進学高に通う高校3年生である主人公とヒロインは虐待を受けている。
その2人が親に復讐することを計画する。
果たして、彼らの企む親に対する復讐とは?
また、彼らの復讐は成功するのだろうか?
まず、読んでいて感じたのは、主人公の両親の主人公に対する態度がとにかく胸糞悪い。
読んでいて、読んでいられなくなるほどに、ヒール役の両親、エグいくらい胸糞悪いことを主人公にします。
その胸糞悪いシーンが半分くらいあるんじゃないか?と思うくらいに、この部分は結構キツかったです。
また、本作はミステリー要素もありますが、読んでいて、そこまで難しくはなかったなと思います。
そんな本作品から感じたのは、
あなたは本当に虐待を受けずに育ちましたか?
という、投げかけです。
まず、読んでいて、本作品の主人公やヒロインは種類が違うとはいえ、両者とも、虐待を受けて育ったのは明らかです。
しかし、あなたが主人公にあるいはヒロインの立場だったとき、本当に虐待を受けていると認めることはできますか?
昨今、虐待で子供が亡くなったという事件、テレビニュースで見かけるたびに、なんで子供は逃げ出さないのか?、児相は何もできない無能だなと思うことって結構あると思います。少なくとも私は思うことが多かったです。この作品を読むまでは。
しかし、自称虐待を受けずに育ったと思っている私は、虐待されている子供の気持ちはわからないですし、虐待する親がどういうものかもわからないなと思っていたら、本作の主人公の立場に立ったら、恐らく、虐待だと思わないなと思います。だって、私だって親の期待に応えたいし、親に愛されたいと思うので。
そして、私も100点とっても褒められなかったのに、90点取ると10点落としたことを怒られる、何なら叩かれる、志望校が思ったのと違うとビンタされたなど、読んでいたら、普通は怒られないことで怒られたやん!って思いました。
そう考えると、教育熱心と虐待って紙一重やなぁと思いました。私はそういうことされて育ったのですが、人に言ったら虐待やん!と言われても不思議ではないかなと思います。
まして、親に愛されたいと思う子供が親から虐待を受けてますとも言えないだろうし、躾と虐待の線引も曖昧だし、親も子を愛していないとは言えないし、児相がそらなかなか踏み込まれへんわ!っていうのも分かる気がしました。
彼らは虐待を受けているということを認められたということで、復讐を計画できたわけですが、それだけでも救いがあったなと思える作品でした。
※ブクログより転載
ミステリーとしては、そこまで難しい謎はなかったものの、とにかく虐待シーンが多く胸糞がわるくなるという作品でした。
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