幼い日に兄を水難事故で亡くした主人公が、亡くなった兄の残した言葉と、あの時ドローンがあれば兄を救えたという思いを胸に、ドローンの操縦教官となる。
入社した会社は救助用のドローンを開発した会社で最先端のドローンを操縦できる主人公はある日、地下5層にもなる、近未来的な施設の地上イベントで活断層による地震が発生する。
地面に亀裂が走り、地下層にも大きな被害が発生。地下水も漏れて、溢れ、地下シェルターが地下3層にあるのですが、地下5層目〜地下3層目まで水が浸水するまでタイムリミットは約6時間。
それまでに、3層以下にいる要救助者をシェルターに誘導しなければならないのですが、その要救助者はなんと目は見えない、耳は聞こえないという重度障害者。
本作品は救助用のドローンを主人公が操縦して要救助者を救出するミッションを抱えたミステリーです。
まず、驚いたのは、ドローン、災害、重度障害者でミステリーが成り立っているところが凄いなと思いました。
私が本作から感じたのは「先入観」です。
ミステリーなのでネタバレは避けたいところ、ミステリーを読むときって、読みながら、大体何らかの違和感と先入観を抱くものだと思うんですが、本作もその先入観こそがキーワードになっていると思います。
これは私も自分自身で思ったのですが、私自身も結構先入観を持っているなと。
これはこうあるべきだとか、あれはあああるべきだとあまり決めつけることはないと思っていたのですが、結構決めつけて生きてるんだなぁと思いました。
また、主人公を縛る亡き兄の言葉から一瞬、某有名バスケ漫画の「諦めたらそこで試合終了ですよ」が出てきたのですが、安西先生の言葉の意味は決して、「無理だと思ったら試合終了」という意味ではないということ。
この意味を確かめてみたいと思われた方は是非、本作品を読んで欲しいなと思います。
おそらく、この意味、わかっていただけるかと思います。
※ブクログに掲載した感想を転用しております。
少し想像力が必要なところはあるものの、こういうのもミステリーになるのかと思った作品。
感想にも書いたように「先入観」を利用しているのも面白いなと思いました。
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