評価:★★★☆【3,5点】
人として、その一線を越えるかとどまるのか。
遠景の山々とハイスピードカメラにより変形し流れる雲に
まるで上空から見下ろす女神がそこにいるかのよう。
◇
日本軍の敗北が決定的なレイテ島。
結核を患った田村一等兵は野戦病院行きを命じられ、
部隊から追い出される。
しかし病院でも追い返され、舞い戻った部隊でも入隊を拒否される。
行き場を失い、激しい空腹に苦しみながら
果てしない原野を彷徨い始めた田村だったが…。
<allcinema>
◇
終戦末期のレイテ島で起こっていた日本兵の真実とは
戦時下における敵軍との戦いというより
もはや、病気や飢餓による苦痛を和らげるためだけに
ジャングルを彷徨う一人の兵士を追い続ける。
そして、その先には人として越えてはならない一線が待っていた。
今回、この映画の制作にあたって資金が集まらないということで
自主映画の体形をとって作られたと聞く。
しかし、低予算映画といえど中身はかなり強烈で
莫大な火薬量でど派手な演出をする他のエンタメ映画よりも
はるかに心を揺さぶるのである。
手持ちハンディカム効果で、まるで自分がその場にいるかのよう。
ケモノ道のような片隅に転がる腐乱死体には臭いまで含め
グロ映像に全く手抜きなしの監督の感性には大いに拍手。
フィリピンの山々の自然の景観が美しいだけに
緑の下で行われていた狂気が尚更心に衝撃を与える。
【今週のツッコミ】
・塚本監督作品特集と題し地元日劇では『ヴィタール』『鉄男』
『鉄男Ⅱ』とスクリーン2で3本立てが上映中。
観たいけど、さすがに3本は腰痛もちとしては辛いところ^^;
・本作、ブログ仲間の“とらねこさん”がご出演されていて
そのシーン、カオスの中で咲く一輪の花のように力強くそれでいて
透き通るような美声には思わず吸い込まれそうになりました(笑)
転がる肉から「私を、私を食べてもいいわよ…」Σ(゜Д゜ノ)ノ おおぉぉぉぉ~
・グロ描写は下手なB級ホラー顔負けの徹底した力の入れよう。
敵の機銃で吹っ飛んだ片腕、後頭部から流れ出た脳ミソ
腹部から垂れ下がる内臓と特殊メイクはまさにA級だった。
・教会のアクシデントに至るまでの張りつめたサスペンスと
横たわる女性の迫真の演技に座布団一枚!
・開映開始から気になっていたのは音響部分。
高感度マイクを敢えて使用したかは知らないが
不必要と思えるような音まで再生されていて、若干ではあるが
この部分がノイジーな感じがしたものだが、これは意図的か。
・冒頭の行って帰っての繰り返しに思わずコントかよ!だった^^
---------------------------------------------------------------
監督:塚本晋也
脚本:塚本晋也
音楽:
出演:塚本晋也/リリー・フランキー/中村達也/森優作/中村優子
『野火』
人として、その一線を越えるかとどまるのか。
遠景の山々とハイスピードカメラにより変形し流れる雲に
まるで上空から見下ろす女神がそこにいるかのよう。
◇
日本軍の敗北が決定的なレイテ島。
結核を患った田村一等兵は野戦病院行きを命じられ、
部隊から追い出される。
しかし病院でも追い返され、舞い戻った部隊でも入隊を拒否される。
行き場を失い、激しい空腹に苦しみながら
果てしない原野を彷徨い始めた田村だったが…。
<allcinema>
◇
終戦末期のレイテ島で起こっていた日本兵の真実とは
戦時下における敵軍との戦いというより
もはや、病気や飢餓による苦痛を和らげるためだけに
ジャングルを彷徨う一人の兵士を追い続ける。
そして、その先には人として越えてはならない一線が待っていた。
今回、この映画の制作にあたって資金が集まらないということで
自主映画の体形をとって作られたと聞く。
しかし、低予算映画といえど中身はかなり強烈で
莫大な火薬量でど派手な演出をする他のエンタメ映画よりも
はるかに心を揺さぶるのである。
手持ちハンディカム効果で、まるで自分がその場にいるかのよう。
ケモノ道のような片隅に転がる腐乱死体には臭いまで含め
グロ映像に全く手抜きなしの監督の感性には大いに拍手。
フィリピンの山々の自然の景観が美しいだけに
緑の下で行われていた狂気が尚更心に衝撃を与える。
【今週のツッコミ】
・塚本監督作品特集と題し地元日劇では『ヴィタール』『鉄男』
『鉄男Ⅱ』とスクリーン2で3本立てが上映中。
観たいけど、さすがに3本は腰痛もちとしては辛いところ^^;
・本作、ブログ仲間の“とらねこさん”がご出演されていて
そのシーン、カオスの中で咲く一輪の花のように力強くそれでいて
透き通るような美声には思わず吸い込まれそうになりました(笑)
転がる肉から「私を、私を食べてもいいわよ…」Σ(゜Д゜ノ)ノ おおぉぉぉぉ~
・グロ描写は下手なB級ホラー顔負けの徹底した力の入れよう。
敵の機銃で吹っ飛んだ片腕、後頭部から流れ出た脳ミソ
腹部から垂れ下がる内臓と特殊メイクはまさにA級だった。
・教会のアクシデントに至るまでの張りつめたサスペンスと
横たわる女性の迫真の演技に座布団一枚!
・開映開始から気になっていたのは音響部分。
高感度マイクを敢えて使用したかは知らないが
不必要と思えるような音まで再生されていて、若干ではあるが
この部分がノイジーな感じがしたものだが、これは意図的か。
・冒頭の行って帰っての繰り返しに思わずコントかよ!だった^^
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監督:塚本晋也
脚本:塚本晋也
音楽:
出演:塚本晋也/リリー・フランキー/中村達也/森優作/中村優子
『野火』
自分が携わったからというばかりでなく、今こそ見て欲しい映画でした。
そして初めて知ったのですが、第二次大戦での日本兵の半分が餓死を含む病死。フィリピン等過酷な地域ではその9割が餓死・病死だったなんて。
これって戦争による死、というイメージとはだいぶ違うものなんですよね。
カオスに咲く一輪の花とはなんと美化してくださるのか
あの不気味な花に被さる誘惑の声…
良かったら今度、見てくださったお礼に、録音ボイスを届けまっせ
なんちゃって
その時の静止画像がモノクロとはいえかなり強烈な印象でした。
もはや、国に完全に見捨てられた彼らのことは忘れてはならない事実ですね。
観てよかったと思いましたよ。
ちなみに、とらねこさんが映画にどのような形でかかわったのかノルウェーさんの記事で知ったのです。
>録音ボイス
お!そんな貴重なものを届けてくれるの?(笑)
あの美声が手元に~、ありがたく頂戴いたします!^^