T.Kのオーストラリア漂流記(麻雀)
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週間少年ベジータ


■第⑭-③話■
『筋肉の向こう側』 後編

・・・勉強ができなくてもいい・・・仕事ができなくてもいい
・・・だけど・・・喧嘩にだけは敗けたくない・・・


「保険医」:それにしても、もう15分以上たっているで、、一体なにが起こっているんや?

「淡路」:二人とも、、、化け物ってことだ。。。

「サム」:ブラボー!! おおブラボー!! タイツ!!やはりお前は面白い!! 俺とここまで張り合えるとは!!!

なあ、タイツ、、、人はそれぞれに生まれつきの基本的な性格を与えられている。これを例えるならば、、一人一人が自分の内側に、、めいめいの動物を飼っているようなものだろう。。ある者は勤勉なリスを、、、またある者は狡猾な狐を、、、別のある者は臆病な羊を、、、、その動物を飼いならしていくのが、、、人間にとっての成長だとオレは思う。。。

フッ、、、オレが内側に飼っているのは、、、一頭の『虎』だ、
この『虎』は80年、、90年代の暴力がものを言わした富山の環境で、、年毎に猛々しさを増していった。。。
強く、、、強く、、、という時代だったから。。。タイツ、、、お前はいったい何を飼っているのかな? 教えてくれよ。

「タイツ」:あんたのソレが『虎』だというのであれば、俺のソレは『虎よりも強い獣』だ!!!

「サム」:フッ、、言うようになったな小僧!! この戦いは実に楽しい、だが、、お前はまだまだボーイだ!!、、、食うぜ!!!

そういうとサムの右腕は二倍に膨れ上がった!! 

「保険医」:そんな、、、サムの戦闘力が、、、まだまだ上がっていく、、、80万、、、90万、、、100万、、、まだあがる。。。

「淡路」:あ、、、ああああ、、、サムの力は底なしだ、、、俺はあんな化け物と戦おうとしていたのか。。。

「サム」:どうだ!!筋肉に全てを捧げた男の腕力は? 筋肉に全てを捧げるのではなく、、、筋肉が己に全てを捧げたとカン違いしている おまえには、、とうていできねェ芸当だ!!!筋肉の神様はケチでしみったれなんだ、、、あれもこれもどれも全て、、、差し出す者にしか本物はくれねェよ!!

とどめを刺そうと、サムはさらに筋肉を膨らませる、、、しかし、、、、

「サム」:な、、、なんだいこりゃあ!?

タイツは瞳を閉じる、、、タイツの瞼の裏に、、、半年前の敗北が鮮明に映る、、、もうたくさんだ、、なんどそう思ったか、だが、、、タイツは諦めなかった、、、、もっと力を、、、力を熱望した、、、、、そして手に入れた。。。

「淡路」:なんだ!!タイツの体が、異常に赤いぞ!!!、、、髪が、、金色に。

「保険医」:、、、、ま、、、まさか、、、、

「タイツ」:
誰よりも、、、強くなりたいと思った、、、、だが、、、骨格(フレーム)がこれ以上強くなることを拒んだ、この171センチの小さな骨格(フレーム)ではこれ以上の筋肉は望めなかった!!!

神は俺に力をくれなかった、、、、ならば、、、俺は、、、、悪魔にもらうことにしたよ、、、、『力』を。。。

「サム」:、、、ど、、、どーゆー意味だ?

「タイツ」:サム、、、あんたはこう言ったな、、、筋肉の神様は全てを差し出す者にしか本物はくれないと、、だが、、、悪魔は、、、笑いながら、、、囁いた、、、、
『力が欲しいか?』
俺は『YES』と答えた。。。。。

「保険医」:、、、、ス、、ステロイドだ!!しかもかなり高純度な!死ぬ気きゃ!

「淡路」:ド!ドーピング!! ひ、、、卑怯だぞ!!!

「タイツ」:あの日、、サムに敗北してから、俺は逃げてきた、、、だがもうたくさんだ!!強くなるためなら、卑怯なこともしよう、、、地獄に落ちることもしよう、だが!!逃げることだけは!!絶対ェにしねェぜ!!!!

「保険医」:い、、医者の立場から言うで、、あんさんの命は、、、もう、、、長くないで。。。。

「タイツ」:いいんだ、、、今日強くなれるなら、、明日はいらない、、、、より明日、、強くなるために、、、今日をもっと。。。。

「サム」:はっ!! ステロイドか、、、考えたな、、、、卑怯とは思わない、、、それで強くなると思うんだったら、迷わず打てばいい!!! だが、、それでも、、この俺には勝てんぞ!!!! どりゃあああ!!!!

、、、、、、うっ!!! 動かん!!!!

「タイツ」:無知な科学者にはたどり着けぬ極地がある、、、、ドーピングに次ぐドーピング、、薬物と滅びゆく肉体とのせめぎ合いの果て、、薬物を凌駕する例外の存在!!!日に30時間の鍛錬という矛盾のみを条件に存在する肉体!!半年間その拷問に耐え、、、、、俺は今、、ステロイド(悪魔)を超えた!!!

サム!!!今度はあんたが『汗』を掻く番だ!!!

「保険医」:40万、、、167万、、、228万、、、、、ボンッ!!!!、、そんな、、、

「淡路」:スパウザーが爆発した!! つまりサムのパワーがそれほどまでに。。。。

「保険医」:ち、、、違う、、、あっしはタイツにセットしてたんだ、、、それが、、、こんなことに。。。。

「淡路」:なっ、、、なんだと!!!!

「タイツ」:死ぬにはいい日など、、、死ぬまでないッッ!!! いつだって、、今日を生きるしかないッッッ!!!!

これで終わりだサム!!!! うおぉぉぉおおお!!!!! 四倍だぁあああああッ!!!!!

「サム」:(正直、、、消化試合だと思っていた、、、、、、自分よりも体重がないボーイに、、、俺が、、、『富山』が、、、敗ける??)

そのとき、サムの脳裏には立山をモチーフにした富山県の県章が浮かんでいた。。

「サム」:インポッシブル!!!! No!!NO!!NOぉぉおお!!!!! 俺はサムだぞ!!、、、、このサムがぁあああ!!! うおぉおおお!!!!

「タイツ」:はああああぁぁぁあああああああ!!!!!!!

メメタァ!!!!!!

閃光とともに、、、辺り一面が粉塵に見舞われる。。。

「淡路」:なんだ、、、いったいどーなったんだ、、、どっちが勝った?

「保険医」:あっ、、アレは、、、机が真っ二つに!!!! 二人のパワーに耐えられなかったんだ!!! ああ!! 二人が床に倒れている!!!

「淡路」:み、、見ろ!!!!  タイツの拳が床に、、、そしてサムの拳がタイツのソレの上にある、、、、

「保険医」:つ、、、つまり。。。

「淡路」:サ、、、サムの、、、勝ちだ!!!!

「サム」:む、、、むう、、、、

「保険医」:サムが気がついたでぇ、、、サム!! あんさんの勝ちや!!!

「サム」:お、、、俺の勝ち?、、、いや、、アレは倒れた拍子に、、、

「淡路」:流石だサム、、、あんたは俺の目標だ!!!

サムは何かを言いかけたが、タイミングを逃した、、、サムは無意識に自身の右腕を触る。。。

「淡路」:え、、ちょぉ!! それは!!! ゲエエ!! サムの右腕が折れてるぅうう!!!!!

サムは倒れているタイツに目を向ける。。

「サム」;タイツ、、、なんてすごい奴なんだ、、、最後のパワー、、、アレは明らかに俺を超えていた。。。。虚勢を張らず、、、、威嚇をしない、、、、かと言って思い上がってもいない、、、、そんな男が、、内にあれほどのパワーを、、、、内に、、、『虎』を超える獣を飼っていた。。。

フッ、、、タイツか、、、、

たいしたやつだ!たいしたやつだ!!たいしたやつだ!!!たいしたやつだ!!たいしたやつだぁあああ!!!!!

そして数時間後、、サムとの別れ、、、サムは明日帰国する。。

「タイツ」:なあ、、サム、、、本当に富山に帰るのか?

「サム」:タイツ、、、富山は俺の祖国だ、、、故郷には思い出がある、、、どこにいっても必ず帰ってしまうとこなんだ。

「タイツ」:サ、、サム、、、俺は、、、

「サム」:おっと、、その先は言わなくてもいいぜ、、、あれはどっちが勝ってもおかしくなかった、、、正に紙一重だったのさ。。。。

「タイツ」:、、、はは、、、ずいぶん分厚い紙一重だな。。。。

「サム」:握手だ、、、

「タイツ」:ワリィ、、右腕、、これもんなんだ、、、左でいいか?

「サム」:はは、、奇遇だな、、、俺もだ。。。。

二人は左手で握手を交わす、、、力強く。。。。

「淡路」:最後に、、アレ、『俺たちは』ってやつ、やりましょうよ。

「サム」:Oh you have a good Idea!!!

「保険医」:じゃあ、、いくでぇ、、、、

!!!俺たちは強い!!!

「サム」:じゃあなーマヌケ面ぁあ!!俺以外に敗けるんじゃあないぞ!!

「タイツ」:ハッ! こっちのセリフだぜ!!!!

漢には、、戦わなくてはいけないときがある。。。思うにそれは、、『漢』だけの問題じゃあない、、、誰にだって、、覚悟を決めて戦わなくてはいけないときがくる、、、必ず来る。。。

その際に、、いかに自分を信じられるか、、、自分を信じるために、、、自分を磨く、、、それは、学校の成績だったり、、運転技術だったり、、文才だったり、、絵心だったり、、、腕力だったり、、タイツにとってのソレは正に『腕力』だ、、、こんな時代だけど、、、自分の信じられる道を歩いていきたい、、、

そう、「サム」も「シンシティ君」も「ケニー」も「淡路」も「保険医」も『君』も!!!自分の道を信じて歩いていけるんだ!!!

生きるためには血を流すこともあるだろう、、、裏切られることもあるだろう、、、だけど、いつだってタイツはこんな具合に自分の力を信じて進んでいく!!!!


『筋肉の向こう側』



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