういう歴史があるからです

 私たちの足元をもういちど振り返ってみますと、南から大きな力を受けています。フィリピン海プレートは年6センチくらいの力を、四国の南東から北西に向かって動いていますけれども、そのために大きく分けて2つのところでその力を解放しています。
 一つは海底の部分です、これが南海地震を起こす海底のところ、これは押して圧縮する力をどん、と解放してあげて、圧縮してそれを元にもどす、またということを。
100年分を100度か戻す。これは世界でもっとも規則正しくやっているのが南海地震。

 もう一つ注意しないといけないのは、これは四国の北にある活断層、中央構造線という日本最大の活断層であります。
ごらんのように、これどこかというのはみなさん非常によくわかるんですね。
これは鳴門市、それから藍住町、それから和気町、それから池田町、池田高校の野球のグラウンドの南側が本体そこを通って西条市、新居浜、重信町を通って、松山市の南を通りまして、郡中、今の伊予市から海の中に入りまして、佐田岬半島のすぐ北の海底を半島と並行に走って別府湾に走るという日本最大の活断層で、もし動きますと最大8メートルぐらい動く。

阪神淡路大震災でもだいたい横ずれの量というのが1.7メートルだったですからいかに巨大な地震であるかということをおわかりいただけると思います。これが大体2000年に一回くらい動くということが最近の研究結果で分かっています。そしてこの日本最大の活断層は一億年以上動いてきている。だからそこは岩石はもうぼろぼろになっている。
だから台風とか雨で、くずれてそこに谷ができる。そこがちょうど吉野川ですね吉野川の北岸ができている。
それから石鎚断層帯といって、四国の山が砥部のところでどーんと落ちていますね。そこの崖のところが断層。

 断層がどのように延びているか、我々の調査で、1万年前以降も、何回も何回も地震を起こしているということが初めて分かった。こんなことは原子力発電所を作る前はほとんど議論されてない。1万年前以降動いていないという前提で作られている。
 すごいですね。わたしたちは、高知大学という、典型的な一、小さな地方大学の一理学部の一研究室にしかすぎない。専門家は私を入れて二人しかいない。それで明瞭に分かることが、どうして国には、あるいは大企業である電力会社には分からなかったのか。
 私は、問題点というのは、一個一個の断層がどうというよりも、こういうものを平気で見逃している、原子力発電所を作ろうというのに平気で見逃していく、その国の審査の体制に大きな問題があるというふうに思います。
 
 (佐田)岬半島の場合は海岸に並行に、陸から2キロメートルあるいは伊方の場合は6キロメートルの沖に活断層があります。もうすぐそこに日本最大の活断層が潜んでいるわけです。
 これは現地の漁師さんてのはよく知っています。昔からここはエビがよくとれる。こういうふうに溝穂っていうんですね。
どんどん動いていくもんですから海底が真っ平らでのらない、どんどん動いていく、溜まりきらない、海流が生じる、ものすごくいい溝が、おそらくそこにはなにかあるということは皆さん知っていた。
でもこういうことがなかなか見抜けなかった、もう動いて動いて、もう6000年前の火山灰がもう20メートルもずれている。20メートルですよ、阪神淡路大震災では1.7メートルしかずれ動いていない、いかにこれが巨大な活断層であるかということを見ておいてください。
 原子力発電所のタービンなんていうのは、軸が狂うとこわれちゃうんですね、高速で回っていますからね。
こういう地殻変動も若干影響を与える。
地震のたびごとに、活断層がたわんでいくわけです。
その近くの双海というところがありますけれど、ここも6千年前の火山灰が20メートル近く、断層になって落ち込んでしまっている、本当に生きている断層、世界の研究者がこれを見てもう唖然すごい、こんだけ激しく動いているという。
ここが日本でもっとも活断層活動が激しいところ、そこにすでに140万人がもう住んでしまっているという宿命的なものがあります。

 よく専門家が使うグラフ、断層の真上に建物があれば、いかに強固なものであってももちません。真っ二つになります。
10年前に台湾中部地震がありました、断層の真上にあったダムが真っ二つ。
だから断層の真上というのはいかなる構造物でももち得ない。

 もう一つは、断層から離れると急激に地震のゆれは小さくなるんですが、ではどれくらい離れれば小さくなるか分かっていないと危険。
皆さんのお手元にもあるんですが、断層からのゆれこれが100、500、ガルくらい、どのくらいの断層からの距離で地震になるか、大体断層から10キロから20数キロの範囲まで。

 だから想定されている、原子力発電所が想定しているゆれというのは、断層から10キロから20キロくらい離れないとゆれは小さくならない。
ところが伊方原子力発電所というのは、わずか6キロしか離れていない。
アメリカのデータですけれども岩石、非常に硬い岩石でも、やはり500ガルくらいのゆれがやはり断層から10キロの間では起っています。このことを知っておいていただきたい。

 いざ動いたら、全てのものが大丈夫だとはなかなかならない。
よくね、原子力発電所の本体が丈夫だとよく言われます。しかしタービンのあるところあるいはコントロールルームは普通の建物なんですよ、炉心だけ守ってどうするんですか。それをお考え下さい。ありがとうございました。
----ビデオ発言よりテープ起こし ここまで----

 とてもシリアスな話をされたので、ビデオで出演されたのは松山までやってくるのは危険だと思っているせいなのか、などと邪推をしましたが:-P
そういうわけではなく、6月には本人がお出でいただけるようです。

追記1
高知大学理学部岡村土研のホームページ

追記2
TBをいただきました、高知の西やんさんが作っている各種ブログが、地震防災関係で要チェックです。
南海地震関連では高知県の取り組みについての重要な情報源となりうるかと思います。
blog ラジオでつなぐ防災フォーラム
インターネット放送■第1回(2006.04.07)…高知大学理学部教授 岡村眞さん

BBS市民が作る防災フォーラム
西やんのNPO奮闘記
NPO法人 我が家を見直す会

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2 コメント

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(^-^; (西やん)
2006-04-05 15:52:17
いや~、ご丁寧に恐縮です。

高知大の岡村さんは、懇意にさせて頂いています。

あと、高知でプルサーマル問題の活動を行う外京さんもご存じでは?

外京さんのブログ

http://blog.livedoor.jp/geki716/

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Unknown (伊方No Plu田丸)
2006-04-11 12:00:23
 いや、お付き合いさせていただいてないです。

 実際のところ、ウチの親父が四国電力に勤めてたもので、生活の平穏のためには表立って名前の出る反対運動にはなかなか参加できないと自己規制している、伊予のヘタレ男なものですから。

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