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TAWAGOTO備忘録

映画ゆきてかへらぬ感想1

2025-03-02 15:24:34 | 日常雑記
いや~~~~ゆきてかへらぬ 良かった。
広くおススメできるかといったらできないのですが、文学フリークにはオススメできます。
中原中也フリークと小林秀雄フリークはオススメするまでもなく観にいってるもんな!な!

私は学生時代中原中也を卒論のテーマにしていたので、当時中原、小林、泰子の関係性に関する論文をそこそこ読んでいました。
その上で私から見た彼らって、

・泰子と別れた後の中也の接し方から見て、中也は泰子を庇護したかった、後に芽生える父性の芽を泰子から得た部分があった。
・泰子は小林、中也と関わることで自律・自立を得た。二人の男と別れた後は後ろは振り返らない女性の印象。
・小林はとにかく中原中也を拗らせている(主に詩才への羨望、嫉妬から来る拗らせ)

って印象だったんですが、映画で当たらずとも遠からずの描写があって解釈わりと一致…!となりました。
が、小林秀雄に関しては
小林の中也への矢印が重すぎる
…と私が思う小林のはるか上を行く熱量の小林をお出しされて、いやぁ~~~…見終わった後、私の心の中の川平慈英がずっとくぅ~~~~~~~!!!!!!って唸ってましたね…。上映中もむむむ!ってなりましたね…心に川平慈英を飼うな。

お気に入りシーンのひとつがダンスホールのシーンなんですが、あそこの小林ヤバかった。
三人でニコニコ踊ってたのに、中也が「見合いをする」って言った瞬間スン…ってなって踊るのやめて席に戻っちゃうやつ…。
あんな軽快に踊ってたのに一瞬で腕ダラ~ンってしちゃって表情も死んでて、見てる私はむむむ!ってなっちゃった。
いや普通に考えたらあの態度は「あ~あ、また中原と泰子のギスギスが始まっちゃうよ」って匙投げたと取るのが正解なのかもですが。
それまでの「小林の中原推し強火」描写を見せられてたら
いや泰子がキレる前にいち早くお前がキレ…なのか諦観…なのかとにかく不機嫌になるのなんなんだよ!!!!
ってむむむ!になっちゃったんですよね。

あそこで泰子がキレないパターンも考えられるわけじゃん…実際それまでご機嫌泰子ちゃんだったじゃん。
なのに泰子がキレ出して写真破く前に小林がすでに白けちゃってたわけだから。
「こいつらまたケンカするわ…あ~あ」って態度というより、中也が見合いするって事実にあの態度取ったと思え……いやどうなの???
お前の感情はマジでなんなの?????????
私が学生時代に思い込んでいた中也の詩才への羨望と嫉妬とか…あんま関係なかった気がするよ。才能というより人間中原中也そのものに対する想いが映画の画面から伝わってきて圧倒されたよ。
あの三角関係で一番矢印が重かったの、確実に小林から中也へだったよ。

もっと他にも細かい描写に関して感想言いたいけど長くなっちゃうのでまた別で小出しに…。
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