「農協・自民頼みに異変」というサブタイトルだが、内容はさにあらず。
熊本県菊池郡のブドウ農家で小沢ミニ集会があった。
専業農家が多かったのだろうか、、規模拡大と後継者が定着するような農業の構築に関して小沢氏へ質問が出たという。
その回答に対しては、「はぐらかされた」と思ったというが、、
「小沢氏が立ち去った後にはささやき合う人たちがいた。「民主党なら、いくらもらえるのかな」
以下引用
(誰がために穂は実る:3)農協・自民頼みに異変 09総選挙
2009/08/20 朝日新聞 朝刊 38ページ 1530文字
人口約5万人の熊本県菊池市にあるビニールハウスに民主党の小沢一郎代表代行が現れたのは6月のことだった。
「小沢さんが熊本に来る。菊池にも来てもらおうと思うんだ。場所、貸してくれねえか」。自民支持だったブドウ農家の男性(62)は知人からの電話に困惑しながらも、断り切れずに受けた。
車から降りた小沢氏はだれかれとなく、にこやかに握手をしながらハウスに入った。上からはぶどうの房が垂れ、横には肥料袋。「一度、小沢さんを見てみたい」と約100人が農作業の手を休めてやってきた。
「民主党が戸別所得補償で農家を建て直す」「後期高齢者医療制度はけしからん」。そんな話をした小沢氏に「所得補償をすれば、零細農家が土地を手放さず大規模化は進まない。今の後継者を大事にしないで農業の未来があると思いますか」と質問が出た。
「若者が定着できる社会を作っていかなくてはならない」という答えに質問者は「はぐらかされた」と思った。だが、小沢氏が立ち去った後にはささやき合う人たちがいた。「民主党なら、いくらもらえるのかな」「一度くらい民主にしてもいい」。多くが、出荷も補助金の交付も農協頼みで、ずっと「自民」に投票してきた人だった。
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農業経営のほとんどを「農協」に委ねている農家は多い。特に、農業以外の収入の方が多い第2種兼業農家にとって農協は頼り先だ。その農協は「農業者政治連盟」(農政連)などと呼ばれる政治団体を都道府県ごとに持ち、自民を支えてきた。
「農協の言う通りでしか、やっていけない」と話す富山県の兼業農家の男性(58)の08年の農業所得は137万円。勤務先からの給料の半分にも満たないのに稲作を続けるのは「先祖代々の土地を守るため」だ。米や転作作物の大豆はすべて農協に持ち込む。補助金も農協や集落営農の組合を通じて支払われるから「何でも農協に、となる」のだという。
農業収入を示す書類が男性の言葉を裏付ける。内訳には、3年前の「加工米の精算金」もあれば、2年前の「大豆の配当金」もある。「いつどこで自分のコメが売られたのかもよくわからないんです」。書類も農協がつくった「営農取引明細書」をもとにまとめたものだ。
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そんな農家の農協・自民離れが各地で起きている。その一つが大分県だ。08年、自民を支援する農協系とは一線を画す農民政治連盟が発足。特定の政党を支持しないと決めた。会長になった元自民党県議の後藤利夫さん(85)は「いまの農政は保護が弱い。農家が、民主の『戸別所得補償』にひかれる気持ちがよくわかる」と話す。
青森県農政連は7月、全選挙区を自主投票にすると決めた。松本淳司幹事長(52)は「私たちに寄り添ってくれる政党がほしい」と訴えた。
伏線は昨年3月、津軽半島にある蓬田(よもぎた)村の農協支所に自民の津島雄二氏(79)=引退=や民主の横山北斗氏(45)らを招いた国政報告会だった。70席に200人。「地元米の農協買い取り価格が5キロで千円を切っていること」への不満が人数に表れたのだ。
自民の農業政策を誇った津島氏が先に帰ると、参加者が横山氏を囲んだ。「がんばって!」。東京生まれで政治学者の横山氏は「もっと農業を勉強します」と応じた。
ここぞとばかりに民主が永田町で動く。農協の資金を運用している農林中央金庫がリーマン・ショックで5700億円余の赤字を出すと「公的資金を入れてはならない」と牽制(けんせい)。農協についても「特定の政党のために利用してはならない」とする農協法の改正案を参議院に提出した。
【写真説明】
ビニールハウスを訪れ、農家の人たちにあいさつした小沢一郎氏=6月、熊本県菊池市
【図】
作物別の専業・兼業農家の割合
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