最初の『私はカリスマではない』、次の『監督はモチベーター』も
素晴らしい話でしたが、いずれも素晴らしい話ではありながらも、
スマートな話できれいに収まっている印象。そういう意味では、
失礼極まりないのですが、少し物足りなさがあったのに対して、
最後の話で眞鍋監督の執念を感じることができました。
最後の話は『やれることはすべてやる』です。
まず、オリンピックでメダルをとるために日の丸の重みをしっかり
選手が感じなければならないという考えから、知覧特攻平和会館へ
選手全員を連れて行ったそうです。選手それぞれに思うところが
あったのではないでしょうか。
監督就任当初に松平康隆名誉顧問の「常識の延長線上には常識しか
ない。金メダルをとるには非常識を常識にしなければならない。」
という言葉をかけられ、リスクや新しいことへの挑戦を積極的に
すすめたということです。
そして、手を付けたのは客観的データから世界で通用するところを
磨くことに徹することとし、ロンドンオリンピックまでの3年間は
男子選手の強打レシーブを受ける練習を欠かさなかったそうです。
これが平均身長が出場チーム中最下位の日本がロンドンでメダルを
とるための原動力となりました。
そして、ロンドンオリンピック直前に選手12人中10人の背番号を
変更しました。他のスポーツでも背番号は固定する流れですが、
相手が少しでもやりにくくなるようにという作戦です。僕自身も
学生時代は相手がわかりづらいようにレギュラー全員の背番号を
二桁にしたことがあります。
ただ、眞鍋監督はさらなるアイデアを持っていました。それは、
選手全員が同じ髪型にして相手をかく乱すること。これは効果は
ありそうですが、選手も含めて議論した結果、実現することは
なかったそうです。眞鍋監督は、これをやれば金メダルだったかも
しれないのにとつぶやいていました。
『やれることはすべてやる』という話、眞鍋監督が繰り返し使った
言葉に言い換えると『執念』です。執念があれば、やれることは
すべてやろうと考えるでしょうし、何かやれることはないかと頭を
フル回転してアイデアを絞り出すはずです。
非科学的かもしれませんが、大事を成し遂げるにはやはり『執念』
なのでしょう。それを再確認できたことは、この講演会に参加して
よかったと思いました。
やはり、きれいごとだけではどうしようもなく、必死であったり、
泥臭かったり、それでも何とかしたくて汗かき知恵を絞る、そんな
中で活路が見えてくるのでしょうね。
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