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アッラアアア

宝島 4

2019-01-06 | 宝島 ワンダーランド
目がさめると、相田は古民家風の家の中で横に寝かされていて、体にはタオルケットがかけられていた。

額の上に濡れたタオル。相田の枕元には、お茶が入ったペットボトルが置いてあった。

変な島に漂流して、人を探しにあちこち歩き回って、目のない少年と出会って、それから、、、

どうやら暑さで亡くなるのは免れたらしい。
少年は?ここは?いろんな疑問が次々と湧いてきた。

起き上がると、障子を隔てた部屋の向こうから、おばあさんが声をかけてきた。

体調はどうだい?
お腹は空いてないかい?
突然倒れたっていうから、驚いたよ。

おばあさんの言葉に返答しなくちゃ、と、思うとともに、
やっと普通の人に出会った。とりあえず助かったんだと相田は心から安心した。

相田はおばあさんにこれまでのことを話した。おばあさんは大変だったね、と慰めてくれた。
早く家に帰りたい、と強くおばあさんに訴えた。おばあさんさそれじゃあしばらく体を休めなくちゃいけないと言った。

たしかに相田は見るからに体調が悪そうだった。真夏の日光に照射され日焼けした額は皮が剥け始めていた。


警察を呼んでくれ、とおばあさんに頼んだとき、おばあさんは、何のことかわからないような顔をした。
何度言っても、はてえ?と言ったような顔をするので、とりあえずその場は諦めることとした。

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