Minuma Factory

趣味のひとつ、電子工作、アマチュア無線を中心を紹介する自己満足ブログです。

FT-1000MP修理

2018-05-06 20:25:36 | 修理・レストア
久しぶりの更新です。

自作ネタではなく、無線機の修理ネタです。
同じような症状をお持ちの方の参考になれば と思い、アップします。


ヤフオクで買ったFT-1000MPですが、運用していると急に送信できなくなることがあり、「しまった~ やはり中古は危険だったか・・・」と凹んでいました。

症状は次のとおり。
1.7MHz帯で途中まで交信していたものの、突然送信ができなくなる。
  (マイクを握っても無線機本体の出力計もSWR計も動かない。 外付けも同じ)
2.モードを変えても症状は一緒。
3.モニタースイッチをONにすると、自分の声は聞こえる。
4.他のバンドに切り替えるともとに戻る。
5.再度7MHz帯に戻すと、やはり送信できない。
6.しばらく(30秒ほど)すると戻り、送信できるようになる。

という内容でしたので、送信の制御系では? と疑い、20年前の無線機で修理受付
は終わったと知りつつ、望みをかけてメーカーに問い合わせをしました。
答は案の定、「もう20年前の無線機ですし・・・」←なかなか「修理受付は終わりました」
とは言わない。

その後も症状が再発し、さらに詳しく観察すると、
6.無線機本体のメーターをIC(コレクタ電流)はそれなりに振れている。
7.症状が出るとき、終わるときに、小さなリレー音がする。

というのがわかり、回路図から追っかけた結果、PA後のLPFのリレーが作動しなく
なり、GNDに落ちているのでは? との予測をつけました。(その後に出力計、SWR計
の検出部なので、出力計も動かないのは当然)

改めてメールでメーカーに上記症状を伝えたところ、予想はあたっているのでは?
との回答。 過去に経時劣化でハンダ不良が発生した実績ありとのこと。


で、やりました。


まずは、LPFユニットを取り出します。 電線が数か所から出ている関係で、一度に引っ張れないのが辛いところ・・・



リレーがたくさん見えるのが、LPFユニット


裏返して見てみると・・・  ありました!

ちょうど、ツールのさきっちょ辺りです。

マイクロスコープで見てみると・・・

すごいですね~ ここまでハッキリと! というか、撮影用にちょっと力をかけてみました。でも、肉眼でも「これは・・・」といった感じです。


ただ、回路図も不親切に(?)、どのリレーが7MHz帯なのか書いておらず、コイルのまき方から想像すると、この部分は3.5Mhz帯? だとすると、隣か? と思ってみると、ほぼ全てのバンドにおいて、ハンダ外れが確認できました。(ハンダ全体が均一の色でなく、径の中間ほどで、1周、黒い円が見られる。←クラックが入った場所が黒く見えるのでしょう)

ということで、全てハンダを追加し、また吸い取り線で吸い取り、改めてハンダを入れました。
リレーのリード線にハンダごてを付けると、リード線のハンダは溶けるものの、ランドのハンダは固まったまま。 明らかにクラックが入っていたということです。 とてもわかりやすい。

ちなみに、ランドのホール径とリレーのリード線径がどうみてもあっていない様子。 このリレー、改良か何かで初期型と変更になっているようで、基板の穴はそのままとなって、最終的にアンマッチとなったのかと勝手に想像しています。(リレー自体は密閉型で信頼性は上がった)


元に戻して何時間か使ってみましたが、大丈夫なようです。

他のリレーも同じような状態だったので、遅かれ早かれ同じような症状になっていたかもしれません。

安く修理ができてよかったです。 そして、PAが飛ばなくてよかったです。 何しろGNDとショートさせたまま100W出していたのですから。(パワー検出部まで信号が行っていないので、制御がかからない)
出費は念のために買った中古の回路図、コンデンサのショートモード故障(あるとは思えんが)を疑って買った積層セラミックコンデンサ、スイッチングトランジスタ故障を疑って買ったトランジスタ、合計約2000円でした。 結局、部品交換はしませんでした。


以上、同じような症状の方はご参考まで。

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