伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

国の「偽装」安全宣言に対する公開質問状

2006-03-17 16:56:18 | プルサーマル/MOX燃料
 今日の愛媛新聞にはでかでかと、1面『プルサーマル「妥当」/原子力安全委/伊方3号機審査終了/県・地元の判断焦点』。
3面には『伊方プルサーマル「妥当」/住民の不安どう解消/公平な公開討論を』。
また5面には『伊方プルサーマル「妥当」/「結論ありきの審査」/反発強める市民団体/安全性を懸念』と報道されています。

---前ふりの部分の引用ここから
 四国電力伊方原発3号機(西宇和郡伊方町)のプルサーマル計画について、内閣府の原子力安全委員会(松浦祥次郎委員長、五人)は16日、「安全性は確保し得る」と結論付け、「経済産業省原子力安全・保安院の一次審査は妥当」と経済産業省に答申した。安全性に対する国の審査は事実上終了。平和的利用の観点などから審査する内閣府の原子力委員会も、今月下旬に「妥当」と答申するとみられる。
---引用ここまで

コメント:
 結局、今回の二次審査とよばれるものも、基本的な事項の安全性についての一次審査の項目について再度調べただけであることが分かります。
 JCO事故の教訓 の一つに、国の安全性審査が概念設計、基本設計の部分に限られていて、個別具体的な安全性の検証という責任を逃れていたのだ、それでは安全性は担保できないという指摘がありました。
 今回の安全性審査もそれと同じで、机上のアスベスト管理政策で周辺住民へのアスベスト公害を防ぐことができるはず、と住民の被曝を見逃してきたのと全く同じです。日本の無責任「偽装」審査体制は破綻していることが再度示されました。
こんなもので安全と思いこむのは、「ど」のつく阿呆でしょう。


 さて、愛媛県民共同の会では、急遽、抗議と公開質問状を作り、今日午前中に原子力安全委員会に申入れに出掛けました。

 申し入れた最終文面(修正版)をいただきましたので以下に紹介します。
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                           2006年3月23
内閣府原子力安全委員会
委員長 松浦祥次郎 様
          伊方原発プルサーマル計画の中止を求める愛媛県民共同の会
          【代表連絡先・幹事団体】
           愛媛地方労働組合連合会
              松山市三番町8-10-2 電話089-945-4526     
           愛媛労働組合会議
              松山市宮田町132   電話089-941-4500     
          【幹事団体】
           伊方原発等の危険に反対する愛媛県民連絡会議/
           愛媛原水協/愛媛原水禁/原発さよなら四国ネットワーク/
           環境市民/社会民主党愛媛県連合/新社会党愛媛県本部/
           日本共産党愛媛県委員会

   伊方原発プルサーマル計画についての
   安全審査「妥当」判断の撤回要求と公開質問

 伊方原発でのプルサーマル計画について、貴職は昨日、「安全性を確保しうる」とした審査の結論を「妥当」とし、経産相に答申したと報じられています。
 しかしながら、岩盤上で想定以上の地震動が記録された1995年の兵庫県南部地震以来、原発の耐震安全性が根本から問われています。強度が問われているというのに、中性子線の増加によって老化・劣化を加速させる(昨年10月13日、愛媛の代表が国会議員8名同席のもとで経産省に申入れた席上、省側は数パーセント加速するとみていると回答)ことが明らかなプルサーマルを実施の方向にすすめるということは、とうてい納得できるものではありません。

 また、愛媛県議会において世界で前例がないのではないかと指摘された高燃焼度燃料ステップ2とMOX燃料の組み合わせについて、経産省は愛媛県を通じて「前例あり」と回答したものの、商用炉での長期にわたる営業運転なのかどうかも全く明らかにされないままです。プルサーマルに対する県民の不安と疑念はいっそう深まっています。

 さらに、プルサーマルによって増大するきわめて毒性の高い放射能核種に作業員や住民が被曝する可能性が高まること、高レベルの放射能をもち数百年も熱を発し続ける廃棄物の処理の見通しがないこと、苛酷事故の際の被害の及ぶ距離も深刻さも、これまでの2倍以上と言われること等々をみれば、「安全性を確保しうる」という結論は全く信じがたいものです。

 ついては、妥当との答申を撤回するよう求めるとともに、昨年10月に当会が経産省に質問し未だ回答のない点を含めて、下記の点を公開質問いたします。

                記

(1)伊方沖6kmを走る国内最大規模の活断層による地震の強さをどのように想定し、伊方原発の被害を含む被害想定をどのように行ったのか。

(2)プルサーマルによる老化・劣化の加速、照射誘起応力腐食割れが発生する確率の増大等、強度に与える影響について、どのような資料にもとづいて判断したのか。

(3)MOX燃料とその使用後の物質を労働者が扱った場合の、増加したアクチニドなどによる深刻な被曝の影響についてどのように把握したのか。

(4)高燃焼度燃料ステップ2とMOX燃料の同時使用について、経産省が前例ありと回答したのは、商用炉での長期にわたる営業運転であったのかどうか、詳細に明らかにすること。
                                以上
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