【70才のタッチ・アンド・ブースト】ーイソじいの”山””遍路””闘病””ファミリー”ー

【新連載】 『四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ』

四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 9 写真は 民宿山茶花 さんでの夕食

2023-01-29 00:49:57 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 発心の道場(徳島県)編
4月29日  20番札所 鶴林寺~21番札所 太龍寺 またしても山登りで大雨。
 小雨のち大雨と強風、のち曇り。5:30起床・荷造り・食事→7:10発→7:25出発点
道の駅→8:00出発→10:00⑳番札所 鶴林寺(雨風強く道は石や木の根)10:55→12:
05水井橋(県道19号)→13:30細野橋→14:05Kさんの車に同乗しロープウェイ下
→14:30ロープウェイで山頂、㉑番札所 太龍寺→15:40ロープウェイ下→16:00Kちゃ
ん宅でお接待17:15→17:20民宿山茶花泊
 昨日の腰痛が回復せず朝から憂鬱な気分。本日は20番鶴林寺、21番太龍寺と2つの
山寺遍路の日というのに朝から雨でますます憂鬱な気分。リタイアも頭をかすめる。
Kさんに電話を入れとりあえず20番の鶴林寺まで、遍路道の山道は避けて車道を登
り、寺でエスケープの相談をするかもしれないと電話する。Kさんは『この雨風やか
ら無理をしないように』言ってくれるが。車道を登りだして“正解”だった。すぐに雨
脚が強くなり簡易舗装道には川のように雨水が流れる。しばらく上ると尾根筋にはか
なりの速さで雲が飛んでいく。昨日同宿だった女性の遍路さん遍路道を行ったが難儀
していないだろうかと思ったが、どうしようもない。ただ、分からないことに自身の
腰痛がほとんど感じなくなり、むしろ快調になってきていることに気付いた。ピッチ
も上がり姿勢もしゃきっとしてきている。快調に気づき『何だったんだろう?』『本
気度や精進とかが試されたのだろうか?』などいろいろ思いめぐらす。快調に気をよ
くして山頂の寺までの八丁石からは遍路道に入った。やはり石畳など濡れていなけれ
ば快適な道なのだろうけど、案の定滑って危ない。風が大木を大きく動かし折れ枝な
ども危ない。とにかく3時間目算のところ、2時間で登り切った。
鶴林寺のお参りの後、納経所で太龍寺の様子を聞くと、今のところロープウェイも動
いているけれど、停止するかもしれないとのこと。そうなると本日不可ということに
なってしまいそう。いろいろケースを考えつつ県道を下り、鶴峠からは登ってきた県
道との逆を下っていく。少し行くと阿南市の看板が出ていて市境を超えたことが分か
る。歩く方は登山口の反対側への下山も65分とますます快調。そうなると下山地点の
水井(すいい)から対岸の21番札所 太龍寺まで遍路道を歩いて登ろう、といった“本
能”のようなのもが湧いてくる。しかしここは冷静に。『今回の目的は登山ではな
い。登山靴でもないし、装備もしていないし、非常食もなく、Tシャツ一枚とポンチ
ョだけ。動けなくなって雨に降られて、この季節でも低体温で命を失う、といった事
故は全く珍しい遭難でも何でもない。』と気を取り直し、県道19号の舗装道路を、ロ
ープウェイ乗り場へと向かった。1時間強ほど歩いていると、ロープウェイ乗り場で
待っていてくれているはずのKさんから電話があり、『水井で待っていたが先にいる
のならそちらへ向かう』とのこと。15分ほど細野橋で待っているとKさんがやってき
た。Kさんの車に乗せてもらい、30分ほどで、太龍寺ロープウェイ乗り場着。間引き
運転のロープウェイのお世話になり、太龍寺にお参りした。20年前は麓に自転車を止
めて歩いて登ったが、当時よりずいぶんと境内も整備されている感じがする。鶴林寺
は逆に遍路道は整備されてきているが、寺は昔のまま、といった感じだったけれど。
 お参りの後、雨も小止みになってきて、Kさんも同窓で職場も同じだった、22番札
所 平等寺近くに居を構えるKちゃん宅へ向かい旧交を深めた。Kちゃんにも、初めて
お会いするパートナーさんともども、心のこもったお接待をして頂いた。相変わらず
一言居士で物事の本質に迫る論調は健在。KちゃんとパートナーさんとKさんと4名で
楽しく談笑後22番札所 平等寺隣の民宿 山茶花へ向かった。
明日は、修行の道場 徳島県最後の23番札所 薬王寺を経て、いよいよ 修業の道場 高知
県へと移動する。
      (本日距離、24.1km  歩数、25,518歩 歩行距離19.19km)


(鶴林寺七丁からの遍路道)


(鶴林寺山門)

(鶴林寺納経所の前)

(鶴林寺から下り、阿南市に入る)

(太龍寺ロープウェイから麓を見る)

(太龍寺は整備された山寺。静寂な境内)


(本日の民宿山茶花さんの夕食)




四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 10 写真はJR牟岐線社内。遍路さんも多い。

2023-01-27 17:33:27 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 発心の道場(徳島県)編
(10日目・4月30日)  22番札所 平等寺~23番札所 薬王寺 本日天気晴朗なれど風寒し。発心の道場・徳島県からいよいよ 修行の道場・高知県へと入る

 天気晴朗、風は肌寒い。5:30起床、準備、朝食→7:50発・22番札所 平等寺
8:20→10:10JR阿波福井(肌寒い。道迷いの挙句列車の待ち時間が長いので
1駅先まで歩いて行く)→19:40JR阿波福井発→10:55JR日和佐着→11:10 23
番札所 薬王寺(徳島県最後の寺)11:40→13:03JR日和佐発→13:38JR阿波海
南駅着→14:06DMV阿波海南駅発→14:32 DMV道の駅東洋町着(DMVは旧JR
線の線路を使用し、レールと道路と両方走れるように改良したバスの路線。当
地の名物で多くの“撮り鉄さん・鉄子さん”がいた)→東洋白浜リゾートホテル
 本日も朝は腰痛が残っていて気にはなったが歩き出すと快調になってくる。
単にロキソニンテープの効果かなあ、とも思わなくもない。平等寺からしばら
くは朝の間は寒かった。
 いよいよ修行の道場、高知県に入るが高知県は長丁場。スケジュールの調整
ともう一つ太平洋に沿った遍路道は集落の間隔が離れている。左は太平洋、右
は山の路が延々と続く。そこに、万万が一津波が来たら大変やばいと遍路の計
画段階から苦慮していた。当地に生活しておられる皆様には大変失礼な、申し
訳ないような思いを持ちつつ結局効率と安心を考慮して公共交通機関を使うこ
ととする。 
 ゴールデンウィークがスタートし遍路さんがにわかに増えだした。それも自
動車での遍路や自転車での遍路、バスツアーが多く、歩き遍路さんは徳島県で
無念のリタイアをされる方が少なくない。リタイアされる方は、区切り打ちの
遍路さんと、通し打ちの遍路さんではフィジカルのこともあるけれど、やはり
多いのは靴が合わずに足の激痛で歩けないといった方が結構おられる。
 私は最強の味方であるカジュアルサンダルのおかげで、ひどい外反母趾と偏
平足で不安ではあったが、無事に難なくクリアして歩き遍路を続けている。通
し打ちの歩き遍路さんもここまでくると皆さん健脚でおられる。しかしリタイ
アとかで歩き遍路さんの数は高知へ入るとかなり減ってきている感じだ。自動
車、自転車、バイク、バスツアーなど全体としてはGWに入って増えてきてい
て、遍路宿や民宿の予約がとりにくくなっているし、料金も“GW価格”で高く
なっているところが多い。初日から出会った歩き遍路さんはバラバラになっ
て、それぞれマイペースで遍路をしておられるようだ。JRやDMVには折り畳
み式のロードレーサーを積んでリラックスしている自転車遍路さんが多く、ま
るでお遍路列車の様相だ。自転車でも区間によっては鉄道を利用するのだな
あ、と思った。結局徳島県では、阿波川島⇒鴨島間、JR徳島⇒阿波赤石と阿
波福井⇒日和佐⇒海南間はJRを利用し、後はすべて歩き通した。
阿波海南⇒甲ノ浦(鉄路)⇒道の駅東洋町(バス)間は、旧JR牟岐線のレー
ルを活用し、レールと道路と両方走れるように改良したバスの路線である
DMVに乗る。DMVは当地の名物で多くの“撮り鉄さん・鉄子さん”が海南駅の
バスから鉄路への切り替え地点にいた。DMVは定員20名の予約制で、その日
はGWでもありかなり満員とのことであったが、幸い空席があり乗ることがで
きた。乗れなかったら東洋町まで、まるまる路線バスで行かざるを得ないし、
時間も1時間40分ほどかかってしまうところだった。
 本日の宿泊は、リゾートホテルで5階建て。場所は甲の浦(かんのうら)の
ビーチにあり、キャンプ場も併設されていて多くの家族連れで賑わっていた。
ビーチには津波避難施設が作られていて、多少の緊張感もある。ゴールデンウ
ィークも重なって、なにやらストイックな遍路修業というより、娑婆に戻った
感じ。あと1週間ほどは仕方がないか。宿泊のリゾートホテルは地元の方が経
営しておられ、レストランは閉鎖し夕食はなし。普段はあまり客もいないとの
こと。コロナがそれに輪をかけているのだろう。遍路宿も休業から廃業へと増
えているらしい。仕方なく近辺の飲食店に行ったがどこも満員で、3件目(最
後の店)でやっとシーフードパスタにありついた。
 甲の浦は前回の自転車遍路の時に、現在は廃路線になっている大阪南港から
のフェリーで下船した場所で、本日四国で唯一の残った未踏の区間、日和佐
(徳島県)と甲の浦(高知県)間が埋められた。明日は眼前の広大な太平洋
(海)と空を睥睨して、空海が自らの名を定めた修行の場所といわれる、御蔵
洞(みくらど)から24番札所 最御崎寺に上り、長大な修行の道場に挑む。
     (本日距離約、56.9km うち歩行、22,581歩  距離、15.8Km)
(民宿山茶花さんの朝食。お接待のお餅とお菓子も頂いた)

(22番 薬王寺を目指して歩いたが・・・)

(2駅歩いて、結局JRのお世話に)

(22番薬王寺境内からの日和佐の街並み)

(海南からは、鉄・道路両用のDMV)

(鉄道モードからバスモードへと切り替え)

(甲ノ浦ビーチの津波避難塔)

(本日宿泊の 白浜東洋リゾートホテル)





四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 11  室戸岬へと向かう海辺(遍)の路

2023-01-25 18:18:44 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 修業の道場(高知県)編
(11日目・ 5月1日)  甲の浦~25番札所 津照寺  修業の道場高知県に入り、室戸半島東側は路
     線バスで。本日半日行動日

 曇り後快晴、但し肌寒い。5:30起床、準備→7:30道の駅東洋町発(路線バス)
→8:10室戸ジオパーク乗換→8:13発(路線バス)→8:40岬ホテル下車→御蔵洞→遍路
道→9:15 24番札所 最御崎寺(ほつみさきじ)→室戸岬灯台→寺で朝食(昨日の東洋
白浜リゾートホテルでのテイクアウト朝食)10:40→12:40太田旅館→歩き遍路サロ
ン 夫婦善哉で昼食→13:15 25番札所 津照寺→夫婦善哉でCoffeeとおやつ買出→14:40
太田旅館泊り

 室戸半島は、日程と体力とそして津波のリスクから少しでも逃れるために、路線バ
スを利用し『迅速に』移動した。東洋町(甲の浦)から約40Kmの間何人の歩き遍路
さんを追い抜くか数えてみたら8人だった。そのうち一人の方は、途中のバス停から
乗られまた途中のバス停で下車、おそらく、別格霊場へ行かれるのだろう。40Kmで8
人ということは10Kmに2人。歩き遍路は少ない。偶然かどうか分からないが、この
区間を歩かれる方は健脚、アスリートタイプではなく少し高齢でマイペース、中には
キャリアバックを引っ張って歩いておられるカップルの方もおられた。この区間は国
道55号が遍路道そのもので、歩道がない区間も多く自動車も多い。津波が来れば逃げ
る場もない。そういう意味では本当に修行の道場なのだろう。ちなみに自転車遍路さ
んも8名だった。これはGWにしては、歩きよりもっと少ないか。
 室戸岬先端近くにある、青年空海が修行をして自らの名を定めたといわれている御
蔵洞(みくらど)に再会した。空海はこの洞で修行し、広大な空と海(太平洋)を見
て自らを空海と名乗ったと言われている。なるほど、青年空海だなあと実感した。余
談ながらこれには諸説あって、万物は仮の姿で海も仮の姿、本質は空(くう)で、そ
れを指して空海(くうのうみ)とか言った説もあるけれど、いずれにしても後世の人
たちによるオーソライズなんだろうなあ。20年前の御蔵洞は洞窟が一つしかなかった
が、いまはツインである。中に入ると以前は沢蟹のような蟹と、イソメゴカイがうじ
ゃうじゃいて、磯独特の腐臭で臭くてとても修業どころではないと思った。それどこ
ろか一晩もいればこちらが食い尽くされて骨になってしまいそうなどと思ったのが感
想だったが、今は祭殿が飾られ、厳かな雰囲気となっている。洞窟の入り口には落石
除けの金網も設置されている。
 御蔵洞の先の遍路道から岬の山の上にある最御崎寺(H165m)まで登る。約20分で遍
路道に建立されている山門着。観光客の若者たちと写真を撮りあい、交流した後お参
り。そのあと境内を歩き、20年前に来た時に多分ユースホステルだったと思うが、
『遍路センター』があって、今度来るときには此処で泊まろうと思っていたのだが、
今回は予約時から連絡が取れなかった。来てみると、建物は立派になっているのだけ
れど、休業中か何かで営業していなかった。コロナの影響なのかなあ、歩き遍路のオ
アシスなのにちょっと寂しいなあ、との思い。
 最御崎寺を出て、室戸市の街並みを見ながらスカイラインを降り25番札所津照寺を
目指す。相変わらず自動車での遍路さんは結構多いがバスツアーはほとんど見かけな
い。自転車やバイクの遍路さんは若い人が多い。GWが過ぎれば、また静かな遍路道
に戻るのだなあと思いつつ。
 自転車遍路の時も気付いたのだが、室津港に来ると大きな紀貫之の記念石碑が建立
されている。『おとこがすなる日記というものを、をんなもせむとてすなり』の一説
が思い浮かぶ。昼過ぎに本日の宿泊先の太田旅館着。本日は朝にバス異動で、バス停
ホテル前から半日行動に決めている。明日の宿泊予約は、自転車遍路の時にいい感じ
だった、ビジネスホテルなはり、でその翌日には印象に残った神峰寺(こうのみね
じ)を経て、高知市内へと入っていく。
 ところで、”#NO WAR” ”RESPECT HUMANRIGHTS”のゼッケンに、ほとんど声がか
からない。多くの人はチラッとは視線を向けるのだが。最御崎寺で若者グループに写
真を撮ってもらったが、やはり同様だった。(本日Wi-fi使えず)
        (本日移動距離、約40km、うち歩行、18,725歩  距離13,1km)
(空海が籠って修行したといわれる御蔵洞)

(御蔵洞の先、最御崎寺への歩き遍路道登り口)

(歩き遍路道)

(歩き遍路のウェルカムゲート、最御崎寺山門)

(24番札所 最御崎寺境内)

(室戸岬灯台)

(灯台からの太平洋)

(室戸市内にも何か所かある)

(室津漁港にて)

(25番札所 津照寺山門)

(津照寺本堂)

(昔ながらのレトロな室津漁港の裏通り)


四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 12 写真は金剛頂寺から室戸市街地を振返る

2023-01-24 17:17:25 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 修業の道場(高知県)編
(12日目・5月2日)  旅館~26番札所 金剛頂寺→ホテルなはりへ国道をひたすら  
      歩く快晴。5:45起床、準備、朝食→7:15旅館さん出発→7:50接待 
      所民宿うらしま→8:35 26番札所 金剛頂寺9:10→9:40道の駅キラ
      メッセ 室戸10:50→13:40昼食(ドライブイン オハラ)  
      14:25→16:15ホテルなはり着、泊り。
 
 本日珍しく朝から快晴だが、やはり朝は肌寒い。本日は土佐湾東側を歩きに歩いた。
 寝覚めの微睡んでいるときにいろんなことが思い浮かんでくることが多い。今朝も
そうだった。四国で生活をされておられる方は、コロナ禍の今遍路に対してどういう
思いを持っておられているのだろうか。子供たちやとくにご高齢の方々からはよく挨
拶の声をかけていただく。しかし、本当に歓迎してくれているのだろうか、遍路がウ
イルスを持ってきたとか、クラスターを発生させていなかったのか、地元のメディア
からそんな報道はないけれど、どうだろう。本当は歓迎したくない方も少なくないの
ではないか、とにかく浮かれることなく歩こう、そんなことを何故かふと思いながら
出発の準備に取り掛かった。津照寺門前、室津漁港に面した旅館さんでは気が通じ合
うような、安心・やすらぎのもてなしをして頂き、朝食時のお接待の小夏もとてもお
いしかった。
 歩き始めて朝から多くの地元の皆さんに挨拶を頂いた。30分ほどで26番 金剛頂寺
への登り口についた。その入り口にある民宿喫茶うらしま は2000年の自転車遍路の
時に甲の浦に真夜中に着いて24番25番と参り、走りに走って朝食を食べたところ。店
は改築しているが懐かしかった。しばらく歩くと遍路道の山道と舗装道路との分岐
で、前回ここで金色の納札の名古屋からの自転車遍路さんと出会い怒りっぽいけど人
の好い方だったこと、ここで自転車を止めておいて歩いて登ったことなど、懐かしい
思い出。今回は歩きなので26番にお参りし、室戸岬と室戸市街地を撮影した後、登り
口と異なる先の道へのショートカット道を降りた。国道に合流したところは、道の駅
キラメッセ 室戸。多くの田舎の道の駅と同じように地元の人たちが野菜を持ち寄り賑
わっていた。休憩していると御高齢の上品な夫人が声をかけてきた。
 「どちらから来られましたか?」
 「大阪です。」
 「通し打ちをされておらるのですか?」
 そこで22日以降のこと、焼山寺での打ち直しのことなどを話したら、
 「私は、20回以上回ってます。但し通し打ちは2回だけですけど。歩き遍路さんに
 出会いますと本当に懐かしくてほっとするんです。お接待をさせて下さい。」
 とおっしゃられて500円のお接待をいただいた。丁重にお礼を言い納札を渡した。
自らお名前(N子さん)を言われ、御歳は80歳とのこと。こんな時は、朝のもやもや
感もすっきりする。
 さて、先々の都合上ここからは、ひたすら歩きに歩いた。腰も重く痛くなってくる
ほど。左手に土佐湾東側が迫る国道55号線が遍路道。いい加減腰の重い、じわじわ痛
に悩まされる中を16:15に本日の宿泊地、ホテルなはり に到着。ここまで今回は路
線バスも使っての3日間の行程だったが、20年前に自転車で来た時に甲の浦から、ほ
とんど同じ道を1日でやってきたホテル。懐かしいのとやっと着いてほっとしてフロ
ントでそのことを話すと、
 「すごいですね。」
 と。そう、50才代のころはすごかったのだ。ホテルの露店風呂からは明日登る心に
残った27番神峯寺(こうのみねじ)の稜線がよく見え、部屋に戻った時に写真に収め
た。
                    (本日、41,706歩  歩行、29,1Km)

(室津漁港の朝)

(金剛頂寺への歩き遍路道にて)

(金剛頂寺遍路道での山門)

(金剛頂寺本堂)

(境内から、振り返り室戸岬を望む)

(道の駅キラメッセ室戸、心のこもったお接待を頂いた)

(思いで多いホテルなはり)

(明日登る神峯寺を頂く稜線)



四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 13 写真は神峯寺への歩き遍路道登り口

2023-01-23 00:49:48 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 修業の道場(高知県)編
 (13日目・5月3日) ホテルなはり~27番 神峯寺~28番 大日寺~遊庵 H460m 
         の登山と土佐くろしお鉄道に初めて乗って高知市内へ
   5:45起床、準備、朝風呂→7:05朝食→7:55ホテルなはり発→8:05土佐くろしお鉄道
奈半利駅→8;45唐の浜(神峯寺への登山道)→10:05 27番札所 神峯寺→11:25神峯寺
発→12:20土佐くろしお鉄道 唐の浜駅着→12:42唐の浜駅発→13:54のいち駅着→14:15
昼食→16:15 28番札所 大日寺(道迷いの挙句地元のご婦人に車で送ってもらう)
→16:50ハウス着・泊

 起床後すぐにホテルの露天の朝風呂に入浴。さっさと朝食を食べ、8時前にはホテ
ルなはりを出発した。本日も快晴。本日は行程が長いので、唐の浜~のいち間は土佐
くろしお鉄道を使用した。唐の浜駅からは駅前広場から見えている神峯寺、神峯神
社、展望塔(H569.8m)へと続く舗装道路を登りだす。神峯寺は標高430mを距離約
4Km、平均10%で登る。最初は穏やかな登りだが徐々に傾斜も厳しくなってきて、車
道から山道の遍路道が分岐する地点では結構急な斜度になってくる。この分岐点も自
転車遍路の時に自転車をここに置いて、歩いて登った。前回と変わらず『マムシに注
意』の看板が出ており、何と今回は数歩あるいたところに体長40cmくらいの赤マム
シがいた。足元もカジュアルサンダルであり、本日は好天だけれどやはり遍路道は断
念して舗装道へ。標高350m位以上からはかなり急坂となり、自動車もスリップしてい
る。2時間で何とか登り切った。
(神峯寺境内と神峯の水)

 自転車遍路の時には寺の庭園が素晴らしく、紫陽花の花が見事で神峯の水と呼ばれ
る湧水がさわやかで、とても印象深い寺だった。今回はまだ開花していないのか、株
が少なくなったのか、紫陽花のウェルカム・ブロッソムは見られなかったが、端正に
手入れされた庭は変わらずで20年の年月が寺と周りの山をより一層シンクロさせてい
る。納経所の前にきれいな善根宿ができていた。自転車の時は、真夏で暑い中、納経
所で聞かれたので「自転車遍路です」と答えると、「お接待です」と言われ、よく冷
えたスイカを頂いた。その後夫人に再会できるか楽しみにしていたが、お会いするこ
とはできなかった。きれいな境内を廻り、お参りを済ませてもう一度善根宿を見て、
また来ることがあれば利用させて頂こうと思い、下山した。
(神峯寺の奇麗な善根宿)

 唐の浜駅までの下りは55分だった。神峯寺から次の大日寺まで約40km、歩きだと1
日半要する。唐の浜駅から、のいち駅までくろしお鉄道で1時間12分なので、土佐く
ろしお鉄道を利用し、一気に高知市内へと向かうこととした。
 14時前にのいち駅着。近くにスーパーマルヤスがあり、フードコートで焼きそば定
食の昼食。食後28番札所 大日寺を目指した。ところが道に迷いに迷い、挙句車の車
庫入れをしていた女性に場所をきくと丁寧に教えてくださったのだがよくわからな
い。それではとスマホで地図を示してくれたけれどますますわからなくなってきた。
 それではと大日寺まで送ってくれるという。ありがたくお接待と思い、送って頂い
て無事大日寺につくことができた。私は、地図は北が上になっている地図を見て、方
角や地形をイメージして動くという認知機能で、どこへ行っても道迷いや方向を外す
ことはない。山のサークルでも道探し、方向定めでは頼りにされている。ところが北
が上でないとイメージがぐちゃぐちゃになって方向が分からなくなりパニックになっ
てしまう。南半球へ行ってもやはりパニクってしまう。遍路地図は、まさに『道迷い
地図』。これは批判ではなく私の認知機能の問題だと思うので、実際は詳細に情報が
書かれ、必携の地図であるとは思いますが。
 28番札所大日寺駐車場まで送っていただいた後、大日寺のお参りを済ませた。自転
車遍路で来たときは、古い里寺という思い出だが、今はきれいに改築されている。里
寺と思っていたが、小高い里山にあるし、周囲の街並みも奇麗になっている。
 本日宿泊のハウスは住宅街の中にあって、きれいに黄色く塗られた普通の2階建て
住宅でB$B(Bed and Breakfast)の雰囲気。ご夫妻(だと思いますが)で経営しておら
れているが、“お宿”と言ってはおられるが、ボランティアかお接待かと思うほど細や
かなお心遣いのおもてなし。まったくアットホームの雰囲気でホッとする。おまけに
夕食のおかずは豚の生姜焼きに鯵のフライ、野菜煮物他の家庭料理。料金は1食分か
と思っていたら朝食はお接待とのこと。
 宿泊の部屋は2階の3部屋のようで、最大4人収容か。本日は神奈川から来た男性の
若者と私と2人で、彼も通し打ちを目指していて、1番からずっと歩いてきているとの
こと。明日も歩く日なので、エールを交換して、早く就寝した。
        (本日移動距離約47.5km、 うち歩行30,754歩  歩行22,5km、)

(朝の奈半利の街並み)

(神峯寺境内から麓、土佐湾を望む)

(土佐湾に沿って走る、土佐くろしお鉄道)

(大日寺山門)

(大日寺境内)

(ハウスのアットホームな夕食)