みなさんこんにちは、平野です。
第2弾掲載から時間が経ってしまっており申し訳ございません。
無事カンボジアに帰還しましたので、また精力的にアップしていく所存です。
前回に引き続き、児童労働・児童買春に取り組む大学生のグループ「サンピッコロ・プロジェクト」のみなさんからの質問と、それに対する平野の回答をご紹介させていただきます。サンピッコロ・プロジェクトは、立命館アジア太平洋大学のサークルで、愛地球博にも出展しています。
HP http://www.apu.ac.jp/circle/sunpro/
ブログ http://spp2005.exblog.jp/
今回が最終回です。
【質問6:どうして買春はなくならない!?】
なぜ多くのNGOや様々な団体がグローバルに活動しているのに、買春は減らないのでしょうか Ex.警察の腐敗や法律がいい加減など平野さんの考えも交えてお願いします。
(平野)
これは、もう私が聞きたい!列挙することは可能ですが、様々な要因が絡み合っていて、それを明快に説明し、「こうだからだ」と言い切るのは私には不可能です。
・貧困(出稼ぎに行く動機)
・教育の欠如(様々な局面で騙される危険を高める)
・情報不足(村の人は人身売買の危険についてあまり知りません)
・インフラの未整備(なぜ情報が入らないか?インフラのせいもあるでしょう)
・不十分な法整備(欠陥の多い法律では取り締まれません)
・法の執行力の弱さ(賄賂が横行し、逮捕されるべきものが逮捕されません)
・腐敗した司法(裁判所に行っても賄賂が横行していて解決になりません)
・高度化する組織犯罪(組織犯罪はよりグローバルにより高度化しています)
・援助機関の資金不足(どのような活動にせよ資金は重要です)
・処女崇拝と偽善的な貞操観念(妻になる人は純潔で、性欲処理は買春で)
・需要があること(コレがある限り供給しようという勢力はなくなりません)
【質問7:伝えて欲しいこと】
最後に、私たちのプレゼンや今後の活動で「ぜひこれだけは伝えてほしい」ということはありますか?
(平野)
想像力を持って欲しい、と思います。私個人は、一部の国のように売買春合法化も、一つの手段だとは考えています。事実、自分たちにも職業人としての権利と尊敬を、と主張するセックスワーカーの人もいます。誇りを持って働いている人もいます。売買春=悪、という概念だけで物事を捉えても、行き詰ることになるかも知れません。
一方で、買春する男性の中には、セックスワーカーが明るく振舞っていることや、他に生計を立てる道を持たないことを理由に、「彼女たちだって楽しんで仕事している」と主張する人もいます。しかし考えてみてください。人間は毎日泣いて暮らすことはできないのです。泣いて泣いて涙が枯れた頃に、自分の状況を受け入れることしか生きていく手立てがないことを知り、そしてそこでなんとか明るく生きていくわけです。いじめられっ子がいじめられて辛いのに、表面上笑っているとき、「あいつは一緒に遊んでいただけ。だって笑ってたもん」と言ういじめっ子がいます。それと一緒ですね。想像力の欠如です。自分に都合よく解釈することしか知らない。
また、娘を出稼ぎに出す親だって、本当にいい仕事を紹介してもらえるのだろうか、売り飛ばされたりしないだろうか、と心配で胸が張り裂けそうな中で見送ることもあるわけです(もちろんブローカーにコロッと騙されてニコニコ見送ることもあるでしょうが)。心配で胸が張り裂けそうだけれども、娘に働きに出てもらわないと困るのです。他の子どもたちに食べさせる食べ物がないのです。「子どもを売るなんて。アジアは人権の概念がないから」などと平気で言う人がいますが、親の愛は世界共通です。
そういった諸々の要素を鑑みて、それぞれの立場があることに思いを馳せた上で、それでもやはり「これは絶対いけない」と本当に思えることに取り組んでいっていただいたらいいと思います。私の場合は、そして国際子ども権利センターの場合、子ども買春がそれです。
この項終わり
※写真は、ご覧の通り、カンボジアの子どもたちです。この子たちがいつまでも笑顔でいられるように、力を貸してください ↓
http://jicrc.org/pc/member/index.html
第2弾掲載から時間が経ってしまっており申し訳ございません。
無事カンボジアに帰還しましたので、また精力的にアップしていく所存です。
前回に引き続き、児童労働・児童買春に取り組む大学生のグループ「サンピッコロ・プロジェクト」のみなさんからの質問と、それに対する平野の回答をご紹介させていただきます。サンピッコロ・プロジェクトは、立命館アジア太平洋大学のサークルで、愛地球博にも出展しています。
HP http://www.apu.ac.jp/circle/sunpro/
ブログ http://spp2005.exblog.jp/
今回が最終回です。
【質問6:どうして買春はなくならない!?】
なぜ多くのNGOや様々な団体がグローバルに活動しているのに、買春は減らないのでしょうか Ex.警察の腐敗や法律がいい加減など平野さんの考えも交えてお願いします。
(平野)
これは、もう私が聞きたい!列挙することは可能ですが、様々な要因が絡み合っていて、それを明快に説明し、「こうだからだ」と言い切るのは私には不可能です。
・貧困(出稼ぎに行く動機)
・教育の欠如(様々な局面で騙される危険を高める)
・情報不足(村の人は人身売買の危険についてあまり知りません)
・インフラの未整備(なぜ情報が入らないか?インフラのせいもあるでしょう)
・不十分な法整備(欠陥の多い法律では取り締まれません)
・法の執行力の弱さ(賄賂が横行し、逮捕されるべきものが逮捕されません)
・腐敗した司法(裁判所に行っても賄賂が横行していて解決になりません)
・高度化する組織犯罪(組織犯罪はよりグローバルにより高度化しています)
・援助機関の資金不足(どのような活動にせよ資金は重要です)
・処女崇拝と偽善的な貞操観念(妻になる人は純潔で、性欲処理は買春で)
・需要があること(コレがある限り供給しようという勢力はなくなりません)
【質問7:伝えて欲しいこと】
最後に、私たちのプレゼンや今後の活動で「ぜひこれだけは伝えてほしい」ということはありますか?
(平野)
想像力を持って欲しい、と思います。私個人は、一部の国のように売買春合法化も、一つの手段だとは考えています。事実、自分たちにも職業人としての権利と尊敬を、と主張するセックスワーカーの人もいます。誇りを持って働いている人もいます。売買春=悪、という概念だけで物事を捉えても、行き詰ることになるかも知れません。
一方で、買春する男性の中には、セックスワーカーが明るく振舞っていることや、他に生計を立てる道を持たないことを理由に、「彼女たちだって楽しんで仕事している」と主張する人もいます。しかし考えてみてください。人間は毎日泣いて暮らすことはできないのです。泣いて泣いて涙が枯れた頃に、自分の状況を受け入れることしか生きていく手立てがないことを知り、そしてそこでなんとか明るく生きていくわけです。いじめられっ子がいじめられて辛いのに、表面上笑っているとき、「あいつは一緒に遊んでいただけ。だって笑ってたもん」と言ういじめっ子がいます。それと一緒ですね。想像力の欠如です。自分に都合よく解釈することしか知らない。
また、娘を出稼ぎに出す親だって、本当にいい仕事を紹介してもらえるのだろうか、売り飛ばされたりしないだろうか、と心配で胸が張り裂けそうな中で見送ることもあるわけです(もちろんブローカーにコロッと騙されてニコニコ見送ることもあるでしょうが)。心配で胸が張り裂けそうだけれども、娘に働きに出てもらわないと困るのです。他の子どもたちに食べさせる食べ物がないのです。「子どもを売るなんて。アジアは人権の概念がないから」などと平気で言う人がいますが、親の愛は世界共通です。
そういった諸々の要素を鑑みて、それぞれの立場があることに思いを馳せた上で、それでもやはり「これは絶対いけない」と本当に思えることに取り組んでいっていただいたらいいと思います。私の場合は、そして国際子ども権利センターの場合、子ども買春がそれです。
この項終わり
※写真は、ご覧の通り、カンボジアの子どもたちです。この子たちがいつまでも笑顔でいられるように、力を貸してください ↓
http://jicrc.org/pc/member/index.html