作者初の作品集とのこと。
ジャンルはSFCらしい…
このらしい…というのが、私にはSFというよりは奇譚集。
想像を掻き立てるタイプのホラーのような気もする。
そして、衝撃的なことに、半分も理解できていないはずなのに、読後は何じゃ、こりゃ?面白いやないか!
これ真に珍妙なり、いや、キテレツかもしれない…
この作品を表現する言葉は私には心当たりがないのに…
あっ、ありのまま、起こったことを話すぜ。
おれは本を読んでいると思っていたらいつの間にか本を読み終えていた…
な…何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった…
くらいの衝撃です(わからん)
それくらい意味不明なのに読んでいて面白い、これはどういうことなのか…
思うに、本作品に収録されている短編が実は全て好奇心を駆り立てるように細工されているからではないか?と思ってます。
なんの仕掛けもなければ、本作のそれぞれの短編は意味不明な上、理解できない、何書いてるのこれ?で終わる話だと思うのですが、読んでいて微妙に答えが見えそうで見えない謎のチラリズムが読み進めたいという好奇心をくすぐっているような気がします。
そして、何を書いているのかわからないのに場面が生々しく頭に浮かぶ不思議な感覚に陥ることも読み進めたいと思えるその要因なのかな?と思います。
結局何がどうなっているのか理解できないのですが、そのもどかしさも含めて楽しいという何か不思議な作品だなと思いました。
本作品の面白さの秘密はいつか解き明かしたいと思いつつ、恐らく本作品集が面白く感じるのは、私が普段表に見せない、なんなら私自身も気がついていない私自身の抱えている残虐性をくすぶるからではないか。
そんなことを思いながら、アダムとイヴもきっと今の私みたいな気持ちで禁断の果実に手を出したのではないか。たとえ楽園を追い出される結果になったとしても。
そんなことをふと思う作品でした。
そう、きっと本作品は禁断の果実なのだと思います。
※ブクログに掲載した感想を転載しております
タイトルと表紙に惹かれて購入した作品。
今思い返してみてもわけがわからなかったなというのは正直な感想です。
しかし、結構残虐なところがあるのに、どこかその残虐さを楽しむ自分がいる。
そういう内面に気が付かされる作品だなと思いました。
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