西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

地震火災を甘くみるな、室崎益輝さん主張

2012-08-24 | 地域居住学
今日の『朝日新聞』大阪本社版の13ページの「インタビュー」欄で、室崎益輝さん(関西学院大学災害復興制度研究所長)がかなり詳しく「地震火災を甘くみるな」と主張している。尤もだと思う。

室崎さんは、灘高の出身、その後、京大工学部建築学科、同大学院に進み、京大助手から神戸大に転出、神戸大教授として阪神淡路大震災に遭遇、全力で対応、その後、消防庁消防研究センター所長を経て現職だ。実は室崎君(と言わして貰うの)は僕の京大での3年後輩である(からだ)。

研究室は、堀内研で計画系、堀内三郎先生は都市火災研究のパイオニア、その伝統を引き継いでいるので火災のメカニズムが分かっており「地震火災を甘くみるな」と主張しているのだ。

とにかく1頁弱の詳しいインタビュー、是非、図書館ででも読んだ頂きたい。

気に止まった主張:首都直下地震(将来30年で70%の確率で起こると言われている)が起こると火災で6200人しか死なないという政府等の予測に対して、データーの集め方、使い方を批判しつつ室崎さんは「10万人にも達するのでは・・・」と言っている。

また室崎さんは「東日本大震災で原発事故を引き起こした構図と同じです。『最悪の事態は起きてほしくない』という気持ちがリスクと正しく向き合わず、予測される被害実態から目をそらそうとしているのです。巨大津波など来るはずがないと片付けた原発のケースと同じという意味です。」とピシャリと言っている。 政府、東京都は、この批判に対して今後どう対応するのか見守りたい。

で、途中飛ばして、対応はどうするか、だが、いくつか提案している。
「地震の揺れを感じたらブレーカーが自動的に落ちて電気を消す仕組みが必要です」

「何よりも街の中に緑を増やすことが重要です。街路樹には火に強い樹種(それは何か?・・・僕の関心)を増やし、生け垣や敷地に木を植えて、緑の力で延焼速度を抑える。これからは人口も減るので、建て詰まりを減らし、延焼遮断帯をつくってはどうか。米国のシカゴ市で大火の後、グリーンベルト地帯を網の目のように市街地に張り巡らしました。こうしたシカゴの事例などに学んだ街づくりをするべきです。」

延焼遮断帯を、もう少し「発展」させて、延焼遮断空間兼復旧・復興空間として現状空間との対比で都市状況に応じて広狭様々な「市松模様」空間(紺色部が現状、白色部が延焼遮断空間兼復旧・復興空間)風の都市計画をしたらどうか。(私のアイデア

他に恐らくソフトな「逃げる」ということも取り入れ、場合によって皇居前広場だけでなく皇居内空間も活用すべきであろう、と彼は思っているのではないだろうか。

もしそうなら賛成である。具体的なありかたは更に持続的に追求していこう。

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