(35日目・5月25日)石鎚山麓の山岳信仰の寺や里寺を廻り、涅槃の道場(愛
媛県)最後の寺三角寺麓の遍路宿を目指して、東予を
延々約70kmを移動。心に残る涅槃の道場だった。
快晴。6:40起床、朝食8:25発→8:50 62番札所 宝寿寺9:00→9:15 63番札所 吉祥寺
9:25→10:00 64番札所 前神時(納経所で僧侶さんからいろいろ伺う)10:40→13:50昼
食14:50→国道11号線を延々と四国中央市の伊予三島市街地へ移動→旧伊予三島市街
地で道迷い→18:20やっとの思いで遍路宿着
本日はいよいよ涅槃の道場(愛媛県)最後の三角寺を目指してママチャリで長距離
移動だ。昨日の日記にも書いたが、ここまで来ると毎日の遍路が楽しくなってきた。
フィジカルも順調、メンタルも快調、社会的な諸条件も大体クリア。結願が楽しみと
思いながらの移動だ。何故だろう? 今回の四国遍路マイウェイはネット出版して、
できれば『マイウェイ』を『遍路日記』にして、四国の皆さんとの珠玉の関りもご了
解を頂いたうえで紹介し、ペーパーブックにして自分のメッセージとして残して置く
予定だ。この涅槃の道場を過ぎれば、ネット本・ペーパーブックのプロローグを書こ
う、そんな思いが湧いてきている。ということで、本日のレポート。
(ホテルからの朝、昨日の横峰寺・石鎚山方面を望む)
本日の朝食は連泊してお世話になったホテルのレストランで、美味しく頂いた。8時
半前にママチャリに乗って出発。61番札所は昨日中に納経を済ませており、62番札所
宝寿寺に8時50分に着。お詣りと納経を済ませ、続けて63番札所 吉祥寺にお詣り。宝
寿寺と吉祥寺は国道11号線沿いにある里寺で、私が会社員時代に出張で国道11号線を
走行しているときに見かけ、四国88霊場に興味を持ち、転職後で20年前に自転車遍路
を始めたきっかけとなった寺で、いろんな思いで懐かしくお詣りさせていただいた。
(宝寿寺門・宝寿寺境内)
(吉祥寺門・吉祥寺境内)
吉祥寺からは国道11号線を離れしばらく山手の方を並走する地道をママチャリで駆
けた。10時に64番札所 前神寺に着く。前神寺は地道から少し山に入ったところにあ
る閑静なお寺。国道や自動車道の喧騒から離れ、静かにお詣りをさせていただいた。
納経所に入ると僧侶さんがお二人おられ、またお喋り。
「四国霊場は山岳修験の本当に厳しいお寺もあり里寺もありで、弘法大師が修行し
た地を後世の真言宗高野聖の真稔さんが88霊場として『道しるべ』で紹介し、真言
宗のイメージがあるけれど、民間宗教というかその地ごとのコミュニティ文化の曼
荼羅のように思うのですが。」
の旨を尋ねると
「そうでしょうね。この寺も石鎚神社の末寺でそういうことは他でもありまして、
伊勢神宮などでも末寺があります。」
とのことだった。他にも色々伺ってまた新たな勉強をさせていただいた。
(前神寺への道にある石鎚神社の大鳥居。前神寺の入り口の門・閑静な境内・本堂から参道を振り返る)
ここからは、国道11号線に再び戻り、ひたすら旧伊予三島・川之江の市街地を走
る。本日は国道11号線の幹線道路が主だから、昼食を仕入れずに新居浜市街地のはず
れにあるらしいコーヒーハウスかドライブインでと思っていたが、なかなか到着しな
い。かなり空腹になってきた午後2時前にやっとコーヒーハウス着。交通量が多く歩
道がなく車道を走ったりして、おまけに快晴で気温も高く、ホッとした思いで店に入
った。看板は『峠の食堂』となっているけれど、外観はコーヒーハウスだ。店は女性
の方がお一人で切り盛りしておられるようで、それでも冷房も効いて、メニューもホ
ームメイド感たっぷりで、ドライバーやお遍路さんやらがよく立ち寄るようで、この
時間帯でも2組の方が食事をしてくつろいでおられた。私も、手作り感たっぷりのと
んかつ定食とアイスコーヒを頂いた。
(東予の四国中央市を超え、伊予三島をひたすら目指して)
1時間ほどくつろいだ後、再び国道11号線をただただママチャリを漕ぐ。2時間くら
い、距離にして20km位漕いできて、旧伊予三島のにぎやかな市街地に入り、国道11号
やら県道123号線やらを行ったり来たりしながら本日の遍路宿を探すけれど辿り着か
ない。遍路地図ではサッパリイメージができなくて遍路宿に電話しても応答なし。ど
こかその辺のビジネスホテルに入ろうかとも思ったけどそのうちにとにかく国道11号
線に固執してもう一度電話するとやっと繋がった。とりあえずやっと安心して、それ
でも分かりにくかったけれど、午後6時半前に遍路宿に着いた。
宿は、看板は『〇〇旅館』の看板が出ているが中に入ると普通の民家風で、大女将
さんがお一人で切り盛りされているようだった。家人の方もおられるようだが、宿の
方には関わらずといった感じ。四国の遍路宿ではそんな宿も沢山ある。地元の方が建
築されたホテルでも、大女将さんあるいは女将さん、ご主人と言っていいのか男性の
方がお一人で切り盛りといったところも多く、食事も素泊まりとか朝食のみとかいろ
いろ。本当にコロナ禍とかでかえってご迷惑をおかけしているのではと恐縮している
のだが、その分大変感謝している。この地に来て、お接待の心とでもいうものに触れ
て、本当にこの年になって貴重な経験知を頂いていることを本日も実感。
宿で、明日の予定で朝早く65番札所 三角寺(三角寺)にお詣りしてそのまま雲辺寺
へは向かわず、一旦戻って自転車で別の道から雲辺寺を目指すので11時ごろまで自転
車と不急の荷物を預かってほしいとお願いしたら、快諾されてもし留守だったら玄関
の鍵を開けておくので荷物は持って行ってください、とのこと。この先の遍路に激励
と感謝を頂いて、本日の夕食を仕入れに近くのファミリーマートに出かけた。
本日で涅槃の道場は無事涅槃することなく終わり、明日は菩提の道場(香川県)の
最初の寺、四国霊場の最も標高が高い寺、66番札所 雲辺寺から入っていく。そして
67番大興寺、68番神恵院、69番観音寺にお詣りし、観音寺市内の遍路宿泊まりの予
定。余談だが、観音寺は地元の人は『かんおんじ』といわれるようだが、地図では
『かんのんじ』となっていることが多い。ここではひらがな表記の場合は『かんおん
じ』とします。
(本日移動距離 57km、 うち歩行 10057歩、 7.5km)
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