西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「つながり」の豊かな住居の事例

2009-08-18 | 地域居住学
「つながり」の豊かな、の「つながり」として三つ考えていて、歴史とのつながり、環境とのつながり、そして人々とのつながりである。

○水俣病患者・佐々木つた子さんの家・・・歴史→二階つた子室バルコニーから子ども時代遊び、両親(漁民)も働いていた赤碕港が見えること。環境→同じく二階つた子室バルコニーから不知火海が見えること。人々→同じく二階つた子バルコニーから下の道を行きかう子ども時代からの友達、近所のおばさんと会話が交わせること。

○ユーコート(京都、48戸のコーポラティブ住宅)・・・歴史→平安時代の寝殿造りに似た配置。環境→共用庭に池がある。住棟に「つた」が這い上がっている。人々→寝殿造りの「釣り殿」の位置に集会所がある。

○つなね(奈良、私も「書斎」を持つ23戸のコーポラティブ住宅)・・・歴史→「つなね」という名称自体、『日本書紀』に由来する。環境→雨水を貯めて撒き水等に利用。人々→住みだしてから集会所の設計建設。色々のイベントあり、花見、鯉のぼり上げ、夏祭り、持ちつき、忘年会など。

○自宅(京都、OMソーラー住宅)・・・歴史→「思い出し・思いいれ」の住居。環境→太陽エネルギーの利用(OMソーラー)、浴槽湯のトイレ流し水への利用、緑との「つながり」を意識した窓の配置等。マイナス面→シロアリの発生。人々→前室を「交流室」と想定。親戚が泊まれる部屋。

マイナス「つながり」●超高層住居・・・歴史→ほとんど百年以内のもの。環境→地上の豊かな環境と切れている。人々→地上の人々、近所の人々との「つながり」が希薄。

こういう風に三つの「つながり」の視点から各住居を分析、位置づけしていきたい。

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