突っ込みを入れるところが最も少なく、事件に忠実に書かれた地元の大手新聞社の記事を見つけた。
中日新聞CHUNICHI Webの記事
ゴルフ場逃げ込み、麻酔打たれ池で
ゴルフ場内を逃げ回るシマウマ=23日午後0時30分、岐阜県土岐市で
愛知県瀬戸市片草町の乗馬クラブ「三国ウエスト農場」から逃げたシマウマは23日朝、約3キロ離れた岐阜県土岐市妻木町のゴルフ場「名岐国際ゴルフ倶楽部(くらぶ)」に逃げ込んだ。岐阜県警多治見署員や所有者の男性(43)ら約20人から5時間半にわたって逃げ回ったが、獣医師に吹き矢で麻酔を打たれ、同日午後、池に倒れ込んで死んだことが確認された。
署によると、シマウマは2歳の雄で体高1.2メートル、体重200キロ。22日夕に別の場所から乗馬クラブに移送されたばかりだった。クラブ内の金網で囲われたスペースに入れられた直後に興奮して暴れだし、木製の出入り口に体当たりして隙間から逃げ出した。
所有者の男性とクラブ従業員らが追ったが、土岐市鶴里町のキャンプ場付近で見失い、署に通報した。
23日朝になって、シマウマが同町の国道363号の路上にいるのを通行人が発見。署員が追ったところゴルフ場に逃げ込み、コースの芝生の上を走ったり池に入って泳いだりした。署員らは麻酔が効いておとなしくなるのを待ったが、シマウマが池に入って倒れたため引き上げた。獣医師によると、死因は溺死。
所有者の男性は「慣れたら移動動物園で公開するつもりだった。本当に残念です。お騒がせして申し訳ない」と話した。乗馬クラブの役員の男性(37)は「シマウマを飼うのは初めてで、準備と勉強が足りなかった」と悔やんでいた。
(2016年3月24日)
http://opi-rina.chunichi.co.jp/topic/20160324-2.html
アンダーラインを引いたところがイケている。警察の「捕獲時に心臓が止まっていた」も入れてくれたら最高だ。
軽トラに載せられたバロンはあの後どこに連れていかれたのか。酷なことをあえて書くと、薬が大量に入っているので肉としては使われず、家畜専門の焼却場で解体された後、焼却されたのだろうと思う。今回は公立の動物園でさえ、人知れずどこかに売られていく動物は少なくはないのだと、知ることができた事件だった。
ライオンやトラなどを見て人間が楽しむために、猛獣たちの餌が必要になる。そのために殺されなければならない命たちは数え切れないほどになる。バロンはそれらの餌として処分されるという運命ではなかったのが幸運だったのだとは一概には言えないと思う。1918時間にもわたる孤独と恐怖を味わわなければならなかったからだ。
妄想が入るがこんな感じだったかもしれない。誰の言葉かは想像に任せたい。
「雄のバロンはそろそろ一緒に飼えなくなるね。どこかないですかね。」
「○山さんは遠すぎて、また何かあるといけないから無理らしいです。」
「妹のヒデミは1歳で貰い手が決まったけど、やっぱり、雄のバロンはなかなかみつからないなあ。」
「小さな移動動物園だけど、シマウマ欲しがっている人がいますよ。今度、聞いてみますね。」
「ほしいけど、すぐ飼えるような場所が用意できないんですよ。でも、知り合いの乗馬クラブが預かってくれるかもしれないな。聞いてみるから、ちょっと待っててくれます?」
「けっこう人に慣れてるシマウマらしいんだけど、飼うとしたら、移動動物園で使えるようになるまで、預かってもらえないかな?」
「大きさはどれくらい?120センチだったら小さいね。大丈夫と思うよ。やってみるわ。」
「助かります。一度見てきますね。」
「調教兼ねて預けられる場所はみつかりました。一度そのシマウマ見せてもらえます?」
「この人がシマウマほしいって言ってるGのSさん。近くで見せてもらっていいです?」
「おとなしそうですね。調教すれば私にも飼えそうですね。」
「まだ子供だから、慣れやすいからね。予算はいくらぐらいですか?じゃあ○○円でどうでしょう?」
「そうですね、○○円なら。」
「わかった。では、成立ということで。動物園の方にはさっそく連絡しておきますわ。」
「引き取ってもらえるの?ああ、よかった。ただじゃまずいんで、かわりにほかの動物を連れてきてよ。」
「じゃあ、これとこれと交換ということで、契約書作りましょう。」
「シマウマが来ることが決まったんだ。期間はどれくらいかかるかわからないけど、しばらくそちらで頼みますね。」
「お宅の輸送車に慣れさせなきゃいけないので、何回か動物園で訓練しましょう」
「わかりました。お手数お掛けします。よろしくお願いします。」
「調子はどうですか?」
「順調に訓練が進んでます。もう、大丈夫みたいですので、予定通り、22日に引き渡しお願いします。」
3月22日天王寺動物園を出発したバロンは高速に乗って、愛知県瀬戸市のM乗馬クラブへ到着した。そして、悲劇の逃亡劇が幕を開けるのだった…ということなのかもしれない。
バロンの名誉のために書いておきたいことがある。
バロンは天王寺動物園が言うように、ある程度人慣れしていた。人は餌をくれて、危害を加えない存在だと信頼していたようだ。それを伺える様子が映像のいたるところに映っていたと思う。バロンたちは飼育員にもかなり近寄ることができていたことがわかる。決して人に攻撃を仕掛けてくるような危険な猛獣ではなかった。
http://blogs.yahoo.co.jp/nakajima_neko/35099510.html?__ysp=44K344Oe44Km44OeIOODkOODreODsw%3D%3D
数々のニュース映像を見ると、バロンは自分からは決して人を襲ったりしていなかった。上着でたたかれた時やロープがかけられようとした時、人が後ろに近づいて何かをしようとした時に蹴っただけだ。それなのに、バロンが蹴ったり咬んだりする危険な動物だというような扱いで、恐る恐る接していたので、作業がなかなか進展しなかったのではないだろうか。シマウマは獰猛で逃げたら大変だから、とりあえずゴルフ場内で隔離しながら、お散歩していようみたいな絵図だった。
人間にはお散歩のようなものでも、バロンにとっては地獄でしかなかったと思う。母親も仲間もいない状態は群れで暮らしていた草食動物にとっては、いくら似たような場所にいても、ただただ地獄でしかなかっただろう。
「シマウマさん、最後にサバンナを駆け回るように思いっきり走れて良かったね...」というのは人間サイドのエゴイスティックな思い込みなのだ。バロンは自由を求めていたわけではない。生きるために仲間が必要だったのだ。差し出されたおいしいそうな餌さえも無視したバロン。
総勢50人もいたであろう、得体のしれない器具や、見知らぬ矢を刺して来る怖い人間たちから逃げ惑いながら、母親や担当飼育員を探していたのかもしれない。まずはバロンというシマウマの情報を集めて、彼の心の内を理解しようとすることから、はじめてほしかった。
真っ暗な森で独りぼっちで、どんなに心細かったことだろう。いくら探しても仲間はいない。池は人間が近づいてこないから、苦手だけど何度も飛び込んで逃げた。長い紐と長い棒で何度も怖い思いや、痛い思いをして逃げまわったけど、ついに体が痺れ、力が入らなくなってしまったバロン。
明らかに弱々しくなって溺れていたのに、誰も助けようとしないのはなぜ?。心臓マッサージを受けるまだ1歳だったバロンの体格を獣医たちと比べてみてほしい。何の罪もないのに見殺しにされてしまったのはなぜ?
ひとりぼっちでも、最後まで生きようと頑張ったバロンを褒めてあげてほしい。
中日新聞CHUNICHI Webの記事
ゴルフ場逃げ込み、麻酔打たれ池で
ゴルフ場内を逃げ回るシマウマ=23日午後0時30分、岐阜県土岐市で
愛知県瀬戸市片草町の乗馬クラブ「三国ウエスト農場」から逃げたシマウマは23日朝、約3キロ離れた岐阜県土岐市妻木町のゴルフ場「名岐国際ゴルフ倶楽部(くらぶ)」に逃げ込んだ。岐阜県警多治見署員や所有者の男性(43)ら約20人から5時間半にわたって逃げ回ったが、獣医師に吹き矢で麻酔を打たれ、同日午後、池に倒れ込んで死んだことが確認された。
署によると、シマウマは2歳の雄で体高1.2メートル、体重200キロ。22日夕に別の場所から乗馬クラブに移送されたばかりだった。クラブ内の金網で囲われたスペースに入れられた直後に興奮して暴れだし、木製の出入り口に体当たりして隙間から逃げ出した。
所有者の男性とクラブ従業員らが追ったが、土岐市鶴里町のキャンプ場付近で見失い、署に通報した。
23日朝になって、シマウマが同町の国道363号の路上にいるのを通行人が発見。署員が追ったところゴルフ場に逃げ込み、コースの芝生の上を走ったり池に入って泳いだりした。署員らは麻酔が効いておとなしくなるのを待ったが、シマウマが池に入って倒れたため引き上げた。獣医師によると、死因は溺死。
所有者の男性は「慣れたら移動動物園で公開するつもりだった。本当に残念です。お騒がせして申し訳ない」と話した。乗馬クラブの役員の男性(37)は「シマウマを飼うのは初めてで、準備と勉強が足りなかった」と悔やんでいた。
(2016年3月24日)
http://opi-rina.chunichi.co.jp/topic/20160324-2.html
アンダーラインを引いたところがイケている。警察の「捕獲時に心臓が止まっていた」も入れてくれたら最高だ。
軽トラに載せられたバロンはあの後どこに連れていかれたのか。酷なことをあえて書くと、薬が大量に入っているので肉としては使われず、家畜専門の焼却場で解体された後、焼却されたのだろうと思う。今回は公立の動物園でさえ、人知れずどこかに売られていく動物は少なくはないのだと、知ることができた事件だった。
ライオンやトラなどを見て人間が楽しむために、猛獣たちの餌が必要になる。そのために殺されなければならない命たちは数え切れないほどになる。バロンはそれらの餌として処分されるという運命ではなかったのが幸運だったのだとは一概には言えないと思う。19
妄想が入るがこんな感じだったかもしれない。誰の言葉かは想像に任せたい。
「雄のバロンはそろそろ一緒に飼えなくなるね。どこかないですかね。」
「○山さんは遠すぎて、また何かあるといけないから無理らしいです。」
「妹のヒデミは1歳で貰い手が決まったけど、やっぱり、雄のバロンはなかなかみつからないなあ。」
「小さな移動動物園だけど、シマウマ欲しがっている人がいますよ。今度、聞いてみますね。」
「ほしいけど、すぐ飼えるような場所が用意できないんですよ。でも、知り合いの乗馬クラブが預かってくれるかもしれないな。聞いてみるから、ちょっと待っててくれます?」
「けっこう人に慣れてるシマウマらしいんだけど、飼うとしたら、移動動物園で使えるようになるまで、預かってもらえないかな?」
「大きさはどれくらい?120センチだったら小さいね。大丈夫と思うよ。やってみるわ。」
「助かります。一度見てきますね。」
「調教兼ねて預けられる場所はみつかりました。一度そのシマウマ見せてもらえます?」
「この人がシマウマほしいって言ってるGのSさん。近くで見せてもらっていいです?」
「おとなしそうですね。調教すれば私にも飼えそうですね。」
「まだ子供だから、慣れやすいからね。予算はいくらぐらいですか?じゃあ○○円でどうでしょう?」
「そうですね、○○円なら。」
「わかった。では、成立ということで。動物園の方にはさっそく連絡しておきますわ。」
「引き取ってもらえるの?ああ、よかった。ただじゃまずいんで、かわりにほかの動物を連れてきてよ。」
「じゃあ、これとこれと交換ということで、契約書作りましょう。」
「シマウマが来ることが決まったんだ。期間はどれくらいかかるかわからないけど、しばらくそちらで頼みますね。」
「お宅の輸送車に慣れさせなきゃいけないので、何回か動物園で訓練しましょう」
「わかりました。お手数お掛けします。よろしくお願いします。」
「調子はどうですか?」
「順調に訓練が進んでます。もう、大丈夫みたいですので、予定通り、22日に引き渡しお願いします。」
3月22日天王寺動物園を出発したバロンは高速に乗って、愛知県瀬戸市のM乗馬クラブへ到着した。そして、悲劇の逃亡劇が幕を開けるのだった…ということなのかもしれない。
バロンの名誉のために書いておきたいことがある。
バロンは天王寺動物園が言うように、ある程度人慣れしていた。人は餌をくれて、危害を加えない存在だと信頼していたようだ。それを伺える様子が映像のいたるところに映っていたと思う。バロンたちは飼育員にもかなり近寄ることができていたことがわかる。決して人に攻撃を仕掛けてくるような危険な猛獣ではなかった。
http://blogs.yahoo.co.jp/nakajima_neko/35099510.html?__ysp=44K344Oe44Km44OeIOODkOODreODsw%3D%3D
数々のニュース映像を見ると、バロンは自分からは決して人を襲ったりしていなかった。上着でたたかれた時やロープがかけられようとした時、人が後ろに近づいて何かをしようとした時に蹴っただけだ。それなのに、バロンが蹴ったり咬んだりする危険な動物だというような扱いで、恐る恐る接していたので、作業がなかなか進展しなかったのではないだろうか。シマウマは獰猛で逃げたら大変だから、とりあえずゴルフ場内で隔離しながら、お散歩していようみたいな絵図だった。
人間にはお散歩のようなものでも、バロンにとっては地獄でしかなかったと思う。母親も仲間もいない状態は群れで暮らしていた草食動物にとっては、いくら似たような場所にいても、ただただ地獄でしかなかっただろう。
「シマウマさん、最後にサバンナを駆け回るように思いっきり走れて良かったね...」というのは人間サイドのエゴイスティックな思い込みなのだ。バロンは自由を求めていたわけではない。生きるために仲間が必要だったのだ。差し出されたおいしいそうな餌さえも無視したバロン。
総勢50人もいたであろう、得体のしれない器具や、見知らぬ矢を刺して来る怖い人間たちから逃げ惑いながら、母親や担当飼育員を探していたのかもしれない。まずはバロンというシマウマの情報を集めて、彼の心の内を理解しようとすることから、はじめてほしかった。
真っ暗な森で独りぼっちで、どんなに心細かったことだろう。いくら探しても仲間はいない。池は人間が近づいてこないから、苦手だけど何度も飛び込んで逃げた。長い紐と長い棒で何度も怖い思いや、痛い思いをして逃げまわったけど、ついに体が痺れ、力が入らなくなってしまったバロン。
明らかに弱々しくなって溺れていたのに、誰も助けようとしないのはなぜ?。心臓マッサージを受けるまだ1歳だったバロンの体格を獣医たちと比べてみてほしい。何の罪もないのに見殺しにされてしまったのはなぜ?
ひとりぼっちでも、最後まで生きようと頑張ったバロンを褒めてあげてほしい。