国立劇場で毎年恒例の社会人歌舞伎鑑賞教室です。ことしの6月公演は「ぢいさんばあさん」。
解説は、中村虎之介くんです。父が扇雀、祖父が藤十郎です。この写真はいつごろのものでしょうか。本日は真っ暗闇の観客席から、すっくと立ち上がってのご挨拶から始まりました。
歌舞伎を観るのがはじめての方向けの公演ですから、荒事、世話物、女形・・・と説明をしていくのですが、「かわいい」「りりしい」と、観客のおばさま方からため息吐息が漏れておりました。
『ぢいさんばあさん』のお話は、新婚まもない若夫婦が別れ離れになり37年後に再会するというお話。妻の弟の不始末により夫が京に一年間駐在することになったことから始まる。
その夫 伊織(中村橋之助)は、隣人の囲碁仇とともに京にいくのだが、酒席での過ちで隣人を死なせてしまう。その咎めにより遠国の大名に預けられることになる。
妻るい(中村扇雀)は、生まれたばかりの一子を疱瘡で亡くしてしまい、それを機にやはり遠国の大名家に勤めることになる。
そして、37年が過ぎた・・・・・・。
ふたりは、もともと住んでいた我が家を守っていた弟の息子夫婦が待つ我が家に37年ぶりに帰ってくることとなる。
新居を構えたときに植えた桜は、枝を大きく広げて満開の日のこと。
この鑑賞教室はとても安価で、時間も短く気楽に観劇できるのがメリットだ。
きょうは、2列目の中央席。舞台も、虎ちゃんもよーーーく見えました。
『ぢいさんばあさん』は、六代目勘九郎襲名披露の二月大歌舞伎・新橋演舞場(平成24年2月)でみました。三津五郎(伊織)と扇雀(るい)。このときも扇雀でした。このときの公演では、亡き勘三郎による襲名披露の口上があり、『鈴ヶ森』にも出演していました。