徒然なるまま読書感想ブログ

日々読んだ本の感想ブログです。小説、ビジネス書、ライトノベルなど通勤中、休日に読んだ本の感想を自由に書いていきます。

Gate-自衛隊、彼の地にて、斯く戦えり 接触編(上、下) 感想

2015-07-18 06:47:57 | GATEシリーズ
ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編〈上〉 (アルファポリス文庫)
クリエーター情報なし
アルファポリス



「か、勘違いしないでよねぇ。ただの虫除けぇ、カムフラージュなんだからぁ!!」



 今回は、もう何年くらいたつかわからないくらいに前から気になっていたGATEを読んでみました。


 前から気になっていた理由は、剣や魔法やトロール、エルフなどがはびこるいわゆるファンタジーな異世界とそこに迷い込んだ自衛隊(当時のイメージで実際はそいう話ではない)がどんなふうに困難を乗り越えていくのかというストーリー?が面白そうで読んでみたいなと思ってたからです。


 そして、読まなかった理由は、発刊された当時、1冊がめちゃめちゃ分厚くて持ち運び辛そうというかんじだったからです。基本的に私の読書は外で行うことが多く、家の中でじっくりというのは実はあまりないので、当時、この本のサイズや厚さをみて買う気を失ったことを思います。


 今や、文庫版が出て上下巻とわかれてコンパクトになった上に価格も新品という前提ならハードカバーの時よりもお買い得になっていますので、何をためらうことがあるのか?という感じで早速この世界に飛び込んでみました。


 そんな、異世界ファンタジーもののレビューをしてみます。


①あらすじ、概要みたいなもの


 20××年ある日、銀座の一等地に門が出現。門から出てきたのは、騎士に魔導士に家畜のトロールなど剣と魔法のファンタジー世界の住人達。彼らは、門の向こう側から日本を我が領土とするために攻めてきて、銀座の無抵抗な方々を大量に惨殺します。


 そんな攻めてきた彼らは自衛隊によって鎮圧、逮捕されます。さらに政府は門をくぐってくる向こう側からの敵を封じ込めるため、自衛隊を門をくぐったむこう世界である異世界(ファンタジー世界)へ派遣し、圧倒的な武力差により確保します。


 日本政府は、攻めてきたむこう側の世界を調査し、覇権を握っている相手と和平交渉できないか、資源はどういうものがあるのかなどを探ることになります。


 そんな中、銀座襲撃で皇居を利用したりして多くの人を救った自衛官の伊丹(主人公)とその一行は異世界を探索する任務に就き、ドラゴンたちから現地の人々を守り抜いたり、人道的支援などをして和平交渉への道を模索していくという話になります。


②感想


・痛快な自衛隊無双


 ファンタジーv.s.自衛隊という構想で、人間同士の争いでは移動手段は馬、武器は剣や多少の魔法のファンタジー世界の住民たちに対して、こちらはひと世代前の武器とはいえ射程、範囲、威力ともに上回る銃火器が主流の自衛隊。どちらが勝つのかは火をみるよりも明らかということで、ファンタジー世界の戦士たちを自衛隊がこちらの犠牲なしで約12万人(18万人?)ほど壊滅させます。


 その様は圧巻で、自衛隊の活躍っぷりは半端ないです。


 また、人道的支援をモットーとする我が国の自衛隊の活動が妙に誇らしく思えるそんな仕上がりになっていると思います。ほんと、難民キャンプで自衛隊活動の活動がノンフィクションに基づくなら、人道的支援のみの何がいけないのか?と思うくらいに十分な国際的貢献を自衛隊はやっているのではないかと思うほど、好ましい自衛隊の姿が見られます。


 私も、憲法学上、自衛隊の存在は戦力の保持にあたると考えているので、自衛隊自体を保有するならそれなりの憲法改正が必要であると考えていて、まして戦闘地域に戦力である自衛隊を派遣するのはだめだろうと考えていたのですが、こういう活動が実際にされているのであれば解釈上だめでもありだなと思うほどには魅力的にみえました。


 ちなみに、私は軍関係のことは全く分からず、何ミリの銃などはさっぱりわからない上、日本の自衛隊みたいな軍隊が出てくる話で読んだことがある作品と言えば『図書館戦争シリーズ』くらいですが、そんな浅い知識でも面白く読めました。



・エルフ、神、賢者などの美少女たち


 おそらくヒロインにあたるであろう美少女はエルフであったり、神様の卵であったり、超天才の賢者であったりと多種多様です。


 ヒロインではないですが、猫娘に兎娘などなど、ケモナーもうならせるほどの美女揃いで、ファンタジー世界、楽しそうだなと思える要素が満載です。



 ちなみに、私は年齢9××歳のロウリィ派です。ババア、俺だぁ~、結婚してくれ!!


・1巻の分量とは思えない、圧倒的読み心地


 文庫版は、ハードカバー版を上下巻という形で2冊にまとめたものなのですが、上下の片方だけでシリーズものなら1巻分丸々読んだよ?と思うくらいにボリュームがあります。ハードカバー版の分厚さにも納得しましたが、もう少し小分けに出せなかったのかと思うくらいに上下巻の分冊はありがたいです。


 ほんと、通勤中に取り出して読みやすいので。


・愛国心?


 この作品を読んで、自衛隊がファンタジー世界で活躍すると自衛隊強いなと思いますし、人道的な支援をすると誇らしく思えますし、日本の文化をファンタジー世界の人が触れて驚くたびに、日本って豊かで良い国だろ?と思います。


 感覚では、サッカー日本代表を応援したり、オリンピックで日本の選手を応援したりして、勝ったら誇らしく、負けたら口惜しさ交じりに選手たちにお疲れ様という気持ちに近いなと思います。


 この作品は、まさにそういう感覚を呼び起こしてくれるので、今の安保理はどうこうだの外交が下手だの、自衛隊はただの飾りだのと散々思いながらも、やっぱり自衛隊が活躍するとうれしいですし、ファンタジーな世界であっても日本の文明凄いなとむこうの人々に思ってもらえるというのがすごく誇らしく思えるので、なんだかんだ言っても私は日本人で、自分の国が活躍するとうれしいなという気持ちを思い起こさせてくれました。


 これぞ、某首相がいう愛国心ではないだろうかと思います。ジャンルがライトノベル?だからと言っても、こういう設定こそライトノベルでしか味わえないものだと思いますので、個人的には気に入っております。


③まとめ


 と、主人公や登場人物周りの感想は敢えて書かず、自衛隊関連の感想でまとめてみました。


 主人公自体も魅力があるのですが、門の中で奮闘する自衛隊、アメリカ、中国、ロシア、ヨーロッパなどとの外交対立などなど、見所が結構満載で、読んでいて楽しくなりました(現に私はこの感想を書きながら3巻の上を読んでいるくらいにはまっています)。


 ミリタリー物好きや、外交もの?好きなどの方には物足りないのかもしれませんが、ドラゴンと戦う自衛隊、猫娘やエルフに人道支援する自衛隊など興味があれば読んでみるのもありだと思います。

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