旅行を計画する時は、ガイドブックを参考に行程を考えます。書店ではいろいろな旅行ガイドブックが並んでいて、どれを選べばいいのか迷います。
ポイティンガー図は、4世紀のローマ帝国時代の地理情報を含む地図で、16世紀にポイティンガーが原図を基に複写しました。この地図には、道路、宿駅、交易所、鉱泉、巡礼地などが描かれており、実用性が高いのが特徴です。地図は一応北を上にして描かれていますが、都市間の距離を表すために方位が歪められています。距離は図の形からではなく説明文から読み取るようです。西はイベリアから東はインドまでを描いており、中央にはイタリア半島が東西方向に歪められて描かれています。
この地図は、ローマ帝国の伝馬制度「クルスス・プブリクス」を表す実質的な道路地図で、旅行者は街道上に何がどれくらい先にあるかを知る必要があるため、目的地までの行程順を大まかな平行線のつながりで描写しています。クルスス・プブリクスは、ローマ帝国の国営伝馬制度で、皇帝アウグストゥスが、属州間の役人、メッセージ、税金などを移動させるために創設し、後に東ローマ帝国にも継承されました。
ポイティンガー図は、ローマ帝国内を旅行する人々のために作成され、実用されていた地図なのですね。
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