評価:★★★★【4点】
野村萬斎のキャラに賛否はあるがドラマは面白い。
◇
都内にある中堅メーカーの東京建電。
定例の営業会議では営業部長・北川の激しい檄が飛び、
厳しい叱責にみなが震え上がる中、のんきにイビキをかいている
万年係長のぐうたら社員・八角民夫。
そんな彼が年下のエリート課長・坂戸をパワハラで社内委員会に訴えた。
すると委員会が下した裁定は意外にも左遷という厳しいものだった。
北川の信頼も厚いエースへの思いがけない処分に、
社員たちの間に動揺が広がる。
そんな中、新課長に着任した原島は、
一連の不可解な人事の裏に隠された真相を探り始めるのだったが…。
<allcinema>
◇
【以降、ネタバレあります。要注意!!!】
企業に属する限り、その企業の方針に従わざる得ないのは
どこも同じだろうが、主人公は営業のスーパーエリート社員から
大きく逸脱し解雇寸前のグウタラ社員に成り下がっている。
しかし、そんな彼を誰も正式に咎められない理由があった。
映画は企業のリコール隠しにまつわるサスペンスモノで
本作の主人公がエリートだったころ強引に売りさばいてきたことによる
買い手側・一個人ユーザーの自殺という結果を突き付けられ
改心し以降、正義のため会社に真っ向勝負の決断をする。
正直、『空飛ぶタイヤ』ほどのリアリティはないが
同じリコール隠しという観点からいえば不正が横行する現代に於いて
企業で働く一社員として、モノつくりの現場で働く人間からすれば
アウトローな主人公に憧れてしまう。
自分が守るものより勝る正義の道という道義に対し^^;
【今週のツッコミ】
・ネジ強度テスト機を初めて見た。
SUSやチタンボルトもゴムのように伸びきって切れるんだ。
・強度テスト機のバイスと治具の強度が知りたい。
・で、そのシーンだけに出てる小泉孝太郎。
・売って売って売って売り倒せ!なかなかテンポ良い叱咤激励。
・訪問販売の営業だけにはなりたくない。
・企業エンターテインメントといえば必ず出てくる不正サスペンス。
・20年前の改心の事例がちょっと弱い。
せめて直接の死因に繋がる事象でないと。あれではただの推測。
・ワタシはてっきり娘が自分の製品のせいで亡くなったと予想。
・本作の不可解な部分を探っていく小心者の課長・及川光博と
女性社員・朝倉あきのコンビが映画を引っ張る。
・社内人事評価が6段階だった。S・A・B・C・D・E
SからイッキにEランクって給料減額じゃ?^^;
-----------------------------------------------------------
監督:福澤克雄
脚本:丑尾健太郎
音楽:服部隆之
出演:野村萬斎/香川照之/及川光博
『七つの会議』
野村萬斎のキャラに賛否はあるがドラマは面白い。
◇
都内にある中堅メーカーの東京建電。
定例の営業会議では営業部長・北川の激しい檄が飛び、
厳しい叱責にみなが震え上がる中、のんきにイビキをかいている
万年係長のぐうたら社員・八角民夫。
そんな彼が年下のエリート課長・坂戸をパワハラで社内委員会に訴えた。
すると委員会が下した裁定は意外にも左遷という厳しいものだった。
北川の信頼も厚いエースへの思いがけない処分に、
社員たちの間に動揺が広がる。
そんな中、新課長に着任した原島は、
一連の不可解な人事の裏に隠された真相を探り始めるのだったが…。
<allcinema>
◇
【以降、ネタバレあります。要注意!!!】
企業に属する限り、その企業の方針に従わざる得ないのは
どこも同じだろうが、主人公は営業のスーパーエリート社員から
大きく逸脱し解雇寸前のグウタラ社員に成り下がっている。
しかし、そんな彼を誰も正式に咎められない理由があった。
映画は企業のリコール隠しにまつわるサスペンスモノで
本作の主人公がエリートだったころ強引に売りさばいてきたことによる
買い手側・一個人ユーザーの自殺という結果を突き付けられ
改心し以降、正義のため会社に真っ向勝負の決断をする。
正直、『空飛ぶタイヤ』ほどのリアリティはないが
同じリコール隠しという観点からいえば不正が横行する現代に於いて
企業で働く一社員として、モノつくりの現場で働く人間からすれば
アウトローな主人公に憧れてしまう。
自分が守るものより勝る正義の道という道義に対し^^;
【今週のツッコミ】
・ネジ強度テスト機を初めて見た。
SUSやチタンボルトもゴムのように伸びきって切れるんだ。
・強度テスト機のバイスと治具の強度が知りたい。
・で、そのシーンだけに出てる小泉孝太郎。
・売って売って売って売り倒せ!なかなかテンポ良い叱咤激励。
・訪問販売の営業だけにはなりたくない。
・企業エンターテインメントといえば必ず出てくる不正サスペンス。
・20年前の改心の事例がちょっと弱い。
せめて直接の死因に繋がる事象でないと。あれではただの推測。
・ワタシはてっきり娘が自分の製品のせいで亡くなったと予想。
・本作の不可解な部分を探っていく小心者の課長・及川光博と
女性社員・朝倉あきのコンビが映画を引っ張る。
・社内人事評価が6段階だった。S・A・B・C・D・E
SからイッキにEランクって給料減額じゃ?^^;
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監督:福澤克雄
脚本:丑尾健太郎
音楽:服部隆之
出演:野村萬斎/香川照之/及川光博
『七つの会議』
しかし、いまの世の中を見てごらんなさい。いまは嘘をつくなという道徳が衰えている。平気で嘘をつくのが当たり前になっている。会社企業の道徳が衰えて、多くの企業がまったく道徳を考えず、儲ければよいという風潮になっている。
ところが雪印食品は嘘をついたためにつぶれてしまった。狂牛病騒動で、輸入した牛肉を国産牛肉と偽って、買い取り制度を悪用して国に買い取らせた。親会社の雪印乳業も、その前に牛乳で食中毒事件を起こして、嘘の弁明をして、社長が辞任した。会社ぐるみでおこなった嘘がいくつもばれてしまったわけです。
雪印といえば一流会社です。社長や専務は、よい国立大学、私立大学を出た秀才に違いない。そういうエリートがやっている会社が、嘘でつぶれた。嘘をつくということが、いまや社会で当たり前というふうになっている。
ある政治家は秘書の給料を自分の費用に流用していたのに、嘘をついていたのがばれて祝を失った。どうも政治の世界では流用するのが当たり前になっていたんですね。だから嘘をついたという感覚がない。嘘をつくのが常識になっている。
役人の場合もそうでしょう。鈴木宗男さんに取り入って処分された役人は、さきほどの言葉で言えば阿諛追従をしていた。エリートのキャリア官僚が鈴木宗男さんにおもねった。あんたが悪い、そんなことをやっちゃいけないとは言わない。言わないばかりか、自分も悪の片棒をかついだ。そこには、ひどい倫理観の欠如があるように思います。
日本の社会全体が、嘘をつくのが当たり前であると思うような社会になってしまった。こういう道徳的な頽廃は、日本を滅亡させることになりかねません。日本人は、嘘をついてはいけないという道徳をもういちど回復する必要があると痛切に思います。
梅原猛の授業『道徳』(朝日文庫 / 2007年10月30日第1刷発行)から抜粋
日本人の心に道徳は回復するのか?この映画を観たひとりひとりに考えて欲しい問題です。
「不正はなくならない」これが現実だと思いますね。悲しいけど。
只今、お隣某国といろいろありますが、あそこは国家で不正が蔓延してるとか
それを思うとまだまだ可愛いモノです(←話をすり替えるなって)^^;
>そのシーンだけに出てる小泉孝太郎
まさか、あのあと、まったく出番がないとは。
ネジについての話が、ぜんぜん少なかった。
ネジ六の社長とか、もっと職人気質と言うか、プロ意識とか(下町ロケット?)があれば、面白かったと思うんですが、とにかく、俳優のアップ(顔芸?)が目立って、今ひとつ乗れませんでした。
企業隠ぺい体質(;´・ω・)
そう言えば、ちょっと前にデータ改ざんで話題になった、某自動車メーカーの某湘南工場って、ダンナの元会社(;´・ω・)
娘が土屋太鳳だったし(笑)
にしても、大企業と契約できても単純に喜んでいられないのが契約変更の恐ろしさ。
中小にとっては大型契約だけに失うことを思えば無理難題であっても受け入れなきゃならないんでしょうね。
起業隠蔽なんて多かれ少なかれどこもあるんでしょうね。
表面に出るか出ないかで運命の分かれ道だったり^^;
なんと!あの会社ですよね!
知ってますとも、同業として他人事ではありませんでした。
>・企業エンターテインメントといえば必ず出てくる不正サスペンス。
と書かれていらっしゃいますが、ホント、こんなオオゴトが大企業で起こっているあたり、おっそろしいですよね…ただ、生涯不正をしたことが無い人っているのかな?なんて…(つり銭を多くもらってしまったのを申告しないのとかも含む)。そう思うと、小さな隠蔽が積もり積もって大きな隠蔽に姿を変えるのかもしれない。それは実はとても怖いことだと思います。
「ラッキー!10円儲かった」みたいな(←子供か)
この世に生涯不正をしたことないって人99.9パーセントいないでしょう(笑)
ワタシ、根が小心者なので、あんな営業会議に立たされたら
及川光博と同じく頭の中が真っ白になって吐きますね。