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なんでもメモ★もの忘れ防止に特効薬はない

gooブログはじめました。60を超すと記憶力が低下する。好奇心はあるので、忘れないようにメモをしなければ・・・。

2016-04-21 明治座 勘九郎、七之助、菊之助

2016年04月28日 | 読書・観劇・鑑賞メモ

明治座四月花形歌舞伎 昼の部。

勘九郎、七之助、菊之助ら若手俳優がたっぷりと楽しませてくれた。

二つ目の演目 『末広がり』 - 笑いをさそう舞踊です。勘九郎が一生懸命に舞台を務めている姿に感動します。
「末広がり」とは末広の扇子のこと。主人に買い求めてくるよう命じられたが、太郎冠者(勘九郎)はどのようなものかわからないままに買い物に出かける。商人(中村国生)の口車に乗せられて傘を買ってきたことから起きる騒動。とても賑やかな舞台で、回転する傘のうえに毬を乗せてくるくると回す芸の達者さは亡き勘三郎を思い出させる。大変に楽しい舞踊です。

一つ目の演目 『芦屋道満大内鑑 葛の葉』 - 愛してしまった人、子と別れることになった白狐(七之助)の悲しみや嘆きが溢れる舞台です。命を助けられた狐が許嫁の葛の葉姫に化けて子をもうけますが、本物が現れ身を引くことになる。狐の葛の葉は姿を消す前に障子に歌を残します。

 恋しくばたづねきてみよ和泉なる信田の森のうらみ葛の葉

はじめは右手で書きますが、目覚めた子を抱きかかえ左手で中の句を書き、子をあやしながら筆を口に咥えて下の句を書くところは拍手喝采。

この演目は平成25年7月に国立劇場で観たときは中村時蔵の葛の葉です。当時の劇評で、玉三郎に続く女形の台頭が待たれるが、時蔵、芝雀、福助がその候補者として挙げられ、「錦絵思わす時蔵の美しさ」と評された。今回の七之助の葛の葉はぎこちないところもあるかもしれないが、時蔵らに続く役者として期待される存在になっていると思えました。

三つ目の演目 『女殺油地獄』 - 近松門左衛門の名作、菊之助の河内屋与兵衛はひ弱で身勝手な姿を表わしました。平成26年4月金毘羅歌舞伎で観た染五郎は、確信犯の悪人ぶりを前面に出した像でしたが今回の人物像は成り行きで殺してしまう、最近の若者犯罪を表現しているかのようでした。

勘九郎、七之助、菊之助 - 若手三人の舞台はこれからも楽しみです。

 

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2016-04-12 万博記念公園(太陽の塔+民族学博物館)

2016年04月15日 | 読書・観劇・鑑賞メモ

春の関西弾丸旅行・千里編です。

当日は快晴。青空に太陽の塔が凛々しく立っていました。

万博記念公園の開園時刻 9:30よりも少し早く着いてしまいましたが、入場口には同世代のおじさんたちがカメラを持って開園を待っています。

中央口を通るとすぐに太陽の広場、太陽の塔がすっくと立っています。みなさん(私も)、当然にカメラを向けます。

太陽の塔を眺めていると、なぜかニコニコしてきます。太陽の広場の奥のお祭り広場を抜けると国立民族学博物館です。

園内の地図

1970年万博の総合プロデューサー岡本太郎が世界各地から蒐集させた民族資料(仮面その他いろいろ・・)を太陽の塔の中で展示したとのことですが、それらの蒐集品を現在展示しているのが民族学博物館です。岡本太郎は芸術家として有名ですが、民族学者でもあります。

これらの仮面は、東京では2014年2月~6月に国立新美術館で『イメージの力 The Power of Images』展で展示されたものです。もう一度見たいと思っていました。

また、「アイヌ文化と縄文文化」に最近興味を持ち始めていたところ、『夷酋列像』の特別展が民族学博物館で開催中(2月25日~5月10日)と知り、是非とも行くべしとなりました。

この『夷酋列像』はフランス・ブザンソン美術館が所蔵しているもので、その展示は4月19日までの期間限定(フランスで所蔵されるに至った経緯は不明だそうです)。たまたま文楽観劇の日程とあわせることが出来て大変にラッキーでした。

 

 

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2016-04-11 文楽 『妹背山婦女庭訓』

2016年04月14日 | 読書・観劇・鑑賞メモ

国立文楽劇場(大阪)の四月文楽公演を見てきました。この演目は、昨平成27年9月に国立劇場(半蔵門)の公演でも見ました。

大阪まで文楽を観に行くとはなんと気儘なことですが、2等席が2400円とは嬉しいです(東京の半額ですね)。

格安旅行の一人旅なので気儘に動いて、太陽の塔+国立民族学博物館(夷酋列像特別展)も目的にしました(おまけに造幣局の桜の通り抜けも体験してきました)。

http://www.ntj.jac.go.jp/assets/images/bunraku/gazou/H2804bunraku_arasujiomote.jpg

前回は四段目に絞った演目でしたから、他の段は解説パンフやイヤホンガイドであら筋として紹介されました。今回は省略された部分をたっぷりとみることができました。お三輪の遣い手は今回も勘十郎さん(お三輪が振り返りながら崩れ倒れる後ろ姿がとても艶めかしい)。

ストーリーはチラシを。

http://www.ntj.jac.go.jp/assets/images/bunraku/gazou/H2804bunraku_arasujiura.jpg

この物語は天智天皇+藤原鎌足による蘇我入鹿討伐の物語ですが、今回と前回をあわせてみると、大きく3つのストーリー・見せ場で構成されています(いるようです)。

1つ:「鹿殺し」(二段目)

猟師の芝六が禁猟とされている鹿を殺し、忠義のために実の子を殺すという筋。

2つ:「妹山背山」(三段目)

恋の成就のために死を選んだ久我之助と雛鳥。ふたりの親がせめて相手の子の命を助けてやりたいと思い、わが子の命を絶つことを選ぶというのが筋。

文楽は、太夫と三味線が舞台の右側(上手)に張り出した「出語り床」で語るのですが、三段目に限っては舞台の左側(下手)にも「出語り床」が作られました。初めて両側に床があるのをみました。この段特有の趣向とのことです。上手の背山(久我之助側)は男性的な、下手の妹山(雛鳥側)は女性的な語り口の掛け合いです。

3つ:「お三輪の恋」(四段目)

求馬(もとめ、実は藤原淡海)に恋した町の娘お三輪の恋が求馬・鱶七によって入鹿討ちに利用されるという筋。

 

文楽は、忠義のための不条理の死を扱っていますが、親の心・この心・人の情を熱く描いているので何度も見たくなります。

『妹背山婦女庭訓』を通しで見たかったのは、『竹本住太夫 文楽のこころを語る』を読んで思いが増しました。

 いちばんの見所聴き所は、なんといっても三段目の≪山≫、物語のクライマックスですからね。こんな結構な≪山≫を掛け合いで語って、お客さんを居眠りさせたら、太夫の責任です。(文春文庫版p154)

 

 

 

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2015-12-3 文楽 三十三間堂棟由来

2015年12月05日 | 読書・観劇・鑑賞メモ

NHK 100分de名著でも紹介されたラフカディオ・ハーンの『日本の面影』(池田雅之訳、角川文庫、初版2000年9月)は、ハーンの世界に引き込む和訳の美しさがある。おおくの随筆の中(「日本の庭にて」)でハーンは樹木には魂があるという日本の考え方とともに伝説を紹介している。京都の武家屋敷の庭に生えていた柳の木の物語りである。その木の霊は美しい女に姿を変え侍の妻となり可愛い男の子を授かったが、三十三間堂の修復のため主君の命により木を伐ることになった・・・・。

兵庫に「おりゅう柳」という伝説もある。筋はハーンが紹介するものと同じである。 https://www.hyogo-c.ed.jp/~rekihaku-bo/historystation/legend3/html/pdf/014-l.pdf 三十三間堂の建立をめぐって多くの木が伐られ、多くの伝説が生まれたようだ。

文楽の舞台は、熊野。横曽根平太郎(梛の生まれ替り)と妻お柳(人の姿に変えた柳の精)、息子みどり丸の別れの物語り。 

時の権力者 白河法皇の頭痛は前世である蓮華王坊の髑髏が柳の木に残っていることが原因であり、この柳を使って都にお堂を建て、遺骨を安置すれば治まる・・・そのために柳を伐ることになる。それまでのあらすじには、熊野の山中で修業を続ける修験者蓮華王坊は、仲睦まじ気な梛(なぎ)と柳の木の枝が修行の邪魔になるとして、梛の木を切ってしまう。ところが蓮華王坊は柳に突き刺さって死んでしまい、後に白河法皇として生まれ変わる、とあります。

この説明はパンフレットに書かれているがわかりにくい。上演資料によると、底本である『祇園女御九重錦』の初段 発端(熊野行場の段)の梗概は次のようである。

熊野権現に立てた百度の大願の百度目となって山に登る蓮華王坊の前で、梛が人の姿になり自分は連理の枝を王坊に切られたが、王坊の功力で人界に生を受けることになったという。梛は、柳が夫婦の仲を裂かれたことを恨んで仇しようとしていると忠告し、魂となって飛び去り、常陸に横曽根平太郎として生まれる。王坊は柳の祟りで慢心を起し、異形の客僧に谷へ落とされ柳の梢に貫かれて死ぬが、その魂は人界に白河法皇として出生する。

髑髏の筋が見えなかったのだが、これでつながった。

 

 

 

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2015-12-5 東海道四谷怪談

2015年12月05日 | 読書・観劇・鑑賞メモ

定式幕が開く前にスッポンから鶴屋南北(染五郎)が登場。初演時(200年前)に『仮名手本忠臣蔵』と併演されていた(知らなかった(-_-;))当時に戻しての構成に戻した。機会があれば変えてみたいと願っていたのだと・・・。染五郎プロデュース?の『東海道四谷怪談』です。塩冶判官の高師直への刃傷事件で家が断絶になり浪々の身となった家臣たち。四谷怪談の登場人物は塩冶家、高家いずれかに縁ある人々(筋書きはチラシ裏)であり、人々の運命を残酷に描いた演目です。

初演時は初日(一日目)が、『忠臣蔵』大序~六段目、『四谷怪談』浅草境内~堀。

後日(二日目)が、『四谷怪談』堀、『忠臣蔵』七段目・九段目・十段目、『四谷怪談』三角屋敷~蛇山庵室、『忠臣蔵』十一段目。

今回の公演は初演がイメージできるように、発端「鎌倉足利館門前の場」が忠臣蔵からの導線をあらわし(今回のための創作だという)、序幕「浅草観世音額堂の場」から大詰「本所蛇山庵室の場」までの三幕九場が『四谷怪談』であり、大詰第四場「高師直館夜討の場」は屋敷内の立ち廻りと由良之助(染五郎)ら四十七士を見送る右馬之丞(幸四郎)の場面で『忠臣蔵』に繋がりになっている。初演当時を十分に味わえる構成を堪能しました。舞台両側の壁面が浪士揃いの衣装の模様になっています(凝っていますね)。

戸板返し、三役早変わり、お岩の宙吊り。「蛇山庵室」は息つく間もなく舞台に引き込まれます。・・・・染五郎がますます輝いてます。

 

 

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