きょうは、日本全国で猛暑だった。千代田区隼町(半蔵門)にある国立劇場の周辺も、10時過ぎにはアスファルトの照り返しがきつかった。
娘が留守番をしてくれたので、当初の予定どおりに7月歌舞伎鑑賞教室にでかけた。歌舞伎の面白さが判ってきたような気がして、先月の鑑賞教室に続いての観劇となった。
国立劇場の上下に動く綴錦織の緞帳は「四季草花図」というようだ。先月は黒・萌黄・柿の3色の左右に引く幕(定式幕)しか見られなかったので、とても華やか。舞台観劇の楽しみの一つになっている。
粗筋は、ちらし(裏面)に詳しく書いてあるので省略しますが、安倍保名の妻・葛の葉(実は、保名が助けた狐の化身)が主人公のドラマです。
妻になって6年暮らしているところに、本物の葛の葉姫(人間)が訪ねてくるところから、第一場が始まる。ここでの見どころは、妻と姫の二役を中村時蔵が演じるが、その変わり身の速さが見もの。
第二場では、保名と子供を置いて家を出ようと障子に別れの句を書くときに、鏡に映したように裏返して書き、左手に筆をもったり、童子を抱えながら筆を口に銜えたり、とアクロバチックな書き方も話題になっている。
「恋しくば 尋ねきてみよ 和泉なる 信田の森の うらみ葛の葉」
しかし、第三場「信田の森道行の場」、二人の奴に絡まれる場。狐の化身姿で舞う時蔵さんは艶やかというのでしょう。とても華麗でした。狐であることを表す手の動き(狐手)をしながら、花道から退場していくところでは、つい身を乗り出してしまった。
というのも、本日も3階席(2等席、1500円)でした。舞台はとてもよく見えたのですが、花道はスッポンはみえますが半分程度。値段に割には満足でした。