洋泉社と宝島社は関係のある会社なのだという。
仙台へ戻ったら、山下君からくだんの本が送られてきていた。
日経新聞経済教室や、Forsigt、Wedgeに農協に関する評論を書いている。
それをベースにこの本を書いたのだろう。
1月24日発売だが、もう本屋には出ているし、Webでも売っている。
売れ行き好調とのこと。
紹介しておこう。
タイトル『農協の大罪』
副題が「農政トライアングルが招く日本の食料不安」
「誰も書けなかった声域のからくり」
「喰い潰される日本の農地資源」
と当然だが、激しい言葉が並ぶ。
第1章 「汚染米横流し事件」の拝啓
第2章 保護なしでは「GDPゼロ」の日本農業
第3章 誰が日本農業を衰退させたのか
第4章 農協の台頭と大罪
第5章 農政トライアングルとは
第6章 農協、農林族議員、農水省の壁
第7章 揺らぐ農協
第8章 農政を脅かす食料安全保障
第9章 強い農業を築くためにするべきこと
「おわりに」にも書いているが、全中は山下氏への批判をかなり執拗に行った。
特に山下が「日経経済教室」に書いた原稿への対応はすさまじかった。
そのときの批判文を私は今でも持っているが、事実への批判と言うより思想的な批判といった雰囲気だった。
私は、山下の評論が正しいと思っていたので、当時の全中農政部長や広報部長?に批判内容について聞いてみたものである。
弁明はよくわからなかったが、批判の内容よりも、全中を批評することが許せない、事実誤認があまたあるので逐一反論すると言ったような内容だったと記憶している。論争と言うより、農水省の官僚がなぜ農協を批判するのだ、、といった雰囲気だった。
当時山下は、まだ農協の更正力に落胆はしてなかったのかもしれないが、これですっかり嫌気がさしてしまったのではないか?
彼は当時別に農協を潰そうなんて考えてもいなかったのだ。
いや今でも思ってないだろう。
日本農業を再生するという目標に向かっていれば誰も敵ではないはずなのだが、、、
そんな山下の悲しみが聞こえてくる名著である。
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