圧倒的身体能力をもつ吸血鬼がとある理由からサーカス団を襲う。
襲われたサーカス団は日頃の鍛錬と知恵で、吸血鬼と対峙する。
果たしてサーカス団員達は生き残れるのか?
これはサーカス団員達が生き残りを賭けたサバイバルホラーです。
臓物は飛散りまくるので、グロよりのサバイバルホラーかな?と思いました。
ただ、グロは前半が多めで、後半は慣れからかそんなにグロさは感じず、食事しながら読めるくらいには余裕にはなりました。
サーカス団員達が吸血鬼と戦う時の描写が面白く、生き残るために、あるいは仲間を逃がすために、あるいは吸血鬼を倒すためにどんな自分の能力を使って、どんな有利な状況に持ち込むのかを考えながら吸血鬼と対決するところが個人的には楽しかったです。
将棋の終盤戦で相手が間違えなければこちらが負ける状況で相手を間違えさせるために必死で考え抜いてもがいて活路を見出すという感じに似てるなと思いました。
本作から感じとったのは、完璧なものなどないということ。結局、完璧だと思って100%成功すると思った奴から脱落していくということです。
皆さんがご存知の『ウサギとカメ』
普通にかけっこしたら絶対にウサギが勝ちます。しかしウサギはカメに負ける場合がある。なぜ?
この話での教訓は私は3つあると思っていて
①100%勝てる勝負でも油断すると負ける
②諦めなければ負け戦も勝てることがある
③読めない想定外のことが番狂わせを起こす
③は私の中でウサギと亀でいうと、亀が休憩も取らず歩き続けたことやウサギが寝過ごすとは思っていなかったことなどです。
本作品を読んでいて『ウサギとカメ』の話が思い浮かんだのもあながち偶然ではなく、本作品には普通に戦えば勝てるはずの吸血鬼がいくら人間で身体能力高めのサーカス団員達に苦戦を強いられるのはまさにウサギとカメの構図に似てるからじゃないかと思いました。
そして、読み手はカメが活躍する姿がみたい。ウサギとどうやって戦うのかを見守りながら。
また、100%成功するということは思い込みであり、過信であるということ。どんなに自信があることでも、失敗した時の対策を考えておくということの大事さを教えてくれる作品なのかもしれません。
※ブクログに掲載した感想を転用しております。
改めて自分の感想を読んだ時に本作品を「ウサギとカメ」に例えていたということはびっくりとするんですが、まさにそういう作品ですよね。
しかし、本作品は記事を投稿する2か月前に読んだんですが、面白かったなぁと改めて思う作品です。
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