以前の卵巣嚢腫の手術について書いた記事の続き。
【卵巣嚢腫】
正義感と情熱、優しさを持った女医から手術に空きが出来た連絡を夜遅く受け、迷いなく「おねがいします!」と返事をした。
実は母親に卵巣嚢腫があり、ひとつはすでに破裂してることを言えないでいた。
しかし同意書が必要で、言わざるを得ず、母に同意書と付き添い人のお願いと病気の報告の電話をした。
ギリギリまで電話ができなかった。
母が悲しむことが嫌で。
電話をかける。
母が出て今回の説明とお願いをした。
母は心配と驚きで泣いた。
そしてこう言った。
「あなたはお母さんが心配するから言えなかったんだね。お母さんはいつもあなたが心配で、お母さんが心配性だから、言えなかったんだよね。お母さんのせいだね。ごめんね。ごめんね。」と。
私も堪えていた涙が出て泣いた。
「お母さんに心配かけたくなかったのに、こんなことになってごめんね。東京まで遠いいのに、ごめんね。」
と言った。
年老いた母はまだ工場で働いている。
こんな年になってまで、母に迷惑をかけることが苦しかった。
母には休みの調整をして1日、手術の当日だけいてもらえるようにお願をいした。
あとは先生やナースたちがいるからこれ以上の安心はないから、お母さんも安心して病院の皆様に私を預けて、手術が終わったらすぐ翌日の仕事のために戻ってね。
3時間くらい帰宅までにかかるんだから。
そう言って、退院まで側にいたいという母の気持ちを説得した。
手術前のいつか、母が上京して先生から手術についての説明を受ける。
先生にはこれまで不眠症や精神安定剤を飲んできていることは言わないで欲しいとお願いした。
そしてまた数日後、手術当日に母は上京してくれた。
手術前夜、いくつか検査をし、食事は摂らず下剤を二回飲む。
が、私の場合はナースいわく、血圧が低すぎて、一回しか下剤が飲めないとのことだった。
不眠症の私は結局一睡もせずに手術当日を迎えた。
不眠症とメンタルの薬を飲んでいたため、エリゾンチームが組まれた。これは医者と精神科が連携して患者を支えてくれるチーム。
ありがたかった。
【引用】
“リエゾン”とはフランス語で「連携・橋渡し・つなぐ」を意味する言葉です。 精神科リエゾンチームは、身体疾患で入院中の患者さんが何らかの精神心理面の問題を抱えた場合に、精神医療と身体医療をつなぎ、担当各科の医師や看護師と「連携」しながら支援を行っています。
手術は朝9時か10時からおこなわれた気がする。もう少し早かったかな。
手術時間は5~6時間だった気がする。手術後、麻酔から目覚めるため、一時間くらい手術室近くの部屋で待機させられている時間も含む。
手術は腹腔鏡手術。だが、途中で開腹手術に切り替える必要がある可能性があった。そのとき、母の同意書が必要となるため、手術室前で何時間も母は待っていた。
その時の母の気持ちを思うと、いたたまれなく、苦しく、手術をうける自分より痛みをともなっただろう。
苦しかっただろう。
娘に対して何もできなく、ただこうして固い手術室の前のパイプ椅子に座り、ただただ祈っていただろう。
そして母の中でたくさんの後悔をしてしまっただろう。。
本当に一番苦しかったのは母にこんなことをお願いしなければ、いけないことだった。
つづく
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます