両親に虐待されている中学生少女の沙耶。
彼女はある日の下校中に誘拐される。
裕福な家庭でもない沙耶の家庭に要求される身代金は2,000万円。
しかも、不思議なことに、誘拐犯はヒロインを監禁するものの丁重に扱う。
誘拐犯がヒロインを誘拐した目的とは?
ヒロインの監禁生活パートと警察の捜査パートに分かれており、どちらも読みやすくて次々と読みたくなる内容。
ヒロインの両親のクソっぷりもなかなかですが、そのクソっぷりがヒロインの監禁生活をより際立たせているなと思いました。
また、読み進めていくと深まる謎、なぜ誘拐したのか以外の謎も出てきて、あっという間の300ページ弱でした。
この作品のヒロインに対する感情は何なんだろうか。
虐待されていることに対する哀れみなのか、哀しみなのか、不憫で同情しているのか、単に幸せになってほしいと思っているのか。
虐待されずに育った私にはなんとも言えない感情になりました。
でも、タイトルの通り、夜に同じ星を見ているはずなのに、星の下では過保護過ぎるくらいに愛されている子もいれば、こんなに寒いのにベランダに追い出されたり、食事すらろくに取らせてもらえない子供もいる。
安らかに眠れる子供もいれば明日朝無事に起きれるかすらわからない子供もこの日本にいるということ。
こんなことを普段私は想像することもなく生きています。
虐待で亡くなった児童のニュースが出るたびに、可哀想だとか、児相は何をやっているのかとか思うだけで。
しかし、本作品を読んで、今、虐待で苦しんでいる子どもたちに私には何もできませんが、唯一できることがあります。
それは、どうか生きてほしいと祈ること。
そんなことしかできませんが、そんなことでもやりたいと思えるそんな作品だと思いました。
※ブクログに掲載した感想を転載しております
今思い返してみても、なかなか胸糞が悪いというのも本音ですが、まだ救いはあるお話だったのかなと。
誘拐されたヒロインの境遇に胸が痛くなったり、どうか同じ境遇の子供たちが幸せになってほしいなと感じるそんな作品だったなと思います。