パクス・ロマーナ「ローマによる平和」。2世紀のこの時代、ローマ帝国は最大の版図を拡大し、その人口は最大で7000万人にも達したとのことです。世界地図についてのお話の続きです。
クラウディオス・プトレマイオス(83年頃-168年頃)は、150年頃に著した「地理学」において世界地図を掲載しました。この地図は、等間隔に引かれた経緯線が特徴で円錐図法が用いられています。アフリカは赤道付近まで、東方はインドより先のマレー半島までが描かれていて、世界観の広がりを感じます。しかし、当時は正確な時計が無かったため、東西方向の距離が実際よりも長めに描かれていたそうです。それから、インド洋が内海として描かれていて、アフリカとインドが繋がって描かれていました。これについてはアフリカとインドでワニやゾウなどの共通の動物がいたことからの誤解であるとする説があります。おもしろいですね。
プトレマイオスの「地理学」には、世界地図1枚と地方図26枚が付けられていましたが、プトレマイオス自身が作成した地図は失われています。しかし、これらの情報を基に再構成され、現存する最古のプトレマイオス図は12-13世紀に制作されたものだそうです。描かれていたのは全世界の4分の1程度です。
プトレマイオス図は、15〜17世紀の「大航海時代」になって注目を浴びるようになり、コロンブスやマゼランといった探検家たちが、この世界地図を頼りに、世界の海を航海するようになったといわれています。
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