先日、G辻丸の社長より「以前から介護(福祉)タクシーの事業について色々と考えさせられることが有り、もっと公的機関に要望なりを話す機会を作ろうと思ってたが、今回ようやくその機会を持てたのであなたの日頃感じてる思いや要望を書面で出してくれ。」と連絡が有った。私も前回のblogにも書いた通り、どうしたらいいのかと思う事や腹立たしい事が鬱積していたので、これはありがたいとばかりにその夜必死で深夜1時30分までかかって書き上げた。翌日夕刻急いで書面を本社に届けて「どうかいい方向に行ってくれればいいのだが…」とわずかな望みを胸に帰宅した。その後、話しがどのように進んだかはわからないし、たった一度の話しでどうこうできるものではないからと今後に期待することにした。
私としては、とにかく日頃の思いをぶつけさせてもらっただけでもありがたいと、鬱積していた心の内が少しスッキリした。そこで、どうせならその文面をこのblogに公開するのもいいのではないかと考え以下に出させていただいた。出来ればどなた様からのご意見も頂戴したいと切に思う次第です。
下関市地域における介護(福祉)タクシーの現状と問題点
令和6年11月時点で旧下関市域において介護タクシーを事業展開しているのは13業者である。その中でも介護タクシーを専門としているものが8業者、残りの5業者は一般タクシー会社が福祉車両を保有して兼業しているものである。
これは近隣の市町村を比較した場合、異常に少なく高齢化が進む現在において早急に改善されるべき問題である。特に山口県は他県に比べて高齢者比率がかなり高いと聞く。具体的な例を挙げると、本来タクシー業者はこの地域の場合下関市全域が営業地域となるので旧豊浦郡地域(豊浦町・菊川町・豊田町・豊北町)も下関市に属するので、仮に要請が有ればその地域にも出向かわなければならないはずである。現在知るところでは旧豊浦郡全域でも介護タクシー業者は2~3件であるという。従って当社などは旧下関市の中でも一番豊浦郡域に近いので要請が頻繁に有る。こちらとしては折角電話頂いたのだから行ってあげたいと思い内容を尋ねると当社から20km先の老人施設或いは個人宅に迎えに行って、そこからほとんどが3~4kmの医療機関への送り、そして大体2時間後位にまた迎えに来てくれというもの。現実にこのような依頼を受けて事業が成り立つと思われるのか疑問である。
【例】ある日の行程表
9:00 下関医療センター(上新地)⇒ 9:30 グループホームあやらぎ(綾羅木新町)
10:00 関門医療センター(長府) ⇒ 10:40 ハートケアきらら(福江)
11:00 老人ホーム山茶花(安岡) ⇒ 11:10 有松医院(病院で待機)
11:40 有松医院 ⇒ 11:50 老人ホーム山茶花
12:20 長府中浜町 ⇒ 12:30 牛尾医院(長府)
13:00 伊倉町 ⇒ 13:20 済生会病院(安岡)
13:40 牛尾医院(予想) ⇒ 13:50 長府中浜町
15:00 長府川端町 ⇒ 15:10 松永医院
15:30 済生会病院(予想) ⇒ 15:50 伊倉町
16:00 松永医院(予想) ⇒ 16:10 長府川端町
帰りの迎えはあくまで予想の時間であり早くなったり遅くなったりするのは当たり前である。時間の割り振りは順調に進んでの計算であり、途中渋滞や事故などが有れば大幅に遅れてしまうのである。このような状況では片道40分以上かかるような遠方へ迎えには行けない。まして「終わりましたから迎えに来てください」と言われても不可能である。かと言って先方で待っているような余裕もないし、待ち時間分をもらえる訳でもない。仕方なく「申し訳ないのですが、採算が取れないのでお受けできません。」と返答すると「近いと行けないというの‼」と罵声を浴びせられることもある。
当然、我々に昼休みなどほとんどない状態。待たせる30分はあっという間で、待つ30分は長く感じるものであるから己の食事など考える時間もないのが現実である。もっと同業者が増えてくれれば情報の共有でお互いが協力し合って対応できるものが対応するという最もベターなグループ化が出来るのである。
実は下関市域に介護タクシーが増えない原因には、他地域に比べて料金設定が異常に低すぎるのと、各業者の料金設定がバラバラであることだろうと思う。新たに開業を目指すものからしたら不安以外の何物でもないし、一般的に介護タクシーに対する理解度が低いのが原因で介護タクシーの付加価値を認めていないようである。福祉関係のスタッフでさえほとんどわかっていない人が多くあるのが現実である。お隣りの北九州市では介護タクシー業者は飽和状態で顧客の取り合いが出てるとさえ聞かされる。
以前、余りに郡部からの問い合わせが有るので、初めは多少の赤字覚悟で郡部担当の介護タクシーを作ろうかと、市の都市計画課交通政策室というところを尋ねたことが有る。郡部からの問い合わせが多く、困っている方が多いと思われるので郡部を中心に活動する介護タクシーを作りたいので、市として何らかの補助や協力を頂けないかとお願いしたが、「既にコミュニティバスなどで補助などをしてあるからこれ以上は無理です。そちらでご自由にやるのはいいですよ。市としては何もお力になれません。」と素っ気なく対応されて断念した記憶がある。
その他で、最近非常に気になっているのが公共機関の我々に対する扱いである。以前コロナ禍でタクシー業界が壊滅的な打撃を受けた時、一般タクシーは国などから色々と援助が有ったが、我々が相談すると全くの門前払いであった。打撃を受けたのは我々も全く同じなのにあなたたちは対象外ですと無視された記憶がある。
しかし、県や市町村などで何らかの企画が有った時はわざわざ出向いてこられて、「このような企画が有ります。どうかご理解いただいてご協力をお願い致します。」と非常に丁寧に来られる事には開いた口が塞がらない。
それと最近かなり頭に来たのが、「〇〇病院です。△月□日〇時に患者さんを△△へ送っていただきたいのですが予約取れますか?」「今現在でしたらお受けできますよ。」「では押さえておいてください。その前に料金の見積りをお願いいたします。あと数社に見積りを取ってその中で一番安い業者さんへお願いすると市の担当者の方が申されました。」ムカッと来て「ごめんなさいね。あなたが悪いのではないですけど、我々は同業者同士でお互い助け合って営業してますので、こんなことであいつが取りやがったとか言われると後々困ったときに助けてもらえなくなります。そういう仲間割れを助長する方の依頼はお断りします。仮に見積りを出した場合、結果が出るまでその日は空けておかないとならないから他からの依頼は受けられないでしょう。挙句に他に取られたら全てゼロですし、まして他社に決まったという連絡すらしてくれないでしょう。そんな非常識な依頼は今後一切お受けしませんのでよろしく。」こんな親方日の丸的な考えの人間がこの福祉業界にもたくさんいるのだと残念。本当に福祉を考えている者のすることではないと思う。
文中に前回のblogの内容と同じ部分があることはご容赦願いたい。