新宿バルト９

新宿バルト９

公開している館数が極端に少ない映画　『劔岳　撮影の記』。
関東の上映場所は、大都会新宿でした（この後、いくつか増えているようですので、先の記事でご確認下さい）。

三丁目と名が付いた新宿とはいえ、埼玉の片田舎から大都会に突入するのは、なかなか勇気がいります。仕事以外で都会に出る自体が少ないですから、都会でも大丈夫そうな一張羅を探し出してドキドキしながら出掛けました。
それにしても、上映時間が9時10分からのみというのは、どうなのでしょう。山ヤの方が主に見に来られることを想定して時間を考えた上映館側の配慮・・・と言われると納得してしまいそうですが、さすがに山登りをしない日くらいは、のんびりしたいのが正直な所。新宿が家からそんなに近いわけでもありませんし、観客にまで苦行を強いる映画ということなのかもしれませんね（いや、違うって）。

開館場所が少ないからか、たまたま自分が確認した日が混んでいただけなのか、先週の15時30分開始の時には、満席の時もありました。そのことでちょっとビビっていたので、朝一で出掛けて見られなかったというブログネタとなるような喜劇（悲劇？）にしないよう、事前予約をしておいたのですが、さすがに朝一は満席になっておらず、◎の空席あり状態となっていました。やや拍子抜けしながら、ちょっと早いながら指定の部屋に向かったのでした。

入ってみると、結構収容人員が大きめの部屋のようでした。
当然、人気はスクリーンから正面ど真ん中。ご多分に漏れず、真ん中だけが満員御礼になっておりました。混んでいる混んでいないをあまり意識しないまま、癖でチョイスした左後方でしたが、人払いをしたかのように、綺麗にその場所だけ誰もいないのです。よくよく見ていると、真ん中区画以外の座席は、示し合わせたように誰も座っていなかったのです。最前列が人気が無くて誰も座っていないのは、よくある光景ですが、こうも綺麗に真ん中に密集しているのは、ちょっと珍しい部類に入ります。どこかの団体さんか何かかと思えてきますが、バラバラ座る様子を見ていると、そんなことでも無さそうです。

自分の座席は、「Ｎ－１」。左後方の最前列です。
人気の無さを表すかのように、そのゾーンの一番最初の席が確保されていました。場所的には、足元に入口通路があるような、ちょっとせり出したスペースですから、映画を見る分には、前方も周囲も意識しなくてよいので、普段であればなかなか良い場所が取れたと喜ぶところです。


しかし


始まる前になっても左後方のこの区画に人が座る気配はありません。それどころか、その前方の区画（左中央）にすら誰も座っていないのです。

・・・いや、なんでしょう、まるでハブにされたかのような、この迫害感は。



ねこ　　　　　　
◎・・・・・・　○○○○○○○○○○
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満席の真ん中ゾーンから通路を挟んで離れること６席。映画館の端っこと仲良くしたオトコが独りポツネンと座るこの寂しい構図は、一体なんでしょう。新手のイジメでしょうか。
映画の内容からかご年輩の方が殆どですが、そんな皆さんから見れば若造が一人、距離をおいて座っているのは、一体どう見えているのでしょうか。別に好き好んで皆さんと離れて座りたかった訳では無いのですが、この微妙な距離感が孤独感をいっそう掻き立てます。自分としては、

「みんなで泣けば感動百倍～、みんなで笑えば興奮百倍～」

なんていうMOVIXの歌に共感しているはずなのに。なのに、なのに・・・。
こんな大都会の真ん中で孤独を感じるとはつゆ思わず、何だか悲しくなってきたので、そんなポツネンさんを見る皆さんのリアクションを直視することが出来ずに、本編開始まで狸寝入りをせざるを得ませんでした。

「混んでても　映画は真ん中　狙うべき」

と初めて思った三十路の冬。

やっぱり、都会って、怖いところです。