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土壌のプルトニウム 遠くに飛ばず、人体に影響ないレベル

2011-03-31 09:42:27 | ■福島原発事故

土壌のプルトニウム 遠くに飛ばず、人体に影響ないレベル

産経新聞3月30日(水)22時41分

 東京電力福島第1原子力発電所の事故で、敷地内の土壌から微量のプルトニウムが検出された。健康や農作物に影響はないのか。疑問をまとめた。

 Q プルトニウムとは

 A 天然ではほとんど存在しない放射性物質で、呼吸などで体内に入ると骨や肺に沈着し、強い発がん性を帯びる。半減期は非常に長く、体内に入ると放射線を出し続け、排出されにくい。核分裂を起こして膨大なエネルギーを出すため核兵器の材料にもなる

 Q 健康への影響は

 A 28日に検出されたうち事故の影響と考えられるのは2カ所で、濃度は高い方で土壌1キロ当たり0・54ベクレル。過去、海外の核実験の際に国内で観測されたのと同じレベルで、東電は「通常の土壌中の濃度と同じ。人体に問題になるものではない」と説明している。経済産業省原子力安全・保安院や専門家も「ただちに健康に影響はない」との見解だ

 Q どこまで飛んでいるのか

 A プルトニウムは重い元素で、今回は遠くには飛んでいないと考えられている。また、プルトニウムが出す放射線「アルファ線」は、人体に影響は大きいものの空気中では3センチも進めず、紙1枚で遮ることができるとされる。ただ、東電は今後も土壌を定期的に採取して調べるという

 Q 土壌の放射性物質が周辺の農地や農作物に与える影響も心配だ

 A 土中の水分からの吸収は、葉もの野菜のように空気中の放射性物質が直接付着するより少ないと考えられている。半減期が8日と短いヨウ素や、現状では広範囲に広がっていないとみられるプルトニウムより、半減期が約30年のセシウムが問題になる。だが、土壌については、どの程度なら安全なのかといった基準値がないのが現状だ

 Q どう安全を確保する

 A 現在、農林水産省が過去の研究データなどを基に、土から作物に放射性物質が吸収される度合いを算出している。それを国の暫定基準値や各地の農地から検出された放射性物質の量などと照らし、作付けしても安全かどうか、都道府県に知らせる方針だ。まずは春の田植えを控えたコメを対象に、セシウムについて調べたいとしている

 Q 収穫物が本当に安全か分からない

 A 原発からの放射性物質の排出がなくならない限り、状況は変化する。農水省は、収穫後も検査が必要だろうとしている

 


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