命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

円山動物園マレーグマ虐待死亡事件/脱走シマウマ水死事件/動物虐殺事件/宮古馬放置死事件/上げ馬神事

世界一の動物園?無責任な繁殖

2016年06月26日 01時29分04秒 | 事件
バロンの事件の元凶は安易に繁殖し、いらなくなったら手放す天王寺動物園の無責任な繁殖方針であると思っていたので、バロンの繁殖理由についてどう回答するかが鍵だと思っていた。

一番時間をさくべき繁殖問題については以外にも、大阪市の愛護行政からも天王寺動物園からもたった数行の説明があっただけだった。一番答えづらく、つついてほしくない部分なのはわかるが、以下のように、あまりに誠意がなく、おかど違いな回答で驚いた。繰り返すことになるが、並べて比較してみることにする。

大阪市(動物愛護相談室)からの回答↓

「天王寺動物園では、5度の有識者会議を経て決定されたコレクションプランに基づいて、212種の飼育動物をカテゴリー分けして、繁殖すべき種を定め、みだりな繁殖を行わないこととしており、シマウマは繁殖推進種になっています。(大阪市ホームページ http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000285423.html に会議の経過とコレクションプランが掲載されています)。本プランによると、シマウマの繁殖の目的は展示充実と書かれています。 」


大阪市天王寺動物園(園長)からの回答↓

「グラントシマウマについては計画的な繁殖を行っており、バロンの母親もブリーディングローン(繁殖のための貸し借り契約)に基づき登園で飼育されているものであり、増えるに任せての自然繁殖ではありません。」


どちらも申し合わせたように「シマウマの繁殖については~」と答えるのみに終わっている。愛護団体の抗議が無責任な繁殖に対する広い意味の内容だったとしても、バロンを繁殖したことが問題になることは両組織ともわかっていたはずだ。なのに、この肩透かし的回答はどういうつもりなのだろうか。苦情にはマニュアル通りで、常とう手段のお役所的対応といえばそんな感じなのかもしれない。残念ながら。

客寄せのために子供産ませよか
だけどな、雄だともらい手を探さんとあかんな
種ウマはおるさかいになあ
雌でありますように
残念、もらい手あらへん
探しまひょか?
移動動物園で使いたいんやて
ありがたいなあ
ほな元気でな
えらいこっちゃバロンが逃げたんやて
なんとか捕まえてくれへんとなあ
うちの名前が出んようにせんとあかんわ
ネットで炎上してん
ばれてしもうたわ
このままではすみそうにないなあ
立ち入り指導が入るんやて
心配いらへんわ
なんとかなるやろ

こんなことだろうと思うがとても外部に言えないから、あのようなとぼけた回答になったのだろう。

今回は「無責任な繁殖していませんか?」「していませんよ。」で説明義務を果たしたことにしているようだが、事件を受けての抗議書なので、バロンの繁殖と余剰動物になった経緯をはっきりと説明してほしいと思う。

円山動物園では「年間100万人の来場者」を、天王寺動物園では「世界一の都市型動物園」をそれぞれスローガンとして掲げ、その達成のために無理した結果、動物たちの悲惨な事件を招いているような気がする。それに対しての秘密裏に終わらせようとする姿勢や、このような冷たい対応、身内同士である行政の甘い管理と指導は、心優しき人々をますます動物園から遠ざけさせるには十分なのである。


■なんば・天王寺・あべのエリア 短期の取り組み「世界一の都市型動物園をめざす天王寺動物園」
http://www.pref.osaka.lg.jp/daitoshimachi/granddesign/nanbatennoujiabeno.html

■14年前の天王子動物園シマウマの担当飼育員による生き生きとしたエッセイ
サバンナの動物たち!グランドシマウマ~草原を駆ける情熱の縞模様~
http://www.jazga.or.jp/tennoji/nakigoe/2002/01/sabanna.html



生後1ヶ月のバロン サブグランドにて Photo by 天王寺動物園


飼育下では30年生きるというシマウマ。バロンにも生き続けてほしかった。