
評価★★★★☆【4.5点】(Netflix)
『羊たちの沈黙』に迫る、久々に本物の恐怖を味わえる。
◆
300人以上の患者の死に関わったとされ、アメリカ犯罪史上
最も多くの被害者数を出した連続殺人犯といわれる
チャールズ・カレンの実像に迫るチャールズ・グレーバーの
ベストセラー・ノンフィクション。
ICU勤務の看護師として多忙な日々を送る
シングルマザーのエイミーが、新たに同僚となった
優しい青年チャーリーと心を通わせていく一方、
患者の不審死が相次ぐ中で、チャーリーの驚くべき正体が
徐々に明らかとなっていく戦慄の恐怖を描く。
<Netflix>
◆
実話に基づくサスペンス・スリラー。
俗にいうヘルスケア・シリアルキラーがまさにこの男のこと。
300人の入院患者を次つぎ殺害していくICU看護師の動機が
いまだ不明という最後のテロップにさらに恐怖に打ちのめされる。
中盤まではシングルマザーで同じICU看護師のエイミーにとって
常に自分を気遣ってくれる新人チャーリーに気心を許してしまう。
この映画の怖いところは出来る看護師という触れ込みで
転職してきたのにもかかわらず無表情で殺害していくギャップだ。
相次ぐ患者の死で警察が動くが病院上層部は隠ぺいに走る。
こういう証拠隠滅がまどろっこしくて思うように捜査が進まない。
少し前からチャーリーの行動に不信感を抱いていたエイミーが
捜査官監視の元、盗聴器を付けおとり捜査に協力するという。
この辺りから、エイミー本人がシロウトであることに加え
持病の発作がいつ起きるともしれない二重の緊張感が襲ってくる。
これ『羊たちの沈黙』で女性FBI訓練生ジョディ・フォスターが
猟奇殺人犯アンソニー・ホプキンスと初めて対峙するときの
あの有名なシーンのドキドキ感が蘇ってくるような感覚ですよ。
連続殺人犯チャーリーを演じるエディ・レッドメインの演技は
チョットしたワードに豹変する怖さでは『サイコ』のノーマン級。
対するエイミー役ジェシカ・チャステインは病気と心労からくる
ヒロインのやつれた印象をみごとに演じきっていて
もう、適材適所という言葉がピッタリのキャスティングなのだ。
ストーリーもさることながら、登場人物の背景もしっかり描かれ
とにかく映画全体の構成がすごくよくできている。
良い映画って序盤からぐいぐい惹きこまれてしまうからいいわ!
◆
【今週のツッコミ】
・取調室で48時間だけの拘留がいかに難しいか思い知らされる。
同じ言語を繰り返し叫び散らすヒステリーにイライラMax。
・看護記録を病院に内緒で失敬するエイミーの大胆さにハラハラ。
・300人もの殺人とあるが実際は400人にも上る殺人と言われる。
・チャーリーに不信感を抱いてからの家に着いたら「先に居た」。
そこに居ては困る、このパターンはスリラー映画の定番ですね。
・今回のヘルスケア・シリアルキラーに対抗する手段はないのか。
点滴の際は自ら容器を逆さまにして漏れがないか確認しよう。
・インスリン過剰摂取の致死量に気づいたら大量の糖分を
速攻で摂るのはいかがでしょう(←コントかよ)
・そういや『グッド・ドクター』の自閉症でサヴァン症候群の青年
天才ドクター、ショーン・マーフィーも雰囲気近いがどう?
-----------------------------------------------------------------------------------------------
監督:トビアス・リンホルム
脚本:クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
音楽:バイオスフィア
出演:ジェシカ・チャステイン、エディ・レッドメイン、ンナムディ・アサマア
『グッド・ナース』(2022年作品)
『羊たちの沈黙』に迫る、久々に本物の恐怖を味わえる。
◆
300人以上の患者の死に関わったとされ、アメリカ犯罪史上
最も多くの被害者数を出した連続殺人犯といわれる
チャールズ・カレンの実像に迫るチャールズ・グレーバーの
ベストセラー・ノンフィクション。
ICU勤務の看護師として多忙な日々を送る
シングルマザーのエイミーが、新たに同僚となった
優しい青年チャーリーと心を通わせていく一方、
患者の不審死が相次ぐ中で、チャーリーの驚くべき正体が
徐々に明らかとなっていく戦慄の恐怖を描く。
<Netflix>
◆
実話に基づくサスペンス・スリラー。
俗にいうヘルスケア・シリアルキラーがまさにこの男のこと。
300人の入院患者を次つぎ殺害していくICU看護師の動機が
いまだ不明という最後のテロップにさらに恐怖に打ちのめされる。
中盤まではシングルマザーで同じICU看護師のエイミーにとって
常に自分を気遣ってくれる新人チャーリーに気心を許してしまう。
この映画の怖いところは出来る看護師という触れ込みで
転職してきたのにもかかわらず無表情で殺害していくギャップだ。
相次ぐ患者の死で警察が動くが病院上層部は隠ぺいに走る。
こういう証拠隠滅がまどろっこしくて思うように捜査が進まない。
少し前からチャーリーの行動に不信感を抱いていたエイミーが
捜査官監視の元、盗聴器を付けおとり捜査に協力するという。
この辺りから、エイミー本人がシロウトであることに加え
持病の発作がいつ起きるともしれない二重の緊張感が襲ってくる。
これ『羊たちの沈黙』で女性FBI訓練生ジョディ・フォスターが
猟奇殺人犯アンソニー・ホプキンスと初めて対峙するときの
あの有名なシーンのドキドキ感が蘇ってくるような感覚ですよ。
連続殺人犯チャーリーを演じるエディ・レッドメインの演技は
チョットしたワードに豹変する怖さでは『サイコ』のノーマン級。
対するエイミー役ジェシカ・チャステインは病気と心労からくる
ヒロインのやつれた印象をみごとに演じきっていて
もう、適材適所という言葉がピッタリのキャスティングなのだ。
ストーリーもさることながら、登場人物の背景もしっかり描かれ
とにかく映画全体の構成がすごくよくできている。
良い映画って序盤からぐいぐい惹きこまれてしまうからいいわ!
◆
【今週のツッコミ】
・取調室で48時間だけの拘留がいかに難しいか思い知らされる。
同じ言語を繰り返し叫び散らすヒステリーにイライラMax。
・看護記録を病院に内緒で失敬するエイミーの大胆さにハラハラ。
・300人もの殺人とあるが実際は400人にも上る殺人と言われる。
・チャーリーに不信感を抱いてからの家に着いたら「先に居た」。
そこに居ては困る、このパターンはスリラー映画の定番ですね。
・今回のヘルスケア・シリアルキラーに対抗する手段はないのか。
点滴の際は自ら容器を逆さまにして漏れがないか確認しよう。
・インスリン過剰摂取の致死量に気づいたら大量の糖分を
速攻で摂るのはいかがでしょう(←コントかよ)
・そういや『グッド・ドクター』の自閉症でサヴァン症候群の青年
天才ドクター、ショーン・マーフィーも雰囲気近いがどう?
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監督:トビアス・リンホルム
脚本:クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
音楽:バイオスフィア
出演:ジェシカ・チャステイン、エディ・レッドメイン、ンナムディ・アサマア
『グッド・ナース』(2022年作品)
エディ&ジェシカがナイスキャスティングでした。
エイミーの”なぜ?”の質問に”誰も止めなかったから”
と答えるチャーリーに変に納得もしましたね。
エイミーの家で料理を作り子供たちと
楽しそうに話すチャーリー...
あの後は何か起こる?とゾクゾクして不気味でした。
ビジネス優先の病院がコワい。
簡単に新しい職場で勤務できるシムテムに驚きです!
そうそう!この言葉を聞いたときに「あ~、なんでも他責にするタイプなんだな~」でしたよ。
勝手に家にいるパターンは本当に怖いですよね。
あそこでチャーリーを刺激せずに穏やかに拒否するエイミーに座布団一枚!進呈したいです。
この時代の病院は概ねこんな運営がされていたんでしょうね。
患者のことよりビジネス優先で危険因子でも簡単に再就職可能って下手に入院もできません。
恐ろしかったです。
病院運営のために、隠蔽工作に走るにしても、よく、ここまで…と思うのですが。
あの墓を掘り返していたのは実話だったのでしょうか?それでも、病院は訴えられなかったの?
それとも、訴訟に至る前の和解?
等と、いろいろ考えた次第です。
とにかくこの事件は重すぎてそっちはまだ観てません。
ワタシ今までエディ・レッドメインの映画で好きなのがなかったんですが
この映画の彼は、まさにはまり役って感じでいい俳優さんじゃないか!でしたよ(笑)
ドキュメンタリーの方は一度チェックしてみます。