T.Kのオーストラリア漂流記(麻雀)
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週間少年ベジータ

 

■第⑭-②話■
『筋肉の向こう側』 中編

 


・・・強さとは・・・強さとはいったいなんだろう・・・

 


2007年3月9日、、、タイツはついに『ミルデュラ』を発つ。。。


「タイツ」:
痛ぅ、、サムに折られた腕がまだ痛む。。。


タイツは瞳を閉じる。。。。。瞼の裏にはあの惨劇が蘇る。。。。。


「サム」:
残念だよ、、、、タイツ。。。。


そういって、サムはタイツの右腕をへし折った。。。そして、床でもがいている哀れなタイツに言った。

 

「サム」」:
なあ、タイツ、、、、強さとは、、、、強さとはいったいなんだろう。。。。俺は、、生涯、誰にも敗けたことがない、、、、だが、、、未だに、、、その答えがわからない。。。お前と戦えば、、その答えがわかるんじゃあないかと思ったが、、、期待はずれだったようだ。。。

 

、、、『負け犬』、、、こんな惨めな思いで、、、『ミルデュラ』を発つ、、、のか、、、オレは、、、、何だね、、この惨めな、、、思いは、、、、、、、ちくしょう、、、許さねぇ、、、、絶対に、、、どんなに汚い手を使ってでも、、、奴を屠る!!!


それからというもの、、タイツのトレーニングは想像を是する内容だった。。。

1日30時間、、ひたすらサンドバックを打ち続ける、、、その見つめる先はサムの貌。。。
一般的にオーバーワークは逆に筋肉が萎むと言われているが、、、筋肉に敬虔なタイツは信じない。。
そんなのは凡夫の例だ!! この世には例外がある!! オレがその『例外』になってやる!!

そして、日に30時間という矛盾が、、、タイツを、、、更なる高みへと押し上げた。。


まってろサム!! このオレを殺さなかったことを後悔させてやるぜ!!! こんどはアンタが汗を掻く番だ!!


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そして場所はシドニー、、、6ヶ月ぶりのサムとの再会。。。サムにとってのタイツはもはや過去に屠った相手、、取るに足らない者という認識があるだろう、、、たしかにソレは解る。

あんたにやられた奴らは、、それ以降あんたに歯向かう事はなかっただろう、、だが、誤算だったな、、、タイツはあんたにとって『例外』の存在だ!!

ホテルの一室に二人の鬼、、、まさに呉越同舟。。


「淡路」:
この部屋のベランダ、、広くて快適なんだが、、、どうも最近鳥共が居ついちゃってよぉ、、うざいぜ。。


「保険医」:
ホンマや、、ぎょうさんおるね。。


「サム」:
HAHAHAHA


「淡路」:
されにしてもサム、、、また強くなったんじゃあないのか、、、解るぜ!! 実は俺も、、最近筋トレしてんだ。。サムが昔俺にこういったよな、、、「淡路、、お前は生まれつき筋肉がある、、筋トレをしろ、、もしかしたら俺を超えるかもな」って、、、


「サム」:
ああ、、言ったな。。。


「淡路」:
どうかな、、、俺は、、、サムのライバルになりえるかい?


「サム」:
ふっ、、思えば俺たちは似たもの同士だったな、、、、ボクシング、、暴走族、、、社会の食み出し者として、、、、なにもかも暴力で解決してきた、、、


「淡路」:
だが、あんたには大きな欠点がある・・・・・・そして俺にも・・・


「サム」:
その通りだ・・・俺たちは・・・いい年をして・・・


・・・喧嘩に敗けたくない・・・

 

サムはゆっくりと立ち上がる。。。。

 

「サム」:
幼年から少年となり・・・少年を経て青年となり・・・やがては大人に・・・・・・その成長過程のどこかに置き去られるはずの・・・『喧嘩に勝利たい』という決定的未熟・・・大人になり・・・キャンディを欲しくなくなった・・・おもちゃで遊ばなくなった・・・鬼ごっこをしなくなり・・・カードダスを集めなくなった・・・

それでもなお・・・・・・喧嘩だけが残った・・・・・・・・・


「淡路」:
そんな共通点を持つ二人だが・・・決定的な差が一つ・・・・・・


そう言うと、、淡路は音もなく前進する、、、踏みこんでのダッシュではない。
力みの少ない古流武術のような動き、、淡路は本気だ。本気でしかけている!!

 

「タイツ」:
ふうー、、


だが、サムと淡路の間にタイツが割りこんで二人を止めた。淡路の右手はすでに殴る体勢になっていた。


「タイツ」:
お二人がともに、、、サイコーの好敵手(ライバル)として、、、強敵として、、、ここに出逢ったことを、、、、心から祝福、、、、、、って、、、、、

テメエら俺を嘗めてンのかよッッッ!!!!!!!!

 

タイツののりつっこみが周囲を緊張させる。。。

 

「タイツ」:
黙って聞いてりゃよう 俺を嘗めてんのかッ!!!
喧嘩だけが残った、、、、とか、、、、、共通点だとか、、、サイコーの好敵手だとか、、、、喧嘩する前にくだらねぇ口上たれてんじゃあねぇええ!!!!

喧嘩ってのはよぉお!!いつだって単純なんだよ!!お前らは誰かに『ヨーイドン』って言われなきゃ喧嘩できないのかよぉぉお!!!

 

「淡路:
なっ!なんだてめぇ!!横からしゃしゃり出やがって!!サムは俺の獲物だ!!

 

「サム」:
フッ、、敗北を知って一皮剥けたようだな、、、悪いな淡路、、、お前よりも、、こいつのほうが『美味そうだ』。。。

 

「淡路」:
なっ!!

 

「サム」:
タイツ、、あの日、、俺が言った問い、、、もう一度聞こう。。。

『強さとは、、、、強さとはいったいなんだ。。。。』

 


「タイツ」:
『強さ』とは!!!!  『自己(おのれ)の意を貫き通す力――』、、『我儘(わがまま)を押し通す力――――』!!!俺にとっての強さとは!!!そういうものだ!!!!

 

 

「サム」:
、、、、、それが本当なら、、、俺は、、、一度も、、勝ったことがない。。。。

ははははは!!! 喜劇だ!!!!  最強を望んで以来、、、、勝利を飽食し尽くすしていると思っていた俺が、、、実は、、、ただの一度も勝ったことがない!!!  これを喜劇と呼ばずに、、、なんと呼ぼうか!!!!

タイツ、、、、、、君に、、、、、、勝ちたいな。。。。

 

 

「保険医」:
サムがリアルになった。。。 なっ!私の『スパウザー』が『530000』という数字をたたき出したで!!


「淡路」:
スパウザー? なんだそれは?


「保険医」:
平たく言うと、、相手の戦闘力を数値化して測る装置や。。


「淡路」:
なるほど、、平たく言うと、、スカウターだな。。。 ところで『530000』ってどの程度なんだ?


「保険医」:
超人強度に換算すると『7800万パワー』や!!


「淡路」:
ゲエエ!!! 『マンモスマン』じゃあねぇかー!!!


「保険医」:
あっ! いつのまにかにベランダの鳥がみんないなくなってるだよ!!


「淡路」:
無理もねえな、、サムのあんな暴力的な殺気を真正面で受け止められる道理はねぇ、、、お、、俺だって、、、


「保険医」:
えっ、、なんやて?


「淡路」:
なっ!! なんでもねえよ!!!

 

サムとタイツはお互いの右手を出す、、、そして組む、、、、もう以前のように敗北を直感しなかった。。。

 

その瞬間タイツとサムが世界から遮断された、、、周囲の音が意味をなくす、、、、薄い光に包まれた箱の中にはタイツとサムだけがいる。。。。

 

「サム」:
さあ。。。


「タイツ」:
死ぬにはいい日だ。。。

 


続く!!!

 

 

参考書籍:

『範馬刃牙-SON OF OGRE-』

『疵(きず)- 花形敬とその時代』

『トゥギャザーアローン』

 


今日の一曲

the used   im a fake!!


http://jp.youtube.com/watch?v=0w5D957u5Gk



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